近年、日本に旅行に来る中国人は増える一方だが、中国へ旅行に行く日本人はあまり増えていないようだ。とはいえ、悠久の歴史と広大な大自然を有する中国には多くの観光資源がある。
中国メディアの捜狐は22日、日本人に人気の観光地である上海のビルに関する記事を掲載した。完成当時は中国で最も高いビルとなった「上海環球金融中心」で、中国を代表する観光スポットの1つとなっているが、「何と日本人が設計したビルだった」と紹介している。

 このタワーは上海・浦東地区に位置しており、オフィシャルサイトによると地上101階、高さ492メートルを誇る超高層ビルである。観光名所ともなっているこのビルを設計したのは、日本企業の森ビルだ。日本では通称、上海森ビルまたは上海ヒルズとも呼ばれているが、中国では日本企業によるビルであることを知らない人も多いようだ。

 現在ではすっかり観光客に有名になったこのビルだが、完成までの道のりは順調ではなかったという。記事は、着工後に発生したリーマンショックによる経済危機のため、一旦は工事を中断した時期があったと紹介。再開する際には、さらに高い建物ができてしまったために「中国で最も高い建物を建てたい」と、設計の見直しを行ったという。

 では、このビルの何が観光客を引きつけているのだろうか。記事は、ここには「世界でも感動する展望台の1つ」があると紹介。上海環球金融中心は、上海市浦東新区の中でも、アジアの国際金融センターと目されている陸家嘴金融貿易中心区に位置しているため、ここからの景色は絶景で、夜景はもちろんのこと、昼間見る上海も非常に美しいと紹介した。

 高層ビルの建設ラッシュが続く中国では、「最も高い建物」の1位は常に入れ替わっており、今では上海環球金融中心も中国一高いビルではなくなった。
しかし展望台の人気は健在のようだ。地上474メートルの高さにある100階の「スカイウォーク」ではガラス張りの通路が設置され、空を飛ぶ鳥の目線から上海を見下ろすという、他ではできない体験をすることができる。

 日本の企業が設計したと知ると、より親近感がわいてくるものだ。このビルには、建物の揺れを軽減する制御装置や、災害に備えた対策など、日本ならではの新技術が多く導入されているという。海外で「日本人の設計した建物」を訪問するというのも良い経験と言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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