日本と中国とでは、違った旅の楽しみかたがあると言えるだろう。多くの世界遺産を有する中国には、有名な旅行先がいくらでもあるが、日本には満足度の高い心地よいサービスという強みがある。
中国メディアの今日頭条は21日、日本の夜行列車を「移動する別荘」として紹介する記事を掲載した。

 中国ではすでに高速鉄道網が全国に張り巡らされたが、それでも格安の運賃のためか鈍行列車の需要は根強い。遠距離の移動には寝台列車が利用されるが、日本の寝台列車とはどんな違いがあるのだろうか。

 記事は、中国の寝台列車について一般的なものは3段ベッドだと紹介。そのためどうしても狭さが気になり、真ん中の人は「目的地に到着するまで縮こまっていないといけない」つらさがあると伝えている。一番下の人は、昼間はベッドを椅子代わりに座ることができるので比較的居心地が良いと言えるだろう。また、近くに「足のくさい人がいるかどうかは運頼み」という辛さもあるとしている。

 では、日本の寝台列車はどうだろうか。記事は、日本では一昔前に寝台列車が最盛期だったころと現在では「寝台列車の立ち位置」が全く違っていると紹介。高度経済成長期の日本は、田舎から東京などの都会に働きに出てくる人が多かったので需要がうなぎ上りになったのだろう。当時の利用客は、安く長距離移動できるだけで満足だったが、それでも今の中国の寝台列車よりも広くて快適だったと記事は比較している。

 しかし現在では、日本の寝台列車は乗客の需要に合わせて全く新しい姿に生まれ変わっている。
時間もお金もある人を対象に、「ぜいたくな旅行」を提供しており、記事はまるで「走る別荘」のようだと称賛している。例えば、ある列車の車内を紹介しているが、広い個室に洗面台と椅子、机が並び「ホテルの一室」のようで、ベッドわきの大きな窓から夜には星空が見えてロマンチックな体験をすることができる。内装も高級感があり美しく「芸術的」で、食堂車では有名コックが乗客それぞれの好みや年齢に合わせて食事を提供してくれ、ピアノの生演奏のある寝台列車もあると紹介している。

 日本では利用者の需要に合わせて寝台列車も形を変えてきたが、中国では何十年も大きな変化は見られない。日本のように乗客の需要に敏感になれば、中国の寝台列車にも可能性が広がるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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