評点:★3.5点(5点満点)
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冒頭、「本作は6部構成である!」と字幕が出るので身構えていたら(章立ての映画はつい身構えてしまうのだ)、次にいきなり「第3部」と出たので思わず笑ってしまった。
そこから分かるように、縦横自在に時間軸を行き来しながら、伝説の連続殺人鬼が、その最後の日々にどのように犠牲者を殺していったかが描かれる。と、ぼんやりしたことしか書けないのは本作がツイストに次ぐツイストで成り立っている映画だからで、時間軸を行き来するのもそのためだ。
舞台はオレゴン州の田舎で、登場人物もそれほど多くないが、インパクトの強い変人ばかり出てくるのも楽しい。
中でもバターどっさり生クリームどっさり、とんでもないカロリー量の朝食を作って食べている老夫婦は傑作で(奥さん役はバーバラ・ハーシー)、プレッパー(来たるべき終末に向けてサバイバルの準備に余念のない人)でありヒッピーでもあるのだが、その2人が80年代のティーン・アイドル、スコット・バイオのクロスワード・パズルに興じているところでは思わず笑ってしまった。
また、男女間のキンク(セックスにおける特異な性癖)を巡るやりとりは本作の白眉で、面白い領域を開拓していると感じた。
STORY:シリアルキラーによる連続殺人事件が世間を震撼させる中、モーテルの前に1台の車が止まる。そこには、バーで知り合ったばかりの1組の男女が乗っていた。やがて女は男に命を狙われ、銃を持った彼から必死で逃げ惑う......
監督・脚本:JT・モルナー
出演:ウィラ・フィッツジェラルド、カイル・ガルナーほか
上映時間:97分
全国公開中