日本人が中国へ行ったときに覚えるカルチャーショックの代表格は、トイレにまつわる話だろう。なかでも使ったペーパーを便器ではなく備え付けのゴミ箱に捨てるとう点にはなかなか慣れないもの。
そして、この習慣の違いは中国人が日本へ行ったときにトラブルを生むのだ。

 中国メディア・株州新聞網は18日「トイレのゴミ箱にペーパーを捨てるわれわれの習慣が、なぜ日本人から非難されるのか」とする記事を掲載した。記事は、日本と中国におけるトイレの差は単に設備上のことだけではないと説明。中国人観光客が大量に日本に押し寄せる以前から、日本のトイレにて中国人が使用済みペーパーを便器ではなくゴミ箱に捨てることで日本人から「中国人はマナー知らずだ」と非難を受けてきたと紹介した。

 また、日本の便器の傍に置いてあるゴミ箱は主に生理用品を捨てるものであり、そこに使ったペーパーが入っていれば「確かに清掃員は仰天することになる」としている。

 そのうえで、ペーパーを巡る両国間の差は「それぞれの衛生設備条件の差が関わっている」とし、中国で水洗トイレが広く普及したのはほんの20年ほどのことであり、流す水の非力さや簡単に分解しないペーパーによって、ペーパーを便器に流せば詰まってしまうという状況を説明。ゆえに小さいころから「ペーパーは便器に捨てるな」と言われてきたと伝えている。一方、日本ではペーパーがみな水に溶ける設計となっているために便器に流すことができ、わざわざ便器の外に捨てる必要が全くないのであるとした。

 記事は「次に日本に行く時には、ペーパーを必ず便器に流すよう覚えておこう。日本ではその方が自分にとっても、清掃員にとっても便利なのだから」と呼びかけた。

 日本での生活習慣を紹介する記事や文章が中国国内で大量に発表されるようになり、トイレットペーパーの処理を巡るトラブルも以前に比べて減少しているのではないだろうか。しかし一方で、なおも慣れずにペーパーを流さない人もいるのは確かだ。
ただそこで考えなければいけないのは、彼らは決して悪気があって流さないのではないということ。便器に流せば容易に詰まるという経験的習慣に加え、「いくら流してもいい、と言われても実際流して詰まらせたら責任を取らされる」という危機意識がその根底にあるのだ。

 頭ごなしに批判したり、面白おかしく論ったりするのではなく、どうして流さないのか、どうすれば便器に流してくれるのかを真剣に考えて対応策を練る、というのが受け入れる側が払うべき努力なのである。もちろん、訪れる側も相手の文化や習慣を十分に理解しておくことが求められるのは、言うまでもないだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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