1967年にデビューし、美しい歌声と抜群の歌唱力で中華圏を始め東アジアで多大な人気を獲得した、「アジアの歌姫」テレサ・テン(デン麗君、デンは「登」におおざと)。95年5月に42歳の若さでこの世を去った後も、素晴らしい歌声と楽曲が多くの人々に愛され、故郷・台湾では「永遠的軍中情人(軍人の永遠の恋人)」のままだ。
ところが、台湾で「日本ではセクシー写真を撮っていた」ことが知られるようになり、人々に衝撃を与えている。

 台湾をはじめ、多くの中華圏ではいまでも「テレサの愛らしい姿が忘れられない」と口にするファンが多い。テレサは超一流の歌手であり、さらに「愛くるしい容姿」も魅力だった。

 そんなイメージがあっただけに、台湾の日刊紙「聯合報(ユナイテッド・デイリー・ニュース)」が掲載した台北市内で開催中の日本の写真家・加納典明氏の個展を紹介する記事は、台湾の人々に衝撃を与えた。

 同個展は、テレサを撮影した写真も展示。聯合報は「その写真は85年4月に雑誌:PENTHOUSE日本版に掲載されたもの。
ヌードではないが、これまでのイメージとは大きく違う写真」という熱心なテレサファンのコメントを載せた。

 台湾ではこれまで見せることのなかった、“セクシーなテレサ”だ。加納氏のカメラを前にミニのワンピース姿で太ももを露わにしたテレサは、黒の網タイツをはき大人の女性の魅力を振りまいている。

 聯合報は「有名人ご用達カメラマンの加納氏に撮られたテレサは、30歳を過ぎたころ。当時は日本で輝かしい活躍をしており、アルバム総売上げは150万枚を超えるほどだった」と伝えた。

 加納氏の写真によって日本でイメージチェンジを図っていたテレサは、生きていれば今年60歳。
台北市の中正紀念堂で4月21日まで開催される生誕60年記念イベント「追夢-永遠的〓麗君特展」は、多くの来場者でにぎわっている。テレサ・テンが残したものすべてが伝説となり、永遠に引き継がれていくのだろう。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)