中国のネット上では「日本人は非常に細かいところまで気にする」という文章や記事をしばしば見かける。その捉え方は、ポジティブなものからネガティブなものまで様々だ。
中国メディア・今日頭条が16日に掲載した文章では、中国人留学生が「日本での学術研究は、記号1つさえ間違えられない」との苦悩を明かしている。

 日本にやって来て5年になるこの中国人女子留学生は、博士課程で認知言語学の研究に取り組んでいるという。しかし、彼女は「日本で学術研究を進めるのは、非常に難しいことだ」と考えている。その理由は、「日本の学者や大学教員はみんな自分の研究成果を非常に気にしており、ちょっとの失敗も許さないから」なのだとか。

 「私の指導教員は特に厳しく、典型的な日本の学者である。従来私は学術研究において内容が最も重要であり、論文は内容の質こそが第一で、残りは全て枝葉末節だと認識していた。論文の体裁は最後に整えて、参考文献も大雑把に記せばいいと考えていた。しかし、私はこの点について何度も指導教員に教育された。参考文献リストの記号はコロン、スラッシュ、ピリオドを使え、引用文献は何月何日何時何分に見たかを明記せよといったことから、図の線の太さ、角度、実線か破線かといったことまで。時折、自分は言語学ではなく数学を研究しているのかという錯覚に陥った」とこの学生は語っている。

 そして「たとえ小さなミスであっても、指導教員は学術に対するリスペクトが足りないなどと激怒した。怒られて泣いてしまった時には、君の研究は自分自身のものだけではなく、その背後に学校や教員、さらには国がついている。
研究上のミスは、所属しているチームに迷惑をかけることになるのだと叱責された」とした。

 だた、この女子留学生は指導教員の細かさに対し、最終的にポジティブな見方をする。「その時は辛い思いをした。しかしその後、普段は温和で控えめな教授たちが学会で自分の研究論点を巡って顔を真っ赤にして丁々発止の議論を繰り広げているのを見て、『日本の学者たちは学術研究を生命のなかで一番大事なものとみなしていて、そこに彼らの尊厳や誇りの全てがあるのだ』ということが少しずつ分かってきた。あの時私を然り倒した『おじさん』も、実に愛すべき人なのだと感じるようになった」と心境の変化を綴った。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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