中国メディア・生命時報は2日、「日本人は生きているうちに、『その後』の準備をする」とする記事を掲載した。記事は、まだ健康なうちに遺影を撮影し、骨壺やお墓を選び、遺品の整理をするといった「終活」が日本でブームとなっており、より多くの人に受け入れられていると紹介。「終活」について話を聞いた70歳くらいの日本人男性が「人生をより良く終え、子どもたちにも迷惑をかけない、良いやり方だと思う」と答えたことを伝えた。
そのうえで、日本問題の専門家で中国にある日本企業(中国)研究院の陳言・執行院長が、日本で「終活」がブームとなった特殊な原因について、「仏教思想の影響により、死に対する恐怖が比較的少ないこと」、「他人に迷惑をかけないという思想」、「例え『死』に関することであっても、自分のことは自分でしたいという考え方」、「メディアによる宣伝の影響」を挙げたことを紹介した。
一方で「反対意見を持つ日本の専門家も多い」として、親類や友人が死者を送りだす儀式である葬儀の伝統的な意味が、商業化された「終活」によって崩れかねないとの見方があることも伝えている。
記事はさらに、中国国内の専門家が日本の「終活」について、死や葬儀を忌む観念の強い中国で普及することは難しいとするものの、「人生の後半においてどう生きるか考える、という点では中国人も参考にする価値がある」としたことを紹介。また、「今の生活を大切にし、健康に気を付けるようになる。そして、あらかじめ死んだ時の準備をしておくことで、遺産を巡る親族どうしのトラブルを防ぐなど、気がかりなことを残さず最期を迎えられる」という意見も併せて伝えた。
「死んでしまえばあとは好きにして」、あるいは、「自分はそんなに簡単に死なない」といった考えを持つ人も少なくないだろう。しかし、残される家族のためにも自分の死後どうして欲しいかについて、あらかじめ意思表示しておくべきではないだろうか。どんな遺影や骨壺を選ぶかはともかくとして、葬儀やお墓の費用分担、そして遺産の相続といった金銭が絡む問題は、想像以上に容易く兄弟親族の関係を破壊する危険性を孕んでいるからだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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