22日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比80.05ポイント(0.32%)高の25184.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が47.74ポイント(0.53%)高の9022.51ポイントと反発した。売買代金は1497億6530万香港ドルに拡大している(21日前場は1241億7680万香港ドル)。

 投資家心理がやや上向く流れ。中国の政策に対する期待感が根強いほか、米中関係の改善期待も高まっている。外電は21日、「米ボーイングと中国は近く、最大500機の航空機購入契約を結ぶ見通し」と報じた。実現すれば、2017年のトランプ米大統領(第1期)の訪中以来続いていたボーイングの対中販売不振に、ようやく終止符が打たれることとなる。もっとも、上値は限定的。米金融政策が不透明だ。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月29~30日開催分)がタカ派(引き締めに積極的)寄りだったとの見方が優勢だったほか、足もと経済指標の堅調を受け、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がないとの観測も強まっている。また、パウエルFRB議長が今夜(日本時間)、ジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演することも気がかりだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が6.7%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.3%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.4%高と上げが目立っている。李寧の中間決算は1割減益だったが、予想を上回ったことが買い安心感につながった。
 セクター別では、半導体が高い。SMICのほか、華虹半導体(1347/HK)が11.7%、蘇州貝克微電子(2149/HK)が9.8%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が6.5%ずつ上昇した。

 新興電気自動車(EV)関連も急伸。小鵬汽車(9868/HK)が10.2%高、蔚来集団(9866/HK)が7.3%高と値を上げた。小鵬汽車については、同社の何小鵬・董事長兼CEO(最高経営責任者)が自社株を買い増したことが刺激材料となっている。そのほか、スマートドライブ関連の速騰聚創科技(2498/HK)が11.2%高、知行汽車科技(蘇州)(1274/HK)が3.7%高、地平線(9660/HK)が2.5%高で前場取引を終えた。
 消費セクターの一角も物色される。百貨店の百盛商業集団(3368/HK)が26.4%高、日用雑貨チェーンの名創優品集団HD(9896/HK)が18.3%高、茶飲料チェーンの滬上阿姨(上海)実業(2589/HK)が5.0%高、組み立てキャラクター玩具の布魯可集団(325/HK)が2.5%高、マルチブランド化粧品の上海上美化妝品(2145/HK)が1.9%高で引けた。百盛商業については、中間業績の黒字転換が好感されている。名創優品は中間決算の調整後純利益が前年同期比で10.6%増加し、今後の業績成長が見込まれたことも材料視された。
 半面、空運セクターは急落。大手キャリアの中国国際航空(753/HK)が6.4%安、中国東方航空(670/HK)が4.1%安、中国南方航空(1055/HK)が3.0%安と値を下げた。
 本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.67%高の3796.36ポイントで前場取引を終了した。
ハイテクが高い。証券、自動車、素材、軍需産業なども買われた。半面、空運は安い。エネルギー、公益、食品飲料も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
編集部おすすめ