2017年の春先から各メディアで“流行中”といわれている『ハンドスピナー』をご存知だろうか。安いものなら300円から、せいぜい3,000円程度で購入可能。
■『ハンドスピナー』には有名メーカーが存在しない
このブームは1年持たないと思っています(笑)

そう語る山本氏は、ほかならぬ自身がハンドスピナーの大ファンだという。そもそもハンドスピナーはブームの発生が特殊で、商標や特許を保有するオリジナルなメーカーがいない。流通しているハンドスピナーはほぼ100%が中国の無名メーカー製。中国工場と取引して輸入販売の仕事をやったことがある人ならば、だれでもハンドスピナーを仕入れることができるのでは、と山本氏は語る。無秩序な状態だから「共有地の悲劇」が起きることを懸念している。

私自身、輸入ビジネスを本業にしています。商談中に中国人の方がクルクル回していて、それ何ですか? というのがハンドスピナーとの出会い。そこから、一気にハマりました(笑)。ハンドスピナー専門のネットショップを立ち上げて、これまで150種類以上のハンドスピナーを手に取って回しています。自分のショップの利益を守りたいのはもちろんですが、この魅力的なアイテムが一過性のブームで終わってしまうのが惜しくて、クラブを立ち上げました。

次は、実際に購入する際の選び方についてお伝えしよう。
■『ハンドスピナー』の選び方
基本的には見た目のデザインで選んで頂いてOKです。材質はプラスチック製と金属製があり、それもお好みで。

なるほど、実際に手に取ってみると、なんとなく好みがわかれるものだ。

サイズが大きいと回しづらく、女性向けではない。

金属製は重厚感があるが、ポケットに入れて気軽に持ち歩くのには向かない。

“シャー”という回転音が大きいモデルと、ほぼ無音のモデルが存在した。

記者は、金属製の方がよく回るような先入観があったが、必ずしもそうでないこともわかった。

滑らかに、長時間回り続けるのが良いハンドスピナーの条件ですが、個体差が大きいのです。同じ製品であっても一つひとつ違います。大手メーカー品と違って品質チェックが甘いので、致し方ないところです。
気を付けたいのは、水に濡らさないこと。滑らかな回転を支えるパーツ「ベアリング」がすぐに錆びてしまう。
ベアリングは普通に使用しているだけでもいずれ劣化するので、回らなくなってきたら寿命です。ベアリング交換できるモデルも一部存在しますが、基本的には本体ごと買い替えです。オモチャですからね(笑)
■日本ハンドスピナークラブ代表・山本智也氏のおすすめモデル
以上の話を踏まえて、山本氏におすすめのハンドスピナーを聞いた。

1位は、当店で「アルミット」という商品名を付けているものです。

アルミ製で軽く、iPhoneのようなオシャレな色合い。片手でも回せるサイズ感で、女性にもおすすめです。

2位は、もっともスタンダードな「トリプルスピナー」。

一般的に「ハンドスピナー(Hand Spinner)」「フィジェットスピナー(Fidget Spinner)」といえばこの形、というモデル。

3位は「プライズ」。高級志向の削り出しモデルです。銅製で、かなりの重量感があります。回転の持続時間が非常に長く、8分以上回る個体もあります。価格は12,800円で、人と違ったものを求める方は、ぜひどうぞ(笑)
日本ハンドスピナークラブの公式ホームページには、ほかにも様々なハンドスピナーのレビューを載せていますので、ご興味があればぜひご覧ください。
■日本で『ハンドスピナー』がブームに至るまでの歴史
ハンドスピナーのブームについて時系列で語っていただいた。
ネットに出回っている情報を見ると一部誤りもあるようですが、おそらくこれが一番正しいと思います。ショップの“中の人”として、ブームを肌身で感じていますので(笑)
1993年筋無力症という難病にかかった米キャサリン・ヘディンガーさんが、筋力がなくても娘と遊べるおもちゃとして「フィジェットスピナー」の原型を発明。1997年キャサリンさんが「フィジェットスピナー」の特許を取得。しかしビジネスとしては成功せず。
現在に至る。
■まとめ:クセになるのも理解できる『ハンドスピナー』
日本での流行当初はユーザーの9割程度が男性で、30~50代ぐらいのサラリーマンが多かった印象です。
と山本氏。
取材が終わる頃には、おためし新商品ナビのスタッフもそれぞれ自分好みのスピナーが分かれていた。購入を考えている方は、可能であれば店頭でいくつか回し比べてみてほしい。ただ回すだけのオモチャでありながら、一つひとつに個性がある。自分の感性に合うものが見つかると、手放せなくなってしまうのは理解できる。

『ハンドスピナー』の購入は量販店もしくはネット通販で。