前日の好地合いを継ぐ流れ。米中関係の改善期待が高まっているほか、中国の経済対策もプラス材料だ。中国当局はこのところ、人工知能(AI)技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力しているほか、産業支援や過当競争是正、消費刺激などの経済対策を強めている。ただ、上値は限定的。米金融政策の不透明感で昨夜の米株が続落したことを嫌気したほか、中国の大型連休も買い手控え要因として意識された。中国では来週、国慶節・中秋節連休がスタートする。本土市場は1~8日まで、香港市場は1日と7日が休場だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が6.3%高、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が6.2%高、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が4.4%高と上げが目立った。JDや百度などの上昇が寄与し、ハンセン科技(テック)指数は1.9%高と他の指数をアウトパフォームしている。
セクター別では、自動車が高い。浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.0%、小鵬汽車(9868/HK)が4.7%、蔚来集団(9866/HK)が2.4%、吉利汽車HD(175/HK)が2.1%ずつ上昇した。そのほか、本日新規上場した奇瑞汽車(チェリー・オートモービル:9973/HK)は公募価格比8.9%高。
非鉄・レアメタル関連も急伸。モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が13.3%高、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が9.9%高、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が8.7%高、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が6.3%高で引けた。
クラウドや半導体、AI技術、ロボットの銘柄群も物色される。金蝶国際軟件集団(268/HK)が3.6%高、金山雲HD(3896/HK)が3.5%高、華虹半導体(1347/HK)が6.4%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.8%高、商湯集団(センスタイム・グループ:20/HK)が4.4%高、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が1.7%高、深セン市優必選科技(9880/HK)が6.0%高、深セン市越疆科技(2432/HK)が4.7%高で前場取引を終えた。
半面、中国の銀行セクターは安い。中信銀行(998/HK)が2.9%、中国工商銀行(1398/HK)が2.1%、中国建設銀行(939/HK)と中国銀行(3988/HK)がそろって1.9%ずつ下落した。
本土と香港の不動産セクターもさえない。旭輝(884/HK)が3.4%安、中国奥園集団(3883/HK)が2.6%安、碧桂園HD(2007/HK)が1.7%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.1%安、恒隆地産(101/HK)が1.6%安と値を下げた。
本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%高の3859.62ポイントで前場の取引を終了した。ハイテクが高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)