これまで、武広高速鉄道には自働除雪装置が設けられており、架線も「世界で最も進んだ技術を使い、100年に1度の大雪にも耐えられる」などと宣伝されていた。しかし20日には、減速による遅れで在来線への乗り換えを余儀なくされた乗客も多かった。その他の高速鉄道路線でも20日には、悪天候のために減速運転するケースが相次いだ。
武漢鉄道局によると、最高時速を350キロメートルから250キロメートルに落とすなど、減速運転を行った。「乗客の命の安全を守るためで、技術面での問題が生じたためではない」という。政府・鉄道部も22日に記者会見を開き、王志国副部長が「安全確保のための措置。豪雪や氷結の際、減速して運転することは、世界の高速鉄道が普遍的に採用している措置」と説明した。
武広高速鉄道の減速運転がそれほど異様な措置だったとは考えにくいが、これまで関係当局やメディアが「中国の高速鉄道技術は世界のトップ・クラスになった」、「安全性も完全に保証されている」など、自国の高速鉄道の優秀さをことさらに強調してきたため、一般国民の間に不信や不安の声が高まったと考えられる。(編集担当:如月隼人)
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