今年で活動25周年を迎えるダイアモンド☆ユカイさん。世界各国を旅してきた今、眼差しの向かう先は中国。
ロックミュージシャンというフィルターを通してみると、中国の新鮮な顔が見えてくる。インターネット上で中国語レッスンサービス「iChina.jp(アイチャイナ)」を提供する株式会社ニュウジアの広報部長 王 依緋(おう・いひ)さん、講師のカイカさん、QQさんに旬の中国を教えてもらいながら、「時代と人とロック」のちょっと硬派なsideA、「薔薇よりぐっとくる言葉」のほんのり軟派なsideB、の前後編に分けて語っていただく。(以下敬称略)

前編:男っぽいロックが映えるユカイと中国

QQ ユカイさんが中国に興味を持っていると伺って、とても嬉しいです。

ユカイ 初めて中国に興味を持ったのは、20年ぐらい前にNYに行ったとき。肉ばっかの料理に飽きて出かけたチャイナタウンで驚いた。鬼気迫る中国人のパワー、に心底圧倒されて。

イヒ 中国人がエネルギッシュだってよく言われますが、その理由は、より人間らしく、本能に従って生きているからだと思うんです。いい暮らしをしたい、それにはお金が必要、どこに行けばよりお金を産みだせるのか。とにかく生きるのに一生懸命なんです。そして、そのことを隠さないから、よりパワフルに映るのでしょうね。

ユカイ アメリカの中心であるNYに、一つの国を作り上げている、なんてこいつらすごいんだって、強烈な印象に残ったんだよね。その頃のNYはまさに『ゴッドファーザー』みたいな世界。
バブル前で円が強くて、日本人というだけでバッシングされそうに荒れていて。でも俺は、もともと欧米モノのロックをやるミュージシャン。ファッションも欧米のアーティストと同じようなものを取り入れていた。日本ではロックなヴィジュアルの人も少なかったから、「俺がミック・ジャガーだ」ぐらいの勢いでいたんだけど、NYに行ったら「ジャッキー・チェン」扱い。

 俺ってアジア人なんだって思い知って、最初は嫌だった。でも、チャイナタウンのエネルギーにも後押しされて、アジア人やるじゃん、がんばれって。同じアジア人として、中国についていろいろ知ってみたいと思うようになったんだよね。

カイカ 中国人アーティストのロックもお聴きになっているんですよね。

ユカイ 曲から受ける印象がすごく男っぽくていいよ。

イヒ メロディを届けるというよりは、歌詞で叫びを届けたいという感じかも。

ユカイ 最近の日本のロックは刺激が少なくなってきてる。弱い男の人が増えたのか、女の人が強くなったのか。
中国がうらやましいよ、叫びを聞く土壌があって。今の日本じゃ、叫ぶと人がいなくなっちゃうよ。

QQ 本当のロックは、叫ぶほどの気迫でするものですか。

ユカイ ロックの定義は難しいけど、いろいろな皮を剥いていって、残るものが魂の叫び。そういうものがロックの中身なんだと思ってる。日本は恵まれすぎてしまって欲がなくなったんだね。

イヒ 日本人はがっつき感やがんばってる姿を表に出すのがかっこ悪いと思っている。中国人と真逆です。今の中国の雰囲気のほうがロックっぽいんでしょうね。

ユカイ いつか中国でもステージに立ってみたいね。

カイカ もし中国にでかけられたら、中国人アーティストのライブにも行きますか。

ユカイ 観るほうは、ジャンルを限定しないよ。
音楽に限らず、胸にぐっとくる、すばらしいエンターテイメントに出会いたいね。そういう心の揺れからも音楽は生まれるから。

QQ じゃあ中国との出会いからも音楽が生まれるんですね。

ユカイ 日本は古くから中国を見て育ってきた。俺は歴史が好きだから特にそう思うんだけど、文化や街から受ける刺激はすごく多いはず。ここで遣唐使はどう思ったのか、何を語り合ったのか、とかね。

イヒ 今の北京や上海では古の中国、というようなイメージに合うところがないかもしれません。一つあげるとしたら、昆明がおすすめです。ミャンマーに近いので、民族が違い生活習慣も違う。民族衣装で生活していたり、言葉も奥ゆかしくて、中国人の私でもうっとりするような素敵さがあります。

ユカイ 日本もそうだけど、新しいものだけ追いかけて古いものを壊していったら、中身のない、文化的に薄っぺらな国になっちゃうよね。

QQ ユカイさんのロックで魂を揺さぶって、日本も中国も男っぽく、骨っぽく!

ユカイ 日本と中国、お互いに影響しあっていければいいよね。
違いばかりにフォーカスせず、同じアジア人として大きく一つにまとまれればいい、ジョン・レノンのイマジンじゃないけど。(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)

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