8日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比4.54ポイント(0.12%)安の3635.13ポイントと5日ぶりに反落している。
 外部環境の不透明感が嫌気される流れ。
米経済のスタグフレーション(不況下のインフレ)が改めて意識されたほか、米高関税政策が世界景気を冷やすとの不安もくすぶっている。また、上海総合指数はこのところ、約3年7カ月ぶりの高値水準を連日で切り上げていただけに、売り圧力も高まっていた。ただ、下値は限定的。中国の政策に対する期待感や、中国の景気懸念が薄らいだことなどが引き続き相場を支えている。指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、半導体の下げが目立つ。半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が3.9%安、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が2.9%安、半導体材料の有研新材(600206/SH)が2.6%安、通信機器・IC設計の上海貝嶺(600171/SH)が2.5%安、LED部材トップメーカーの三安光電(600703/SH)と半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)がそろって1.6%安で引けた。新興ハイテク株も急落。ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が1.4%下落し、主要指数をアンダーパフォームした。
 金融株もさえない。招商銀行(600036/SH)が1.4%、重慶銀行(601963/SH)が1.1%、新華人寿保険(601336/SH)が1.4%、中国人寿保険(601628/SH)が0.9%、信達証券(601059/SH)と東方証券(600958/SH)がそろって1.5%ずつ下落した。消費関連株、自動車株、不動産株、軍需産業株なども売られている。

 半面、非鉄や鉄鋼、建材など素材株はしっかり。洛陽モリブデン(603993/SH)が3.0%、江西銅業(600362/SH)が1.6%、馬鞍山鋼鉄(600808/SH)が3.2%、宝山鋼鉄(600019/SH)が1.8%、華新水泥(600801/SH)が5.4%、安徽海螺セメント(600585/SH)が1.0%ずつ上昇した。インフラ建設株、エネルギー株、公益株、海運株も買われている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.85ポイント(0.32%)安の266.71ポイント、深センB株指数が0.87ポイント(0.07%)安の1305.42ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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