中国メディア・中華網は14日、ベトナムが領有権を主張する一方で中国が実効支配している西沙(パラセル)諸島の永興(ウッディ)島に、南シナ海の係争海域を管轄する「海南省三沙市」として初めての学校が建設されたと報じた。

 記事は、同島で昨年6月に同省教育庁と同市の共同による学校建設プロジェクトが始まり、18カ月の時間を経て先日利用がスタートしたと紹介。
すでに教員6人が着任して学校の環境や制度づくりなどを進めているとした。

 また、施設の建築面積4650平方メートルで、学校設備のほかに資料館、水中考古センターなどさまざまな機能を持つと伝えた。三沙市長によると、現時点で開設される幼稚園、小学校、職業教育機能のほかに、高等専門学校、大学本科の社会人通信教育拠点の設置も進めていく予定だという。

 永興島は三沙市における最大の島であり、人口は1000人程度とされる。記事では学校の建設により「学齢期の児童が親と離ればなれにならずに済むようになる」という保護者の喜ばしい声を紹介していた。しかし、「永興学校」を建設したより重要な目的は、同島をはじめとする西沙諸島における実効支配の既成事実化をより一層進めることにあるとみていいだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
中国が南シナ海で陸軍を増強  「最大の支援船」配備、ヘリ搭載も可能
南沙諸島で米国はなぜ態度曖昧か  「本当に戦うと負けるからだ」
南沙問題で日本非難を繰り返す  「とやかく言う権限なし」=中国政府
中国が南シナ海で陸軍を増強  「最大の支援船」配備、ヘリ搭載も可能
中国が西沙に学校建設、ベトナム猛反発に「相手にするな。第二次世界大戦の勝利の果実」
編集部おすすめ