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「『正常位ベロチュー』をもっと広めていこう!」と語るラランド・ニシダさん

小説家としても活躍しているお笑い芸人・ニシダ(ラランド)が、ファンの方々とただただセックスの話をしていくシリーズ連載「ラランド・ニシダと『みんなのセックス大全!』」。

特にお悩みには答えないし、何かしらの答えも出さないし、ジャッジもしません。

ただただ、セックスの、話を、していきます。

* * *

【No.07】

――前回前々回、前々々回に引き続き30代男性のJさん。「誰に教わったわけでもないけど相手の反応がいい秘伝のテクニック」みたいなものはありますか?

ニシダ 聞きたい。

Jさん これ、みなさんやっていると思うんですけど、「正常位で挿れながらベロチューする」っていう......。

ニシダ ほう。

Jさん これ、やったときにすごいホメられたんですよ、とある人妻に。

ニシダ エロい知り合いが多いな、マジで。

Jさん その人にすごいホメられて。下が入っているときに、上でもつながるのがすっごい気持ちいいって。

ホメられたときに「皆やってるんじゃないのかな?」って思ったんですけど、どうなんでしょう。

ニシダ どうなんだろう。王道といえば王道な気がするけど、そもそも俺らってセックスの正規ルートも知らないんだよな。

Jさん 性器だけに。

ニシダ やかましいって。でも、正常位でベロチューは皆にやっててほしいなと思う。

やってると思うけど、やってない人もいそうだし、いっそ広めたほうがいいのかな、「正常位ベロチューすべきだよな」って。

Jさん でも「正常位ベロチュー」ってあんまり聞いたことがないから、どのくらい当たり前なのかわからないですね。シックスナインとかよりももっと一般的なはずなのに。

ニシダ 確かに。このプレイのことを「正常位ベロチュー」って言わなきゃいけないのもちょっと変な感じするもんな。名前ついててよさそうなのに。シックスナインくらい。

――それ以外にありますか?

Jさん あと、意外とお尻が好きな人多い印象ですね。

ニシダ お尻かあ。

Jさん 挿入とかじゃなく、アナルの......じゃなくてアヌスの表面を撫でるというか。

ニシダ アナルとアヌスの形容詞と名詞の区別いいんですよ(笑)。

Jさん 何か挿れるとなるとハードル上がりますけど、表面を触るぐらいなら実践しやすいですよね。もちろんイヤだという人もいると思うんですけど。

ニシダ 向こうが喜ぶ可能性があるんだとしたら、選択肢として最初から消すのはもったいないかもしれないですね。

Jさん そこにあるんだから。

ニシダ 目と鼻の先ですもんね。

【性の対談連載:ラランド・ニシダと『みんなのセックス大全!』】「『正常位ベロチュー』をもっと広めていこう!」
ラランド・ニシダさんと対談相手のJさん(30代、男性)

ラランド・ニシダさんと対談相手のJさん(30代、男性)

Jさん あと、思い出しました。僕、手マンのときに絶対に相手をうつ伏せにするんですよ。

ニシダ ほう。

Jさん 足を延ばさせて、気をつけの状態にして、そこに手のひらを下にした状態で指を挿れて、反対の手で腰の部分を上から押さえて、指でトントンするっていう。

この体勢って顔が見られないじゃないですか。

だから女性側も恥ずかしさが軽減されて、快感に集中してくれるんですよね。

ニシダ 心理的な障壁がないんだ。

Jさん かつ足を延ばしているからリラックスもできて......なんか恥ずかしいな、自分の技を言うの。

ニシダ いやいや、めっちゃいいと思いますよ。それってキスとかしていいムードになったら「ちょっとじゃあ1回うつ伏せになってくれる?」とか言うんですか?

Jさん 「マッサージしてあげるよ」ですね。

ニシダ 賢いな。やり慣れてるからルートがあるんだ。マッサージもちゃんとするんですか?

Jさん フェザータッチですね。肩から徐々に焦らしながら下に......っていう。なんかインチキ整体師みたいですね。

ニシダ 確かにAVに出てくる整体師みたい(笑)。それ自体にはどのくらい時間をかけるんですか?

Jさん ちょっと待ってくださいね......。

ニシダ ......。

Jさん ......けっこう腰の部分時間かけますね。

ニシダ 今、脳内でやってたんですか?

Jさん はい。今、頭の中で再現してました。腰のあたりに4、5分とかじゃないですかね。

ニシダ けっこう長いな。フェザータッチってスローセックスのイメージがあるけど、ギアを上げるためのマッサージって感じなんですね。

Jさん そうですね。

ニシダ これ記事が上がったときに「そうなんだよ! それが一番されたいことなんだよ!」っていう女性もいるかもしれないですよね。「本当は手マンはうつ伏せがいいんだよ!」みたいな。

Jさん 確かに。

ニシダ 基本的に手マンが仰向けなのも、AVが仰向けであることが多いからかもしれない。

演出するとなったら体も顔も見せたいし。

Jさん 胸が見えてないと映像が寂しくなっちゃうし、別にうつ伏せじゃなくて仰向けでいいんじゃないか、ってなりそうですね。

ニシダ そう。だから手マンが仰向けっていうのも、ある種のプロパガンダなのかもなって。AVの現場を知らないけど、映像表現における合理的な判断だったかもしれない。

Jさん そうですね。

ニシダ なんか、「19世紀までの手マンはうつ伏せでしたよ」って言われても別に信じられるというか(笑)。

Jさん 映像によって変わっちゃったみたいな(笑)。

ニシダ 「20世紀にポルノが出てくるまでは、うつ伏せが一般的だったんだよ」って言われても「そうなんだ」って言えるくらい、仰向けの合理的な理由ないもんな。

Jさん 寝バックがいいっていう話よく聞きますけど、AVに寝バック少ない気もしますよね。それも女優の体があまり見えないからかも。

ニシダ 映像的な面白みが少ないですもんね。

うつ伏せの手マンはどこで学んだんですか?

Jさん あるときやってみたら反応が良かったって感じですね。

ニシダ なるほど。こういう天然の発明家みたいな人に教えてもらわないとセックスって発展していかないのかもな。挑戦しないもん。

Jさん でも、皆が皆ってわけではないと思うので、実践してみた人はコメント欄に感想を教えてください。

ニシダ YouTubeじゃないんだから(笑)。でも、いいですね。これを読んだ人は試してみて感想を教えてくださいって。ぜひ感想を教えてください。

Jさん お話できてよかったです! ありがとうございました!

ニシダ こちらこそありがとうございました!

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■ニシダ(ラランド) 
1994年7月24日生まれ、山口県宇部市出身。2014年、サーヤとともにお笑いコンビ「ラランド」を結成。著書に小説集『不器用で』『ただ君に幸あらんことを』(いずれも角川書店)

撮影/鈴木大喜

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