『週刊プレイボーイ』に登場する女性たちに「初グラビア」にまつわるエピソードや当時の想いを聞く連載、『初グラビア物語~My First Gravure Story~』。前回に続いて、女優・大熊杏優(おおくま・あゆ)さんの後編。
大熊さんは高校生の頃より女優業・SNSを中心に活動し、2022年、『週刊プレイボーイ』13号で初グラビアを披露。ショートカットの初々しい姿と見事なスタイルでたちまち人気に。デジタル写真集もことごとく大ヒットし、さまざまな雑誌の誌面を飾った。
近年は女優として活躍。2025年には『こんなところで裏切り飯~嵐を呼ぶ七人の役員~』『家政婦クロミは腐った家族を許さない』の2作品に主要キャストとして出演し、映画『2025年7月5日午前4時18分』が6月27日に公開を控える。
今回はそんな彼女に『週刊プレイボーイ』で撮り下ろされたグラビアについて、そしてグラビアへの想いを聞いた。
『週刊プレイボーイ』2023年7号(撮影/田口まき)
ーー前回、記念すべき初グラビア(『週刊プレイボーイ』2023年13号)のお話をされましたが、周囲の反応はどうでしたか?
大熊 家族はものすごく喜んでくれましたね。特におばあちゃんはすごくて、誌面を見ながら「これは本当にあゆなの?」って何回も言われたり(笑)。友達も喜んでくれたし、しばらく会っていない友達から連絡がきたり。つくづく出て良かったと思いました。
ーーその後、大熊さんは『週刊プレイボーイ』のグラビアに7回ほどご登場いただきました。特に印象的なのは?
大熊 4回目ですかね(2023年7号/1月30日発売)。
ーー『Tear Drops』(撮影/田口まき)ですね。
大熊 はい。この時は奄美大島へ行って撮影しました。とにかく自然がめっちゃキレイで。どこへ行っても楽しかったです。特に海は信じられないくらい透き通っていてビックリしました。この時は表情を特に意識したんですよね。
ーー表情を?
大熊 はい。これを撮る前、編集さんと食事に行って「笑顔はすごく可愛いんだけど、表情のバリエーションがもう少しあるといいね」って言われたんです。それ、結構、考えてしまって。というのも自分もそのことで悩んでいたんですよね。

ーーそうなんですね。
大熊 それまでのグラビアを見る度、なんかイマイチだよなって。そこで、頑張って表情のバリエーションを出せるよう意識しました。自分的には結構できたんじゃないかと思いますね。
ーーこのグラビアは、週プレのサブスクサービス「プラススペシャル」とも連動。本誌グラビアに加え、その100点以上の写真も見ると......確かに表情豊かな大熊さんが見られます!
大熊 でしょ! よかった~(笑)。この時の撮影は特に達成感があったというか。ちょっとだけですけど、表現者として成長できた気がします。
ーーこのグラビアでは涙を流すカットがありますね。
大熊 はい。夕暮れのシーンだったんですけど、「泣いてみる?」みたいな話になって。しっかり泣きました。

『週刊プレイボーイ』2023年7号(撮影/田口まき)
ーーそんな風に、言われて泣けるものなんですか?
大熊 う~ん、なんだろう。あの時は泣けたんですよね。海を眺めていたらいろいろな感情が湧いてきちゃって。夕暮れって時間帯と、あと撮影の終盤ってことでなおさらセンチメンタルな気持ちになれたのかもしれないです。
ーー過去のグラビアに関して言えば、ひとつ伺いたかったことが。2024年の49号(11月18日発売)に登場された際、痩せたなって印象を受けたんですけど、考えすぎですかね。
大熊 確かに痩せていたと思います。当時、ダイエットしなきゃと思って、頑張って食事を制限していたんですけど、ちょっとやりすぎちゃって(笑)。あと、その頃、悩んでいたんじゃないかな。
ーー悩んでいた?
大熊 はい。この業界って可愛くて、才能のある子たちがたくさんいるじゃないですか。その人たちと比べて、自分はどうなんだろう、この先やっていけるのかなとか、いろいろ考えちゃって。
ーーそれで? 大丈夫だったんですか!?
大熊 はい。それから割とすぐ、人も比べても意味ないよな、それより自分が納得できる仕事をひとつひとつやっていこうって気持ちを切り替えられたので。食事もしっかり摂るようになったし。
ーーよかった!
大熊 まぁ、痩せたのは当時、ダイエットしなきゃと思って、頑張って食事制限していたのもあるんですけどね。それがちょっとやりすぎたというか(笑)。
ーー最近はドラマへの出演も増え、女優業も絶好調。『週刊プレイボーイ』の2025年12号(3月10日発売)に登場し、ひときわ美しく成長した姿を見せてくれました。
大熊 この時は千葉で撮影したんですけど、とにかくめっちゃ寒くて! 私、これまでのグラビアって、幸運にも暖かい時期か、暖かい場所での撮影ばかりだったんです。それがもう寒くて、寒くて。死んじゃうんじゃないかってくらいの寒さでした(笑)。

『週刊プレイボーイ』2025年12号(撮影/前康輔)
ーーどうやって乗り越えたんですか?
大熊 思い切り「寒~い!」って叫んで、テンションをあげました(笑)。寒さのあまり、気持ちが沈んだら負けだなと思って。
ーーここまでグラビアをやって、自分の中で変化なんてあります?
大熊 何よりスタッフさん全員と仕事を楽しめるようになりましたね。グラビアを始めた頃は、自分が楽しいかどうかしか、気が回らなかったんです。だけどある時期から自分だけでなく、スタッフさん全員の気持ちも考えるようになって。今は一体感のある現場を自分なりに目指しています。あと、何かと前向きに考えられるようになりました。
ーーというと?
大熊 たとえばオーディションとか、以前は「きっと今回もダメかもな......」みたいな気持ちで臨んでいたんですけど、今は「とにかくやってみよう」「やればどうにかなるだろう」みたく思えるようになったというか。

ーーおーっ! 前回も言いましたけどグラビアの現場って、「可愛いね」「素敵!」とかって言葉が飛び交うじゃないですか。それで自己肯定感が上がったとか。
大熊 それはあると思います。
ーー大熊さんはグラビアの何が楽しいですか?
大熊 知らない自分と出会えることです。自分の中にこういう表情、こういう表現があったんだって。それが楽しいし、自信にもなります。出来上がった雑誌を手にする瞬間、いつもワクワクしますね。
ーー今後やってみたいグラビアなんてあります?
大熊 雪の中のグラビアは撮ってみたいです。
ーーさっき、寒いのは辛いって言っていませんでしたか(笑)。
大熊 私、12月生まれで、もともと冬は好きなんです。寒いのは大変だけど(笑)、雪の中のグラビアは幻想的でキレイじゃないですか。やっぱり作品としていいものを残したいですよね。
ーー今後のグラビアも楽しみです。最後に大熊さんは初グラビアや過去のグラビアを普段、見返します?
大熊 あまりしないですね。でも今日、まとめて見返してみて、当時のことも思い出したし、面白いと思ったので自分でも定期的に過去の作品を見返そうかなと思いました。初グラビアからまだ2年ちょっとしか経っていないけど、昔の自分ってすごく幼いですよね(笑)。今後もどう変わっていくのか。自分で自分が楽しみです!

●大熊杏優(おおくま・あゆ)
2002年12月19日生まれ 東京都出身
身長153㎝ 血液型=B型
○現在俳優として活躍中。1st写真集『私らしく。』(秋田書店)が発売中。
公式X【@ayuokuma】
公式Instagram【@ayuokuma】
公式TikTok【@ayuokuma1219】
『かわいいno天才』1100円 撮影/前康輔 価格/1100円(税込) 週プレの最新撮り下ろしをアザーカットとともに収めた一冊。卓球したり、温泉に入ったり、ベッドでゴロゴロしたり。ひたすらかわいい杏優がたっぷり楽しめる。
週プレプラス!アザーカット集『Tear Drops』 撮影/田口まき 価格/1100円(税込) グラビアデビューを果たし約1年。ますます勢いにのる中で撮影した一冊。奄美大島を舞台に、ちょっぴり大人っぽく撮り下ろし。笑ったり、スッとしたり。いろんな表情の彼女がいっぱい。
取材・文/大野智己 撮影/荻原大志