投資家の慎重スタンスがやや強まる流れ。米金融政策の不透明感が嫌気されたほか、中国の大型連休も買い手控え要因として意識された。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長など米金融当局者は、相次ぎ追加利下げに慎重な姿勢を示している。昨夜の米株市場では、主要3指数がそろって続落した。また、中国では来週、国慶節・中秋節連休がスタートする。本土市場は1~8日まで、香港市場は1日と7日が休場だ。ただ、下値は限定的。米中関係の改善期待が高まっているほか、中国の経済対策もプラス材料だ。ハンセン指数もプラス圏で推移する場面がみられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、家電メーカー中国大手の海爾智家(6690/HK)が4.8%安、
パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(レノボ:992/HK)が3.6%安、香港大手行の恒生銀行(11/HK)が3.1%安と下げが目立っている。
セクター別では、中国の銀行が安い。中信銀行(998/HK)が2.8%、中国工商銀行(1398/HK)が2.4%、中国建設銀行(939/HK)と中国銀行(3988/HK)がそろって2.3%ずつ下落した。
本土と香港の不動産セクターもさえない。中国奥園集団(3883/HK)が4.3%安、碧桂園HD(2007/HK)が3.4%安、世茂集団HD(813/HK)が1.3%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.4%安、恒隆地産(101/HK)が1.8%安、恒基兆業地産(12/HK)が1.5%安と値を下げた。
家電やスポーツ用品の中国消費セクターの一角も売られる。海爾智家のほか、海信家電集団(921/HK)が6.3%安、TCL電子HD(1070/HK)が2.2%安、中国動向(3818/HK)が3.8%安、李寧(2331/HK)が2.0%安で引けた。
半面、自動車セクターは高い。浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.9%、小米集団(1810/HK)が4.5%、小鵬汽車(9868/HK)が3.8%、理想汽車(2015/HK)が3.3%ずつ上昇した。そのほか、本日新規上場した奇瑞汽車(チェリー・オートモービル:9973/HK)は公募価格比3.8%高。同社株の人気は高く、22日に締め切られたIPO公募では、香港一般投資家の申込倍率が308.18倍に達した。新興EVなどの上昇が寄与し、ハンセン科技(テック)指数は0.9%上昇している。
非鉄・レアメタル関連も急伸。モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が11.7%高、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が8.9%高、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が7.7%高、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が6.0%高で引けた。資源価格上昇の思惑が広がる。
本土マーケットは小反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%安の3853.30ポイントで取引を終了した。銀行が下げ主導。不動産、消費関連、保険・証券、エネルギー、公益なども売られた。半面、ハイテクは高い。非鉄・レアメタル、医薬、自動車も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)