日本で開催された女子バレーボール・ワールドカップは中国が11戦全勝で優勝して幕を閉じた。そして、9月29日に行われた表彰式では、以前から中国のネット上で取り沙汰されていた「観客席ガラガラ問題」が今回も発生して「失礼だ」との声が出ている。
一方で、中国メディア・今日頭条には30日、実際の状況を考えれば観客が帰るのも仕方ないと理解を示す文章が掲載された。

 文章は、表彰式では自国選手が表彰台に立たない日本のファンたちが早々に会場を離れたことで、会場は非常に白けた空気になったと紹介。一部中国のネットユーザーから「日本は負けず嫌いだからこういうことをする」、「表彰台に上った3カ国に失礼だ」との批判が出たことを伝えた。

 そのうえで「しかし、この話題で日本のファンを批判する価値はないと思う」と指摘。日本のファンは最終戦の日本―オランダ戦を見るためにチケットを購入し、オランダに快勝したことで満足して帰ったのだとした。また、その後の表彰式には日本代表が出場しないうえ、試合が長引いた影響で表彰式の開始が午後11時近くになっていたことから、日本のファンが表彰式前に帰宅の途に就くのもやむを得ないことだとの見方を示している。

 「考えてみるといい。10時前に試合が終わり、それから表彰式が始まるまでに時間がかかる。すでに深夜で公共交通も間もなく終わってしまう。タクシーは深夜料金が加算されてさらに高額になる。しかも翌日は月曜日だ。それなのに自国の出ない表彰式を見るために残るだろうか。
仮にわが国で行われた大会で同じ状況になったら、翌日の仕事に影響を及ぼしてまで他国の勝利を祝うだろうか。そんなことはあり得ないだろう」というのが文章の主張だ。

 文章は最後に「日本のファンに過分な要求をすべきではない」としたうえで、会場に観客がいなくでも中国が世界チャンピオンになった事実は変わらず、テレビの向こうでは何億という中国のファンが選手たちに喝采を浴びせているのだと結んだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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