22日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比54.66ポイント(1.45%)高の3825.76ポイントと3日続伸した。約10年ぶりの高値水準を連日で切り上げている。

 前日までの好地合いを継ぐ流れ。中国の政策に対する期待感や、資金流入期待が相場を押し上げている。米中関係の改善期待も追い風。米ボーイングと中国は近く、最大500機の航空機購入契約を結ぶ見通しなどと外電で報じられた。実現すれば、2017年のトランプ米大統領(第1期)の訪中以来続いていたボーイングの対中販売不振に、ようやく終止符が打たれることとなる。また、外電が21日、消息筋情報として、「米GPU大手のエヌビディアはこのほど、中国市場向けAIチップ「H20」の生産停止を一部サプライヤーに指示したもよう」と伝えたこともプラス。中国政府は半導体の自給率引き上げ方針を示していることもあり、国内産業の躍進が期待された。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテクの上げが目立つ。スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)とフラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)、電子機器メーカーの方正科技集団(600601/SH)がそろって10.0(ストップ)高、銅張積層板メーカー世界大手の広東生益科技(600183/SH)が7.1%高、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が6.2%高で引けた。ほか、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、人工知能(AI)半導体の中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ:688256/SH)が20.0%(ストップ)高。連日で上場来高値を更新した。
 証券株も物色される。
光大証券 (601788/SH)が10.0%(ストップ)高、中信証券(600030/SH)が4.3%高、華泰証券(601688/SH)が3.9%高、招商証券(600999/SH)が3.2%高で取引を終えた。軍需産業株、素材株、自動車株、消費関連株、医薬株、不動産株なども買われている。 
 半面、空運株は安い。中国東方航空(600115/SH)が1.7%、中国国際航空(601111/SH)が1.6%、春秋航空(601021/SH)が1.4%、中国南方航空(600029/SH)が1.3%ずつ下落した。エネルギー株、公益株、銀行株の一角も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.66ポイント(0.25%)高の266.68ポイント、深センB株指数が11.67ポイント(0.88%)高の1342.53ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
編集部おすすめ