11月の満月は「ビーバームーン」。2025年の11月は、1年のうち月が大きく見えるという“スーパームーン”と重なるとの予想も!この記事では、名前の由来、観測のポイントのほか、「ビーバームーン」が持つといわれている意味合いを紹介します。
ビーバームーンとは?名前の由来

ビーバームーンとは、11月に見える満月の愛称です。
もともとは、北アメリカの先住民の間で使われていた言葉が広がったもので、学術的な天文学用語ではありません。ビーバームーン(Beaver Moon)の「ビーバー」とは、北アメリカやヨーロッパに生息する動物のビーバーを指しています。なぜ、11月の満月に動物の名前が付いているのでしょうか。
それは、アメリカの農事暦(The Farmer's Almanac)に関係があるといわれています。ネイティブアメリカンと呼ばれるアメリカ先住民たちは、自然の移り変わりを把握するために月ごとの満月に名前を付けていました。
名前の由来は2つあるといわれています。一つは、本格的な冬の寒さに備え、ネイティブアメリカンの風習でビーバーの毛皮の狩りが行われるシーズンであることから。もう一つは、「森の建築家」とも呼ばれるビーバーが、子育てのために巣をつくる時季だからという理由があるようです。
また、英語圏での11月の満月の愛称は他にも、その本格的な寒さから、「凍てつく月」を意味するフリージングムーン(Freezing Moon)、日本の和風月名(わふうげつめい)の霜月(しもつき)と同じく、霜が降りる季節であることから、「フロストムーン」(Frost Moon)という呼び名があります。
2025年ビーバームーンはいつ見られる?

2025年11月の満月(ビーバームーン)は、11月5日(水)22:19ごろに満月を迎えます(※1)。日がだんだん短くなってくる季節なので、夕暮れの低い空に丸い月がぽっかり浮かび上がってくるのが見えるでしょう。
2025年11月の満月は、月の楕円(だえん)軌道が地球に接近するために、「スーパームーン」が起こると予想されています。地球から見て月の形が大きく見える現象「スーパームーン」であるために、いつもより大きなお月さまが見られそうです。
また、2025年の11月2日(日)は、南東の空で土星と月が接近。明るい月の近くには、光輝く土星を見ることができます。この日は、旧暦8月15日の十五夜の後に続く、旧暦9月13日の十三夜(じゅうさんや)にも重なっています。日本では昔から、十三夜は十五夜に次いで美しい月とされ、お月見の習慣を大事にしてきました。
空気が澄んで、夜空がきれいに見える秋。さまざまな現象が絡まる11月の満月付近の夜に、ぜひ天体観測を楽しんでみてくださいね。
(※1)国立天文台ホームページ「令和7年(2025年)暦要項」より引用
ビーバームーンが持つ意味合い

占い師の紅たきさんによると、11月の満月であるビーバームーンは「冬支度、備え・計画の月」という意味を持ち、「堅実さを持ちたい」との願い事や、ずっと温めてきた計画を実行するのによいタイミングなのだそう。
このタイミングに「やってみたい」と思っていることがないか、棚卸をしてみるのも良いかもしれませんね。
ビーバームーン以外にも!月ごとの満月の名前

アメリカの農事暦では、ビーバームーンだけでなく1月から12月まで毎月の満月に、その時季の自然現象や季節行事にちなんだ名前が付けられています。下記に12カ月の各月の名前を紹介します。
1月 ウルフムーン
オオカミが空腹で遠吠えする時季
→1月の満月「ウルフムーン」とは?2026年の観測時期
2月 スノームーン
雪が多く降る時季
→2月の満月「スノームーン」とは?2026年の観測時期
3月 ワームムーン
土の中からミミズが出始める春の兆し
→3月の満月「ワームムーン」とは?2026年の観測時期
4月 ピンクムーン
ピンク色のフロックスの花が咲く頃
→4月の満月「ピンクムーン」とは?2026年の観測時期
5月 フラワームーン
花が満開になる季節
→5月の満月「フラワームーン」とは?2026年の観測時期
6月 ストロベリームーン
いちごの収穫時期
→6月の満月「ストロベリームーン」とは?2025年の観測時期
7月 バックムーン
鹿の角が生え変わる時季
→7月の満月「バックムーン」とは。願い事が叶う?観測時期は?
8月 スタージョンムーン
チョウザメが捕れる季節
→8月の満月「スタージョンムーン」とは?2025年の観測時期
9月 ハーベストムーン
収穫の時季
→9月の満月「ハーベストムーン」とは?2025年の観測時期
10月 ハンターズムーン
狩猟に適した時季
→10月の満月「ハンターズムーン」とは?2025年の観測時期
11月 ビーバームーン
ビーバーが冬の巣作りを始める頃
→11月の満月「ビーバームーン」とは?2025年の観測時期
12月 コールドムーン
冬の寒さが増す季節
→12月の満月「コールドムーン」とは?2025年の観測時期
アメリカの先住民の文化は、自然との深い結び付きがありました。彼らの生活の基盤となる農耕や狩猟は、月の満ち欠けや四季のリズムに大きく左右されていたのでしょう。
季節の移り変わりは、現代に生きる私たちにも、変わらず生活に彩りを添えてくれます。
冬が始まる季節のビーバームーンを見上げてみて

冬支度や備え・計画を象徴する満月であるというビーバームーン。澄んだ空気の中できれいな満月を見ているだけで気持ちが凛と引き締まるような思いになれるでしょう。冷え込む季節なので、満月を見に外に出る時は、厚手の上着を忘れずに羽織っていってくださいね。
取材・文/みつり
【監修】
紅たきさん
占い師。コラムニスト。西洋占星術、人相、タロットなどの占いの知識をベースに、多くのサイトで占いコラムを執筆中。また、心理テストも手がけ、マルチに活躍している。主な著書に、サイコロジー診断ラボのメンバーとして携わった『危ない心理テスト』(河出書房新社)がある。
オフィシャルサイト:https://kurenai-taki.info/
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