『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』は...の画像はこちら >>

2002年の誕生からはや13年、癒し系キャラクターとして人気のお茶犬(おちゃけん)のペットロボットが8年ぶりに復活登場した。株式会社シャイン(東京都台東区)による『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』(希望小売価格 税抜2,980円・2015年3月14日発売/アルカリ単三電池2本駆動※別売)である。

そしてそこには本格派ロボットとは違うおもちゃとしての魅力があふれていたのである。

犬とお茶の合体というシュールさは、かつてよりもゆるキャラ全盛の今の時代にこそマッチしているのではないか。耳がお茶っ葉で出来ているということと、ひたすら情けない表情という以外は標準的な犬のキャラデザイン。ただそれも生誕13年となると何か特別なものを感じてしまう。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

かつての登場時はセガトイズと芸能事務所のホリプロが共同開発し、ホリプロ所属タレント共にシーンに登場したお茶犬。しょっぱなから「お茶犬のうた」(歌・みずたにあきこ)とのメディアミックスで世に出たコンセプチュアルなキャラクターである。そもそもは10代~20代女子をターゲットに開発されたものだったので、当時ファンだった人々も20代~30代になっているから、この『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』も単純に子供向けと考えるのは早計だろう。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

その後もスピンアウト商品としてお茶猫が誕生したり、伊藤園「お~いお茶」でのキャラクター展開など、何気に息の長い存在となっている。CS放送「キッズステーション」でのアニメ化を覚えている人も多いのではないか。

そうした背景から、この『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はまさに、親子向けの商品ではないかと感じた。懐かしさを感じる親、背景など知らずに純粋におもちゃとして楽しむ子ども、そんな構図が見えてくる。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

さてコミュニケーショントイという呼称になっているが、実際は限りなくおもちゃに近いシンプルなペットロボット。

とは言えかつての高度なエレクトロニクスを搭載したソニーのAIBO(1999~2005年)のようなAI的なものではなく、100%のおもちゃテイストの商品だ。

お茶犬は全部で7匹存在するが、今回商品化となったのは緑茶をモチーフとした緑色のリョクとハーブティーをモチーフとしたピンク色の鮮やかなハナの2匹。

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けっこうがっちり目に梱包されたパッケージから取り出してみると出てきたのはツルツルのプラスティック感にあふれたボディ。それなりの重さがあり、可動部は耳のみ。何とも潔い作り。

駆動は単三電池2本(別売)を腹部にネジ止めされたケースの中に収めることで実現。ドライバーが必要なので事前に用意しておくべき。

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さてこのお茶犬を叩き起こすには、鼻の部分を押せばいい。とはいえ軽くタッチしただけでは起きないので、頭を掴んで鼻を1秒以上の長押し。すると「ふあー」というあくびとともに起動して「あん・あん」と耳を前後に振りながら起きだす。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

全ては耳。耳を振り上げる、耳を振る、耳をついて身を起こす、逆に耳をついてお尻をあげるというのが基本動作。

まあ、何とシンプルな…。その動きを発動させるのは頭を撫でたり、ポンと叩いたり、鼻のボタンをマウスのクリックのようにシングル及びダブルクリック感覚で押して動かす。その組み合わせで表現できる動きは何と24種類。耳だけで……すごい。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

ちなみに耳をついてお尻を持ち上げて逆立ち状態などの技も含めているので、確かにこれだけでもけっこう楽しい。表情は固定なのだが、いろいろな動きと鳴き声で感情を表しているように見えてしまうから不思議。さすが能面に表情を感じてしまう古来からの日本人の血なのだろうか、踊りだしたお茶犬の表情は明るく輝いているように見えてしまう。

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お茶犬遊びのクライマックスはやはり頭を撫でたり鼻を突いたりしているうちにかまって貰っているうれしさのあまり、お茶犬がダンスを始めること。それもタンゴのビートで。これがけっこう楽しい。思わず微笑んでしまう。

複雑が動きができない分、かえって健気ささえ感じてしまうのだから人間の感情というのは不思議だ。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

そしてしばらく(30秒間)遊ばないで放っておくと、しゃっくりしたりいびきを掻いたりして飼い主の注意をひこうとするところもまた健気。それでも何もしてもらえないと「あん」と一声鳴いて寝てしまうというのもむやみにバッテリーを消費しないための心配り(スリープモード)なのだが、切なさを感じてしまった。

ちなみに2匹まとめて入手すると、何となく擬似的にだがお互いがコミュニケーションをとっているようにも見えるのでまた楽しい。

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注意点としてはテーブルの上で遊ばないこと。床の上なら多少の衝撃も平気なのだが、テーブルの端で突然動き出して落下すると、唯一の可動部である耳が取れそうになってしまうのだ。取れないにしても微妙な傾きが出来てしまってうまく動かなくなってしまうので落下には気をつけたい。

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ただそれはメーカーも予想済みのようで、説明書に「耳が外れた際」の対処方法が載っているのがさすが。ちなみに一応ロボット犬だなあと思うのは、動作が不安定な時に押すリセットスイッチが裏面おしり部にあるところ。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

全体として感じたのはやはりロボットというより電池駆動の純粋なおもちゃとしての魅力。24種の動作バリエーションは幼い子どもならもう充分満足できるレベル。大きなお友達に関しても、この懐かしさあふれるお茶犬が立体化されているだけで胸が熱いし、鳴いたり踊ったりしているだけでうれしくなってしまうものに違いない。郷愁を感じるなら子どものみならず大人も買いだ。

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬
気持ちいっぱい お茶犬ノリノリ リョク
『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬
気持ちいっぱい お茶犬ノリノリ ハナ

『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬

©お茶室

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