今回のライブのバンドは、小沢を中心として右手にボーカル、左手にベース、後方に弦楽四重奏(ヴァイオリン2台、ヴィオラ、チェロ)という小じんまりとした編成。全曲がこの編成のための新アレンジで演奏された。ストリングスアレンジは服部隆之が手がけたことが小沢から紹介された。
第一夜のコンサートは、スチャダラパーのBOSEによる朗読で始まった。この冒頭の朗読は、各回毎に異なるミュージシャンが担当するという。舞台後方にはスクリーンが設置され、コンサート中に様々な影絵が投影される。この影絵を効果的に使いながら、歌と朗読が交互に披露される形でコンサートは進んだ。
ライブタイトルと同名の新曲“東京の街が奏でる”を始めとして、“ラブリー”や“ドアをノックするのは誰だ”、そして前回のライブ“ひふみよ”では全フレーズ歌われることのなかった“ある光”など、「今日はたくさん歌ってやろうと思って」という小沢の言葉どおり多くの曲が演奏された。
前回2010年の“ひふみよ”ライブにおいては、“ラブリー”で「ラブリーラブリーで、完璧な絵に似た」という新しい歌詞が紹介されたが、今回は“おやすみなさい、仔猫ちゃん!”において「どこへ行こう?どこへ行こう?今」という新しい歌詞が披露され、ホール全体で合唱した。
コンサート“東京の街が奏でる”は、オペラシティ・コンサートホールにて4月16日(月)まで計12回の公演を開催する。また、3月16日(金)から開催されている小沢健二の展覧会“我ら、時”は、東京・渋谷のパルコミュージアムで4月2日(月)まで開催され、その後、仙台や名古屋など全国のパルコへ「遠くまで旅する」予定だ。(編集担当:谷原大進)