記事は、自動車産業において「後発組」である中国メーカーは独自の技術を持っておらず、それゆえ最初は「重要パーツは外部から調達する」という方法で自動車の生産を開始したと紹介。その後、年月を重ねるうちに長城汽車や吉利汽車など、独自の技術を持つ中国メーカーも登場するようになったと説明する一方で、現在の中国自動車市場には中国人が「首をかしげる」状況があると主張し、日本の自動車メーカーは中国企業と合弁企業を設立し、一緒に事業を行うことで「中国企業が技術を把握できたはずなのに、現在も中国車が日系車にかなわない」という状況であると強調した。
この状況が存在するのは、中国の専門家に言わせれば日本メーカーが「ずるい」からだと主張。日本メーカーは中国メーカーには最新の技術を見せず、技術を売るにしても淘汰された技術ばかりを中国企業に売りつけたと主張、莫大な利益をもたらす重要な基幹技術については「合弁会社を設立しても、1つも中国企業に与えなかった」と主張し、こうした態度は「ずるい」と論じた。
記事の主張は、中国人らしい考え方が如実に反映されており、多くの中国人は知的財産権に対する認識が極めて乏しいことを示していると言えるだろう。中国国内の報道やネット上の書き込みを見ていると「中国の製造業が高い付加価値の製品を作れないのは、日米の企業が技術を提供しないからだ」として、まるで「日米のせい」だと主張する内容のものを目にすることが多い。
技術は企業や国にとって競争力の源泉となるものであり、合弁企業を一緒に設立したところで、重要な基幹技術の全てを相手に渡すことなど普通に考えればありえないことであり、それを「ずるい」と批判するのは的外れだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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