近年は中国車の品質が向上しつつあると言われるが、それでもドイツ車や日本車に比べると、その品質や信頼性には大きな差があると言えるだろう。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本と中国の自動車産業の「実力差」を論じる記事を掲載し、その差が生じた要因について考察した。


 記事は、日中の自動車産業の実力差はまず「自動車生産の最も基本的な工程の1つである溶接の時点から生じている」と強調。中国の自動車工場において手作業で溶接作業を行うのは主に「農民工」であり、出稼ぎ労働者である農民工が作業することで「製品の品質にばらつきが生じる」のに対し、日本では溶接を行うのは「訓練と試験を受けた人材」であると伝え、溶接の質に対する要求水準も極めて高いと指摘した。

 続けて、日中の自動車産業の実力差は「日中の経済体制の違い」によって拡大したと伝え、中国は1978年に改革開放政策に舵を切り、市場経済の導入を決めたものの、それまでは計画経済のもとで経済運営が行われていたと指摘。計画経済のもとでは「市場における競争」が存在せず、消費者のニーズを満たそうとする動機も働かなかったため、中国の自動車産業は大きく立ち遅れてしまったと指摘した。

 また、中国は自動車産業の発展に向けて、「世界の自動車メーカーとの合弁」という戦略を取り、世界のメーカーは中国国内に生産工場を建設したと紹介。中国メーカーは合弁相手の技術を消化・吸収し、自主ブランドの自動車を生産し始めたが、基幹技術はいまだに手にすることができておらず、しかも利益追及の姿勢が強すぎるため、技術開発が疎かになっていると論じた。

 記事は、中国の自動車産業が日本に追いつくためには、まず「他社を模倣する姿勢から改めなければならない」と指摘し、そのうえで研究開発に積極的に資金を投じて、技術の蓄積を継続していく必要があると主張。技術がなければオリジナルの強みを獲得することができず、強みがなければブランドも構築できないと伝え、日本に追いつくためには努力が必要であるのは間違いないと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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