中国の国旗は言わずと知れた五星紅旗だが、制定された1949年よりもずっと前から中国には国旗があり、しかも王朝ごとに変えられていたという。中国メディアの快資訊は5日、昔の中国の国旗が多くの国に模倣されたと主張する記事を掲載した。
なかでも、「日本の模倣は最も野心的だ」としている。

 記事は、「中国に国という概念ができたのは秦の始皇帝の時代からだが、国としての意識が高まったのは明の時代だ」と紹介。中国の最初の国旗はその明の時代にさかのぼるという。当時の国旗は五星紅旗ではなく、「黄地に赤丸という形」で、今の日本の国旗と色違いだったと記事は主張した。

 しかし、実際のところ明は国旗を定めてはおらず、民間の船が外国を真似て明国であることを示すために旗を使用したと言われており、そのデザインも明を示すために青地に赤い太陽と黄色い月のデザインだったようで、記事の主張とは異なるようだ。

 また、清の時代になると、黄色地に竜を描いた「黄竜旗(こうりょうき)」を国旗として使用するようになったが、「外交では主に赤地に黄色い日の丸の旗を使用した」と記事は主張。つまり、明王朝とは下地と日の丸の色が逆になっただけということになるが、この主張を裏付ける資料はないようだ。

 では、中国の国旗を「真似した」のはどこだろうか。記事はまず、バングラディッシュを名指しした。緑地に赤丸の国旗であるため、きっと明と清の国旗を模倣したのだろうと推測しているが、2014年に来日した大統領は、日本の国旗を模倣したという秘話を明らかにしている。

 記事はさらに、日本の「日の丸」も中国の模倣だと主張。清の時代に中国をたびたび訪れて、清の国旗を見た日本が「清王朝の真似をしたに違いない」と断定した。
そのため、親日国のパラオが水色の下地に黄色い日の丸にしたのも日本の影響だろうが、元をたどれば中国の国旗の模倣であると主張した。

 しかし、記事が主張するのとは異なり、日の丸は源平合戦のころから源氏がすでに使用しおり、清はおろか明の時代よりも前であって、記事の主張は荒唐無稽だと言わざるを得ない。中国に古くから国旗があるとしても、似たデザインの国旗をすべて「模倣された」と断言するのはいささか度が過ぎているのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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