レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、平成のゲームセンターで誕生した文化のひとつが音楽を使った「音ゲー」です。その中でも、他人のプレイを見て楽しめたのが『Dance Dance Revolution』(ダンスダンスレボリューション。以下、DDR)でした。
DDRは1998年から現在まで続く人気シリーズ。ダンスミュージックに合わせて、モニター画面に出てくる指示どおり上下左右に足を動かせば高得点となるゲームです。
軽やかなステップで高得点を出しつつ得点と関係ないダンスパフォーマンスをするプレイヤーが現れ、そこに人だかりができていました。家庭用ゲーム機版では、ゲーセンと同じように踊るためのマット式コントローラーも発売されたほどです。
2023年には高さ40㎝に小型化した家庭用筐体Dance Dance Revolution Classic Miniが発売。足で遊ぶ専用マット式コントローラーもありますが、基本は足の代わりに手の指を使ってステップを踏む方式です。
このように指を使ったDDRの類似品が平成にも登場していたのをご存じでしょうか。それがフィンガーダンスマットです。


指で操作するフィンガーダンスマット

フィンガーダンスマットのUSB版
フィンガーダンスマットはUSBタイプと、単体で2人対戦のできる液晶画面付き端末がありました。

プレステ版『Dance Dance Revolution 2nd ReMix』


ゲームボーイ版DDR専用コントローラー。ゲームボーイ本体に装着すると、両手の指で操作しやすくなる
ちなみに公式のDDRも、家庭用ゲーム機のコントローラーを指で押してプレイはできます。ただし指で踊っている気分とは少し違いました。そんな中、ゲームボーイ版DDRは一味違いました。本体に専用コントローラーを装着することで、まるで指が踊っているような矢印ボタンの押し心地を実現したのです。
指でも踊りたくなるDDRの今後の展開から目が離せません。
撮影/榊 智朗 山下メロ