長らく世界の工場と言われてきた中国だが、日本は生産拠点を中国から東南アジアに移転するようになってきた。新型コロナウイルスの感染拡大で製造業のサプライチェーンが分断されたことを受け、日本政府も生産拠点の国内回帰や多元化を奨励しているが、中国メディアの今日頭条はこのほど、「東南アジアの労働力がいつまでも安いわけではない」と題し、日本企業が東南アジアに生産拠点を移せば問題が生じると警告する記事を掲載した。


 日本企業が生産拠点を中国から東南アジアに移すようになったのは、確かに人件費の要素が大きい。しかし記事は、ベトナムを例にとり「東南アジアの安価な労働力はいつまでも続くわけではない」と主張。ベトナムは「驚くほどのスピード」で人件費が高くなっていると指摘している。経済発展に伴い人件費が高くなるのは必然のことであり、「7年後には人件費が中国に追いつく」と予想している。

 そのうえ、東南アジアに工場を移転するのは別のリスクもあるという。それは、「国民の教育レベルが低く勤勉さに欠けるため仕事の効率も悪いこと」、そして「インフラが整備されていない」ため、輸送にコストがかかること、さらには「市場が小さい」ので、製品を現地で販売しきれない問題があるとしている。そのため、今になって「教育水準が高く、インフラ整備も整った中国は海外企業にとって良い生産拠点だった」ことが証明されていると主張している。

 記事は、日本などの企業が生産工場を中国から撤退させていることに焦りを感じているのかもしれないが、「中国の方が良かったと証明」されているなら、これほど多くの企業が次々と撤退していくこともないはずだ。記事に対して、工場を移転させるにはそれなりの理由があるはずだとの指摘が多く見られた。中国は「税金が高い」、「貸工場も高い」、「輸送費も上がる」、今の中国人は「工場で働きたがらない」など多くの理由が列挙され、やむを得ず出ていくのだというコメントが多く見られた。

 実際のところ、中国に依存した生産体制はいわゆる「チャイナリスク」がつきものであり、今回の新型コロナウイルスの問題でもそれが顕在化したと言えるだろう。日本企業にとって、中国は生産拠点としてのメリットよりもデメリットの方が大きくなっているといえ、中国撤退の流れは今後も続きそうだ。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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