中国人旅行客によるマナーが世界で問題視されているとおり、中国国内におけるマナーの基準は世界とは大きく異る。文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、「郷に入りては郷に従え」という言葉があるとおり、他国を訪れる際には現地の人びとの文化や習慣を尊重するのが筋だろう。


 日本と中国においても人びとの生活習慣は異なる。日本留学を考える中国人の学生にとっても、日本での生活において留意すべき点は数多く存在する。中国メディアの捜狐はこのほど、中国人学生が気をつけるべき日本でのマナーを紹介している。

 記事はまず日本の社交の場でのマナーについて紹介。公共の場では整った身なりをすること、大声で話さないこと、知り合いに対しても挨拶のときはお辞儀をすること、日本の住宅や一部のレストランでは靴を脱ぐ習慣があることなどだ。

 日本旅行で中国人が深く感動するマナーの一つとして、「お辞儀」がよく指摘される。例えば日本旅行の経験のある中国の旅行会社のあるスタッフは、日本人は本当によくお辞儀をして礼儀を示すと指摘しており、「中国人にはとても真似ができない」と絶賛している。
 
 さらに記事は飲食の習慣について紹介。食事の際の箸の使い方について、箸をなめたり、共通の料理皿から自分の箸で直接料理をつまんではいけないこと、また箸をご飯に挿してはいけないと説明。日本の食卓の場合はおかずは1人1人に前もって取り分けられるが、中国の食卓では大きなお皿に盛られたおかずを皆でつつくのが一般的だ。他人の唾液を気にする中国人は多くないのだ。しかし、この習慣に抵抗を感じる日本人もいるはずであり、日本留学した中国人が日本人の友人を食事招待するときは、取り箸を用意するか、おかずを1人1人に前もって分けるなどの気配りが必要かもしれない。


 また記事は言葉遣いにおけるマナーについて紹介。めでたい席では「帰る、返す、離れる、破れる」といった言葉はふさわしくないなど、日本にも中国同様に言葉で縁起を示す習慣があることを説明している。日本には存在せず、中国で広く親しまれている習慣は「福」という文字を逆さにして玄関に飾るものだろう。福の文字を倒す、つまり福を「倒来」させることにより福の「到来」を願うというものだ。日本の言霊信仰は言葉の「音」に対する感性が豊かであり、中国の場合は「文字」による視覚に対する感性が豊かであると言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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