レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、今も雑誌や朝の情報番組において人気コンテンツなのが占い。平成に流行した占いでまず思い浮かぶのが「動物占い」です。
生年月日を基に、性格を動物にたとえるキャッチーさが人気を呼び、1999年の単行本『人間まるわかりの動物占い』(ビッグコミックスピリッツ編集部/小学館文庫)は200万部を超える大ヒット。世の中は動物占いブームとなりました。


Windows用CD-ROM。恋愛編と運勢相性編に分かれている
動物占いが大流行して書籍の続編が続々と出版。動物を使った類似の占い本までもが多数生まれました。さらには、動物占いができるiモードサイトや、パソコンで占いができるWindows用のソフトウエアがCD-ROMで販売されたのです。
当時は自己紹介で「動物占いは〇〇です」と言う人も多く見られ、むしろ「自分の動物が何か?」を知らないと、時代遅れという雰囲気すらありました。
ヒットした要因のひとつは、動物キャラのかわいさでしょう。『シニカル・ヒステリー・アワー』や『いまどきのこども』などの作品で人気の漫画家・玖保キリコさんが当時のイラストを担当されていました。
平成初期では、玖保さんが手がけるキャラグッズの専門店はタレントショップのような扱いになっていたほどです。

マスコットキーチェーン。スクールバッグに自分の動物をつけられる

マスコットバッジ。帽子やリュックに

プロフ帳などに貼れるシールセット
動物占いのグッズは、自分がどの動物であるかをアピールする機能も果たします。ゆえにカバンにつけられる動物ごとのキーチェーンやバッジ、プロフィール帳を交換する際に貼れるシールなどが定番。ほかにもキャンディなどお菓子まで発売されました。
その後、キャラのイラストが変わるなどしつつ動物占いは長く続きます。スマホ時代になってもアプリとして動物占いが続いています。
当時占った人も初めての人も、動物占いをしてみましょう。令和の今こそ「動物占いなんだった?」と周囲に質問してみるべきタイミングかもしれません。
撮影/榊 智朗