近年の中国では都市化が加速していて、都市部では高層マンションが次々に建設されている。中国を訪れたことがあれば、数多くの高層マンションが林立している光景を目にしたことがあるだろう。
一方、日本を旅行で訪れた中国人たちは、日本では「戸建て住宅」が多いことに驚くという。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本は小さい島国で、人口密度も中国より高いというのに、「なぜ日本人は戸建て住宅に住むことができるのか」と問いかける記事を掲載した。

 14億人に迫るほどの人口を抱える中国だが、国土も相応に大きいため、国全体の人口密度は日本の半分以下にとどまる。都市部の人口密度は中国の方が高いケースが多いが、現在の中国の都市部で新しく建設される住宅はマンションなどの集合住宅となっている。戸建て住宅は経済発展前から存在していた古い住宅ばかりで、新築の戸建て住宅といえば富裕層のための別荘ばかりだ。

 記事は、旅行で日本を訪れたり、アニメやドラマを通じて、多くの中国人は「日本では戸建て住宅に住む人が少なくない」ことを知っていると紹介。だが、日本の人口密度は中国の2倍以上もあるにもかかわらず、「なぜ多くの人が戸建て住宅に住むことができるのか」と疑問を提起した。

 その理由として記事は、日本は地震等の自然災害が多発する国であることや、日本人はプライベートを大切にするため、高層マンションよりも戸建て住宅が好まれるのではないかと考察。さらに、建築基準法による「建築物の高さの制限」があるため、むやみに高層マンションを建設できないことも、日本では中国ほど高層マンションが存在せず、戸建て住宅が多い理由なのではないかと主張した。

 記事は触れていないが、日本で戸建て住宅が中国より多く存在するのは土地の個人所有が認められているためと言えるだろう。日本において土地は価格が下落しにくい資産として認識されている。一方、中国では土地の個人所有が認められておらず、戸建て住宅に住みたいと思っても住めないという事情もある。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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