中国メディア・中国新聞網は25日、市長が「寄付したマスクの残りがあれば返してほしい」と発言した愛知県豊川市に対し、江蘇省無錫市ハイテク産業開発区(新呉区)が大きな「恩返し」をしたことを報じた。

 記事は、無錫市ハイテク産業開発区管理委員会ビル前で25日午後、物流会社の作業員が豊川市に向けて送るマスクの入った段ボール箱を自動車に運ぶ様子が見られ、各箱には「一衣帯水、源遠流長」、「隔海相望、桜花満開」、「衆志成城、戦疫必勝」など友好的なメッセージが印刷された紙が貼り付けられていたと伝えた。


 そのうえで、中国で新型コロナウイルス肺炎の感染が拡大し始めた2月上旬に同開発区に対してマスク4500枚を寄付した豊川市が現在、日本での感染者が増え続けていることでマスクの在庫が不足する事態に陥っており、今月23日に竹本幸夫市長が「依然に送った4500枚のマスクについて、まだ残っているのであれば返してくれないかと無錫市側に連絡している」と明かしたことを紹介した。

 そして、この件が日中両国のネット上で大きな議論となり同開発区による「お返し」を望む声が高まる中、同開発区ではすでに前もって豊川市にマスクを寄贈する準備を進めており、24日には5万枚のマスクを送る手はずをすでに整えたとしている。

 記事は、同開発区の渉外担当者が「今後も必要があれば、引き続き物資の支援を行っていく」と語り、同開発区の商務局の幹部も「滴水の恩は、泉によって報いる。かつてわれわれが国外に支援を求めた際に、豊川市は迅速に対応してくれた。今は豊川市が困難に直面しており、恩に報いることができればと思う」と述べたことを伝えた。

 同開発区は現在400社あまりの日本企業が拠点を構えており、中国の中でも日本企業による投資が集中している開発区の1つとして知られている。

 「寄付したものが残っていれば返してほしい」と相手に申し出るのというのは恥ずかしさもあったと推察されるが、それほど豊川市ではマスク不足が深刻になっているということだろう。相手が困っているときに支援の手を差し伸べ、やがて自らが窮地に立たされた時に大きな「恩返し」を受ける。まさに「情けは人の為ならず」だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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