「30年間のすばらしき結婚生活が解明」、「ふたりの結婚物語を記録」、「秘密の恋の物語」などの見出しが並んだ。記事本文では三浦友和さん自伝の「相性」の内容として「現在もこれまで通りに幸せで円満」、「ふたりがけんかをしない否決」、「愛妻のため、三浦友和が3つの誓い」など、ふたりの夫婦仲が極めてよいことに注目する報道が多い。
「3つの誓い」とは◆51歳で禁煙する◆人として誠実◆百恵を裏切らない、絶対に浮気はしない――で、中国語の特性もあり日本での報道に比べ、やや「単刀直入」な表現になっている。
中国での関連記事はいずれも、三浦友和さん・山口百恵さん夫妻に対して極めて好意的な論調で書かれている。
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◆解説◆
中国で山口百恵の知名度と人気を一気に押し上げたのは、テレビドラマの「赤いシリーズ」だった。日本で同シリーズの放送が始まったのは1974年だが、中国ではかなり遅れて放送された。再放送も繰り返された。
中国では文化大革命が終わり、人々が外国の映画、テレビドラマ、音楽に接しはじめた時期だった。山口百恵さんが主演するドラマは、視聴できることそのものが「中国社会の変化」を実感できる象徴的なできごとだった。
また、中国人は「日本は男尊女卑の国で、女性は男性に服従を強いられている」と考えることが多いが、「苦難に耐えてけなげに前向きに生きる」ドラマ中の山口百恵の姿は、「現在の日本人女性は、過去とは違うようだ」として、中国人の日本人観を変化させる大きな力にもなった。
同様の経緯で、中国で極めて高く評価されるようになった芸能人に高倉健や中野良子がいる。文化大革命後の中国で、西側作品として始めて公開され大ヒットした映画「君よ憤怒の河を渡れ」がきっかけだった。
中国で山口百恵、高倉健、中野良子に大きな人気が出たのは、中国における対日感情を改善しようという日中両国政府の思惑が大きく絡んでいた。その後、欧米の映画やテレビ、音楽の流入で、「日本芸能」に対する関心は相対的にやや低くなったが、2000年ごろからはJポップ、アニメ、「秋葉文化」AVなど、日本の現代文化に対する関心や人気が再び高まった。こちらは政治的思惑とはあまり関係なく、場合によっては中国当局が「警戒」する中での文化流入だ。(編集担当:如月隼人)











