爆発事故が発生したのは広東省従化市農村部のガス・ステーション。所在地である太平鎮の住民は、3回の爆発音で眠りから目覚めさせられた。インターネットの簡易投稿ブログに「ものすごい爆発音が2回続いた。家じゅうの窓ガラスが粉々になった。道の向いのガス・ステーションが爆発した!」と書き込んだ住民もいる。
現場から約1キロメートルの場所にある消防署からも、ガス・ステーション上方の空が真っ赤に染まるのが見えた。通報を受けるまでもなかった。消防車9台に分乗した消防士約50人が急行した。
逃げてきたガス・ステーション関係者の話で、事故発生のあらましが分かった。ガスを運搬してきたタンクローリーからステーションのタンクにガスを移している際に、出火した。「こりゃだめだ、危ない」と、逃げ出した直後に爆発した。
タンクローリーは爆発の衝撃波で上方に跳ね飛ばされた。
敷地周囲を囲む壁はなぎ倒された。置いてあったガスボンベが四方八方に飛び散った。くるくると宙を舞いながら落下した。
ステーションは緩やかな山に囲まれたくぼ地にある。うっそうとした緑に囲まれていた。タンクローリーから20メートルほどの場所にあった太い木は、幹が根元近くの直径約40センチメートル部分でへし折られた。強烈な熱波を受け、ステーション周囲の山の木々が一斉に燃えだした。
周辺住民は全員が、爆発発生直後に飛び起きた。
ガス・ステーションには、爆発したタンクローリーから30メートルほど離れた場所に、長さ約10メートル、直径約3メートルのメーンタンク4基が設置されていた。
消防の、決死の消火が始まった。メーンタンクに引火すれば、自分たちも吹き飛ばされてしまう。時間との戦いでもあった。最も大きな爆発は最初の3回だったが、その後も断続的に爆発が起こった。消防はひるまなかった。果敢な消火活動が奏功し、しばらく時間をかけて鎮火に成功した。メーンタンクは無事だった。
ステーション周囲の木々は、ほとんどが焼けつくされた。
同爆発で、死傷者はでなかった。(編集担当:如月隼人)
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