【お悩み相談連載：さらば青春の光・東ブクロの『こわいもんなし』】「メディアもコンテンツも多様化の時代。『新しいお笑いBIG3』は生まれないと思う」

酸いも甘いも噛み分けた孤高のお笑い芸人・東ブクロ（さらば青春の光）のお悩み相談連載「東ブクロの『こわいもんなし』」。

恋のお悩み、仕事のお悩み、日常のふとしたお悩み、そして性のお悩み......まで、東西南北森羅万象、どんな悩みも東ブクロがズバッと解決!!

■誰からも愛されるは、もはや幻想

【お悩みNo.99】今後「お笑いビッグ3」って入れ替わることがあると思いますか？

東ブクロさんの中で「新・お笑い御三家」を作るとしたらどなたが思い浮かびますか？

昨年の「見取り図じゃん」でも仰っていた「今の時代の若い子が憧れる芸人」のお話も含めて、東ブクロさんのお考えに興味があります。【PN:KAZ・41歳・女性・契約社員】

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――ポストBIG3について。

この先お笑いであれほどビッグな方達は出てこないと思っています。というのも、テレビの他にYoutubeの配信などコンテンツが多様化しすぎている時代なんで、バラエティーのMCや冠番組をやっていたら「お笑いのトップ」と認められるのかっていうね。

――昔はみんながテレビを見ていました。

みんなの共通した会話がテレビでしたからね。「テレビの力が落ちてきてる」って言われてますけど、確かにこの先ダウンタウンさんみたいな圧倒的な存在感を持ったお笑いの人は出てこない気がします。それはアンチの存在も大きいのかなと。

――アンチの声が大きくなっている。

昔からどんな人にもアンチはいたと思うんです。ただ、今はSNSが力を持っていて「好き」と同じくらい「嫌い」が目に入る。ネガティブな言葉というのは、意外と大きな力を持っていると思うんです。せやから、誰からも愛されるトップというのは、もはや幻想やないかという気がしますね。

――たまに深いことを言いますね。

身近におる人で言ったら、みなみかわさんにひょうろくでしょう。まぁ、メディアの多様化で、トップを狙わなくてもいい時代になりましたからね。自分のテリトリーを持って、そこにいるファンのおかげで食えるくらいがちょうどいいと思います。

――そう考えるとさらばさんは理想的ですね。ブクロさんが憧れる人はいますか？

吉本の劇場に出て食えてる人やないですかね。テンダラーさんやシャンプーハットさん。まさに自分たちが憧れた芸人の理想像だと思います。そして、それは吉本以外の事務所ではありえませんからね。

――さらばさんが天下を取るには。

国民的人気を獲得するのに必要なのは、やはり好感度やないですか。ただ、いまさら好感度は上がりませんから、諦めてます。

■もっと建設的な嫌がらせもある

【お悩みNo.100】結婚10年。旦那に不倫が発覚しました。不倫内容が真剣なものでなく、アプリで複数の女の人にいってるやつでした。子供もいるので生活のため再構築を選びましたが、旦那に愛情はすっかりなくなりました。

それから営みはなく、そんな私にふつふつと「旦那だけズルい」という気持ちが沸いてきて、旦那が使っていたアプリをダウンロードし、登録している自分がいました。復讐という形で不倫したいのですがどう思いますか？【PN:コメダ・38歳・女性・パート】　

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――「倍返し」は半沢直樹の名セリフでした。

この方は旦那に浮気をされてショックだったんでしょうね。だから、自分も同じことをして心のバランスを取ろうとしている。気持ちはわかりますが、嫌な思いされたらやり返すっていうのは、ちょっとかわいそうだなと思います。

――負の連鎖ですね。

子供のために別れなかった時点で、やり返すという選択肢しか無くなってしまったのは理解できます。ただ、セックスで仕返しするより、もうちょっと建設的な嫌がらせもあるかもしれない。

――ブクロさんは復讐ってしたことあります？

いやあ、ないですね。嫌な思いをしたら、その相手から離れるんで。

――電車で足を踏まれたら踏み返すみたいな小さな復讐は？

車に乗ってて、車道にはみ出してフラフラ走ってるマナーの悪い自転車を追い越した後、信号で止まった時に、危ないよという意味を込めて左に寄せて通れないようにしたことはあるかもしれません。反省しています。

――危ないぞという教育的指導ですね。SNSで悪口書いたりとかは？

ないですね。そういうことする人が不憫に思えてしまうんです。哀れやなと。この人は旦那に不倫されて、自分だけがサレ妻みたいになるのが嫌なんでしょう。

――気の利いた復讐ってないですかね？

旦那の服を洗濯はするけど、生乾きぐらいで置いておくとか。

――それは確かにいやですね。

仕事に着ていくシャツが臭い。梅雨の時期の生乾きの匂いが一日中したらテンション下がるでしょ。そんな小さな仕返しをして、心の中で笑っとくぐらいが一番平和やないかと。

――旦那は毎朝服を着る瞬間にウッと思うことでしょう。

向こうも後ろめたいから強く言いにくいでしょうし、その様子を横目で見てたら溜飲も下がるでしょう。この人も好きでない男とセックスして、自分を傷つけなくて済みます。復讐なんてそれくらいでいいんですよ。

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●東ブクロ
1985年10月6日生まれ　大阪府茨木市出身　
〇2008年に現在の相方である森田哲矢とお笑いコンビ『さらば青春の光』を結成。2017年に本名の東口宜隆から現在の芸名である東ブクロに改名した。芸能界を代表するプレイボーイとしても知られており、スキャンダルも含め多くの浮き名を流してきた。
公式YouTubeチャンネル『さらば青春の光Official Youtube Channel』

取材・文・撮影／キンマサタカ