コンタクトレンズ専門店の「アイシティ」を展開するHOYAヘルスケアの現地法人、豪雅護眼商貿(上海)が上海でのブランド確立に力を入れている。現在、上海市内に6店舗を展開しているが、年内にも4店舗を新たに出店。
――御社は日本で「アイシティ」を約150店舗展開しており、上海には海外で初めて、05年12月に出店した。上海を選択した理由は。
日本において、コンタクトレンズの主なユーザーは20-30歳代の若者だが、少子高齢化が進んでいるため、今後10年間でこの層の人口が約2割減ると見られている。そのため、業界として海外の市場を開拓する必要に迫られている。
――現在、上海市内に6店舗を展開しているが、ショッピングセンターや路面店、郊外のスーパーマーケットなど出店場所は様々だ。
単純な売り上げベースではなく、コンタクトレンズを普及させるためにはどういうロケーションに店舗を設置するのが効果的なのか、テストするためだ。当初は日本人客層も意識して市中心部のショッピングセンターや路面店に出店していたが、郊外のスーパーマーケットなどへも手を広げている。
――日本では現在、使い捨てワンデイレンズの売り上げが伸びているが、上海での販売状況は。
上海では1カ月のマンスリーレンズが売れている。消費者は店舗に足を運んだ際の交通費も含め、1日当たりでいくらになるかコスト計算をして、ワンデイレンズよりも割安と判断しているようだ。ただ、ワンデイレンズの販売も年20%程度の伸びを示しており、これは収入の伸びに沿ったものといえる。
――日本の顧客は男女比が約半々だが、上海でコンタクトレンズを付けているのは女性が多い。
アイシティでも20―30歳代のOLが顧客の85%を占めている。小売店でこれだけターゲットが集中しているのは珍しいのではないか。日本では左右の視力が不均一であるなど特別な視力矯正のニーズから始まって、後におしゃれも追求されるようになったが、上海では当初からおしゃれのニーズが高い。黒目を際立たせ、目を大きく見せることができるサークルレンズが売れており、カラーレンズも売れ行きは好調だ。また、面白い現象もある。
――顧客が一定の層に固まっていればマーケティング戦略が立てやすい。
夏ではミニスカートの、冬ではブーツの女性が何人通るかという通行量調査を行って、出店場所選択の参考にしている。また、語学学校の生徒とターゲット層が同じのため、学校の分布を調査するということもしている。さらに、化粧品売り場に訪れる女性とも重なることから、顧客紹介などの戦略提携も可能になるだろう。
――今後、まずは上海で店舗展開を進めていく。他の都市への進出は。
まずは“コンタクトレンズ専門店”としてのブランドイメージを確立させることが重要だと考えている。コンサルティング会社との調査で、上海ではブランドと認知されるために最低20店舗の展開が必要だとの結果が出た。
このインタビュー記事は、『ウェネバー上海』による提供です。
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