映画や少女漫画の中で使われるような「クサいセリフ」。ロマンチックな言動は恋愛を盛り上げるスパイスになりますが、度を越すと、言われた方はどうリアクションを返せばいいのか困ってしまいます。
この記事では、そんな歯の浮くような「クサいセリフ」をピックアップ!恋愛相手に言われたことがあるなど、「クサいセリフ」で思い浮かぶ言葉をアンケートで聞きました。また、婚活スタイリストの山本のぞみさん監修の下、実際にクサいセリフを言う人の心理や言われたときの「対処法」についてもまとめました。
クサいセリフとは?言葉の意味や由来
「クサいセリフ」とは、聞いた人が思わず恥ずかしくなってしまうような、大げさな言葉のことを指します。映画やドラマなどに出てくるような非日常的な言動を現実に見聞きすると、わざとらしさを感じることがあるでしょう。
「クサいセリフ」の“くさい”は、「言動が我慢ならない」ことを意味する“鼻持ちならない”という言葉がよりストレートな表現に変わっていったものなのではないかという説もあるようです。
「クサいセリフ」で思い浮かべるセリフ15選
「クサいセリフ」といえば、具体的にどんな言葉をイメージするでしょうか。「クサいセリフ」と聞いて思い浮かぶ言葉や、実際に言われて印象に残ったフレーズを20~30代の男女に聞いてみました。
「君の瞳に乾杯」
アンケートで最も回答が多かったのが、不朽の名作のアメリカ映画『カサブランカ』で登場するセリフ。実際、映画の中では「Here’s looking at you, kid.」と言っていて、直訳すると「君を見つめて、乾杯」といったニュアンスになります。日本で字幕を付ける際に「君の瞳に乾杯」と翻訳されましたが、とても素敵な表現だったため、世代を超えて多くの人の印象に残っているのでしょう。
ただ、あまりに有名なセリフだけに、実際の恋愛シーンで使う機会はなさそうです。誰かに言われてもジョークだと受け流してしまいそうですね!
「月がきれいですね」
明治から大正にかけて活躍した文豪、夏目漱石が「I love you」を「月がきれいですね」と訳したというエピソードは有名です。
つまりこの言葉は『愛の告白』を暗に意味しています。
しかし、通常の会話でも「月がきれい」と話すことはあるでしょう。2人で夜道を歩いている際、突然「月がきれいだね」と話し掛けられたら、ただの雑談なのか、愛の告白と捉えていいのか、迷いそうです。もし真面目な告白だったとしても、現代の感覚からすると「ちょっと遠回しすぎる!」と感じてしまうかもしれませんね。
「あなたより美しい人を見たことがない」
「美しい」という言葉を人に使うとき、外見の姿だけでなく、声や所作、内面などのことを表現する場合があります。会話の中で相手を「きれい」「かわいい」と褒めることはあっても、「美しい」という言葉を使うことは多くないでしょう。
面と向かって「あなたより美しい人はいない」と言われたら、よほど自分に自信がない限り、「いや、世の中にはきれいな人いっぱいいるし……」と素直に喜んでいいのか戸惑ってしまいそうです。
「○○より、君の方がきれいだよ」
昔のトレンディードラマに出てきそうなセリフですね。デートで花火や夜景、星空などを見に行って、「わ~きれい!」と言った際に、こんなセリフを返されたら、ロマンチックな気分が盛り上がるかもしれません。しかし、人によっては恥ずかしすぎると感じてしまうかも!
「君がナンバーワン」
「あなたを何よりも優先する」「数ある恋愛相手の中から、あなたを選んだ」といった意味合いがあるセリフ。「やった!私が一番」と喜ぶ人もいるかもしれません。しかし、「なんか上から目線だな」「勝手に他と比べられた」とマイナスに捉えられる可能性もありそうです。
「運命の人だと思った」
恋愛ソングの歌詞に出てきそうな、セリフですね。他にもアンケートでは、「前世からの運命で結ばれている」など少女漫画のストーリーにありそうなセリフなども複数挙がっていました。
スピリチュアルな思想が好きな人であれば、「運命」というワードにときめいたとしても、現実的な考え方をするタイプの人には、ピンとこないかもしれません。
「僕のお姫様」
恋愛相手が外国人であれば「ダーリン」「ベイビー」など甘い響きの愛称で呼ばれることもありますが、そのような文化のない日本では、ちょっと甘すぎて違和感を持ってしまうセリフかも……。2人きりの時ならまだしも、外で人に聞かれたら、恥ずかしくなってしまう人もいるでしょう。相手が呼ばれて嬉しくなるような、愛称ならいいですね。
「愛してる」
「愛してる」は一見するとシンプルなセリフですが、「好き」よりもさらに深い愛情を表現しているフレーズでもあります。雰囲気や人によっては「大げさ!」と受け取られる場合もあります。「好き」と「愛している」は、人によって受け取め方に差がある言葉かもしれません。言うときは相手を見て慎重に使った方がいいでしょう。
「何があっても、君だけは守る」
素敵な言葉ですが、特段何もないときに言われると「なぜ?」と思ってしまうのかもしれないですね。逆に何か問題が起きて落ち込んだときに、好きな人にこのセリフを言われたら、思わずキュンとしてしまうかも!
「君がいなくては、生きていけない」
恋愛相手に頼られることが好きな人であれば、嬉しいセリフなのかもしれませんね。
しかし、自分が相手に甘えたいタイプの場合、弱い一面が垣間見えた気がして、がっかりしてしまうこともありそうです。また、付き合って間もない時期に言われたら、「重い」と感じるかもしれません。
「俺だけを見ていろ」
少女漫画で、恋愛相手をリードする強引な男性キャラクターが、壁ドンしながら言いそうな「クサいセリフ」ですね。実際の恋愛のシーンで言われることは少なそうです。
「君を食べちゃいたい」
付き合いたてのカップルが、冗談交じりで言うのであれば、かわいらしく聞こえるのかもしれません。しかし、真面目な雰囲気で言われたら、一瞬、ホラーな展開を想像してしまうかも!?
またセクシュアルなニュアンスもあるセリフなので、相手によっては苦手意識を持ってしまう可能性があります。
「人生をかけて僕は君に恋します」
プロポーズの言葉であれば、素敵なセリフだと思う人もいるでしょう。しかし、知り合って間もない相手から言われたら、「人生をかけられるのは、重い……」と感じてしまいそうです。
「君が泣くと悲しくなるから、太陽のようにずっと笑っていて」
落ち込む相手をなぐさめる際に使われそうなセリフですが、「つらいのに、どれだけ明るく笑わなきゃいけないんだ」と思って余計に気が立ってしまうかもしれません。
励ましのつもりで言ったセリフでも、相手が今どんな気持ちかを考えて言葉を選ばないと、真意が伝わらないことがありそうですね。
「星の数ほどいる人の中で君を見つけた」
こちらも恋愛ソングの歌詞に出てきそうな、セリフですね。歌で聞くとロマンチックな気分に浸れても、実際に言われると「ずいぶんスケールが大きいな」と妙に冷静になってしまう人もいるのではないでしょうか。
クサいセリフを言う人の心理
映画や少女漫画で出てくるような甘い言葉を、現実の恋愛で言われたら、ちょっとびっくりしてしまいますよね。しかし、そんな「クサいセリフ」を照れもせず言える人というのは、少なからず存在します。ここでは、「クサいセリフ」をいう人の心理について、解説しました!
物語の影響を受けやすいタイプ
アニメや漫画、ドラマなどを見るのが大好きで、一度ハマるとその世界観にのめり込みやすい人がいます。そういうタイプは、主人公やその役に憧れて、ついポロッと「クサいセリフ」が出てきてしまいがち。
相手も同じ作品にハマっていたり、影響を受けやすいタイプであれば、ちょっと大げさな表現でも嬉しく感じるかもしれませんね!
ナルシストなタイプ
自己愛の強いナルシストタイプの人は、恋愛モードの自分に酔っているため、「クサいセリフ」でも恥ずかしげもなくさらっと言えてしまいます。
自分のことが大好きなので、どんなキザな言葉も自分に似合っていると思っている可能性があります。
冗談好きなタイプ
「相手を笑わせたい」といったお笑いの精神から、わざと「クサいセリフ」をいう場合があります。照れ隠しや、プロポーズなど真剣なシーンで緊張しすぎないように、あえてギャグとして使って場を和ませようとすることもあるでしょう。
「クサいセリフ」で笑いを取った成功体験があると、何度も使ってくる可能性があります。
モテたい気持ちが強いタイプ
「モテたい」という気持ちが強すぎる人は、目の前にいる恋愛相手が喜ぶことは何か、見失いがちです。その場合、ドラマや漫画などで出てくる「モテる主人公」が言いそうなセリフであれば、相手が喜ぶと思い、軽く使ってしまうことがあります。
また「前の恋人のときは喜ばれたから」といった理由で、別の相手にも「クサいセリフ」を使い回しているケースもありそうです。
クサいセリフを言う相手への対応方法
恋愛の相手から「クサいセリフ」を言われたら、いくら好きな相手でも反応に困ってしまうことも。ここでは、「クサいセリフ」を言われたときの対応方法について、紹介します!
あえていじって反応する
「クサいセリフ」を言った側が、ウケを狙っている場合は、スルーするとしらけた空気になってしまいます。そんなときは、「えー!懐かしい!」「○○のセリフじゃん!」など、しっかりリアクションを取ってあげると相手も喜ぶでしょう。
素直に喜ぶ
「クサいセリフ」だったとしても、相手はあなたに愛情を伝えるために、一生懸命考えた言葉かもしれません。相手の愛情や思いを感じる場合は、素直に喜び「ありがとう」と感謝を伝えることも大切です。
また、ちょっと勇気がいりますが、同じノリで「クサい言葉」を返してもいいかもしれません。例えば「世界中の誰よりも君を愛してる」と言われたら、「私はこの宇宙に存在する生命体の何よりもあなたを愛してる」とより大げさな表現で返してみるのもアリ。相手との距離もぐっと縮まりそうです。
正直に「困っている」と伝える
相手が、喜ばせたいあまりにクサいセリフを連発してくる場合、「反応に困っている」と正直に伝えることも大事。その場合、相手には「そういう言葉は、たまに言われる方が良い」「シンプルに好きって言ってくれる方が嬉しいな」など、柔らかい雰囲気の中で伝えてみてください。
「クサいセリフを減らしてほしい」「言葉を変えてほしい」といった具体的な要望を話した方が、相手にとっても分かりやすいでしょう。
恥ずかしい「クサいセリフ」もうまく受け止めて
恋愛のシチュエーションで「クサいセリフ」を言われると、つい恥ずかしくなって、どう受け止めていいか反応に悩みがち。
中にはそれが原因でロマンチックな気分が逆に冷めてしまうことがあるかもしれません。
しかし、覚えていてほしいのは、相手は決してあなたを困らせようと思ってその言葉を言ったのではないということ。「クサいセリフ」だったとしても、そこには「あなたに喜んでほしい」「溢れる愛情を伝えたい」といった願いが込められているのです。自分を肯定してくれる相手の気持ちを否定せず、明るく前向きに受け止めることも大切ですね!
取材・文/おかゆ
【監修】
山本のぞみさん
メンタルトレーナー、婚活スタイリスト。自身の恋愛依存や離婚経験をもとに、アラサー女性を専門とした婚活コンサルタントとして2019年より活動開始。婚活で悩む男女数百人の悩みを聞くうち、全ての悩みの根源はメンタルにあると気づいたことから、2022年よりメンタル専門のサポーターとしても活躍中。自己肯定感を上げながら、理想のパートナーに愛される女性を増やす取組みを行っている。
ブログ:https://ameblo.jp/nomalo-n/
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【データ出典】
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2022/9/20~2022/9/22
有効回答数:778人※387人(男性)、391人(女性)
(インターネットによる20~30代男性・女性へのアンケート調査 調査機関:マクロミル)
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