世界で初の高速鉄道で、日本の高い技術のシンボルとして長年親しまれてきた新幹線。優れているのはハード面だけではない。
ソフト面でも高い評価を得ており、特に車内清掃員の仕事ぶりは中国でもしばしば話題となる。
 
 中国メディア・今日頭条は20日、「7分間の奇跡」と称される日本の新幹線清掃員の具体的な仕事内容について紹介する記事を掲載した。記事は「日本の新幹線の営業モデルは、他の高速鉄道にとって大いに参考になる。公共の場所の衛生を重んじる日本人は、どうやって高速鉄道における清掃サービスの質を高めているのだろうか」としたうえで、JR東日本の新幹線の清掃サービスを担っているJR東日本テクノハートTESSEIの清掃作業について紹介している。
 
 「新幹線が東京駅に停車して折り返し発車するまでの時間がわずか12分。そのうち乗客の降車に2分、乗車に3分かかるため、清掃員に与えられた時間は7分しかない」とし、7分のうち最初の1分30秒で荷物棚や座席の忘れ物をチェックするとともに座席を進行方向へと変えつつ、ゴミを掃いて連結通路に集めると紹介。さらに次の3分でブラインドをチェックすると同時に座席のテーブルを出して拭き掃除し、残りの2分ですべてのゴミを掃き取って作業を終えるとした。
 
 作業時間の合計は6分30秒だが、残りの30秒はピーク時の清掃で時間がかかることを想定したものであり、「7分」という短い時間ですら清掃員にとっては余裕を見た時間設定であることを伝えている。
 
 記事はさらに、新幹線が到着する3分前から清掃員がホームに立って出迎えの準備をし、新幹線に向かってお辞儀をするとともに降車する乗客に「お疲れ様でした」と声を掛けるとも紹介。「会社は規範的な作業のほかに、清掃員が誠心誠意を込めて乗客に奉仕する高尚な意識と良好な接客態度を養うことを特に重視しているのだ」と解説した。
 
 作業が速くても雑ではダメだし、時間をかけすぎれば発車が遅れる。「心」がこもっていなければ、その両立は難しい。
日本では「7分間の奇跡」の光景は新幹線の車内だけで見られるものではない。夏の高校野球真っ盛りの今、各地方の球場では試合ごとにグラウンド整備をする高校生たちの姿を見ることができる。中国人にとって野球は身近なスポーツではないが、トンボを持った生徒たちが無駄のない動きで素早く荒れた土を慣らす様子にも、きっと中国の人たちは新幹線の車内清掃同様、もしくはそれ以上の驚きを覚えることだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメーシ?写真提供:(C)langdu8x/123RF)



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