内外環境の不透明感が重しとなる流れ。米追加利下げ期待の後退や、中国の景気先行き不安が投資家心理を冷やしている。米金融関係者からは金融緩和に消極的な発言が相次いだ。米金利先物市場の値動きから算出するCMEフェドウオッチ(政策金利が変更される確率)によると、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げする確率は14日時点で約44%に低下した(7日時点では約67%)。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下期待も後退している。また、先週公表された中国の月次経済統計は、総じて弱い内容だった。10月の小売売上高は市場予想を上回ったものの9月からは成長が鈍化し、鉱工業生産は予想下振れ。1~10月の固定資産投資は予想以上に減少し、不動産開発投資は落ち込みが拡大した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(レノボ:992/HK)が3.9%安、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)と旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)がそろって3.6%安と下げが目立った。携程集団については、中国当局が日本への渡航を自粛するよう呼び掛けたこともマイナス。旅行需要の縮小が警戒された。同社のほか、ツアー会社の東瀛遊HD(6882/HK)が5.4%安、同程旅行HD(780/HK)が1.6%安と値を下げている。
セクター別では、非鉄・産金が安い。中国宏橋のほか、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.4%、江西銅業(358/HK)が2.6%、招金鉱業(1818/HK)が2.8%、紫金鉱業集団(2899/HK)が2.7%ずつ下落した。
医薬セクターもさえない。康希諾生物(6185/HK)が4.0%安、中国生物製薬(1177/HK)が3.0%安、上海復星医薬集団(2196/HK)が2.5%安、広州白雲山医薬集団(874/HK)が2.0%安で引けた。
半面、石油や石炭などエネルギー関連セクターは物色される。中海油田服務(2883/HK)が2.6%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が0.7%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が0.4%、中国中煤能源(1898/HK)が1.9%、エン鉱能源集団(1171/HK)が1.8%ずつ上昇した。
本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.46%安の3972.04ポイントで取引を終了した。金融が下げ主導。医薬、素材、公益、自動車、運輸、インフラ建設なども売られた。半面、不動産は高い。軍需産業、エネルギー、ハイテクの一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











