『週刊プレイボーイ』に登場する女性たちに「初グラビア」にまつわるエピソードや当時の想いを聞く連載、『初グラビア物語~My First Gravure Story~』。今回は『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のひとり3役女優・新田桃子(あらた・ももこ)さんによる前編。
新田さんは9歳から子役として活躍し、一時活動を休止しながらも女優として活動。2022年からはスーパー戦隊シリーズの『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に出演。スーパー戦隊メンバーの若妻、恋人、さらに敵の怪人という3役を演じ切り注目を集めた。
初グラビアは『週刊プレイボーイ』2022年49・50号で披露。その可憐で見事なスタイルはたちまち話題に。『週刊プレイボーイ』には現在までに3度にわたり登場。
現在は韓国に拠点を置き、モデル、女優として活動。ビデオクリップやドラマに出演している。今回はそんな彼女にグラビアデビューのきっかけから、撮影に関するエピソードを語ってもらった。

『週刊プレイボーイ』2022年49・50号(撮影/中村和孝)より
ーースーパー戦隊シリーズの『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022~2023)でひとり3役を演じ、話題を呼んだ新田さんですが、その後、所属事務所を退所しフリーに。現在は韓国を拠点に活動されているとか。
新田 はい。
ーーそうなんですね。この連載は、初グラビアの思い出をその前後とともに振り返っていただいています。もともと新田さんは子役をやっていたんですよね。
新田 9歳のときスカウトされて、19歳まで事務所に所属していました。最初は子役ではなく、モデルをやりたかったんです。母がファッション誌を好きで、その影響を受けて。
ーー「19歳まで所属」というのは、一度辞められた?
新田 はい。仕事の都合で早退・遅刻が多くなり、クラスメイトから陰口や悪口を言われるようになったんです。そうしていたら精神的にキツくなっちゃって。そんな不安定な状態だからオーディションも受からない。自信もなくなり事務所を退所、大学時代は芸能活動とは無縁の生活を送りました。そして4年生時には就活して、一般企業の内定をもらって。でもこの先、何十年と働くとして、それでいいのかな、自分のやりたいことって何だろうと考えちゃって。

ーー女優に対して、心のどこかで心残りがあった?
新田 そうなんです。映画が好きなのでよく観ていてんですが、気持ちはモヤモヤするし、「自分だったら......」って考えちゃう。どこかで自分の気持ちを押し殺していたんです。
ーーお母さんの反応は?
新田 快く背中を押してくれましたね。ただ20歳を過ぎているし、ブランクもあるから背水の陣でやりなさいよと。
ーー確かに。小さいことからキャリアを積み、フレッシュな10代が大勢いる中、20代で復帰するのは現実的に難しいですよね。
新田 はい。ただ私、松本まりかさんを尊敬しているんですけど、彼女も子役からやっていて、ブレイクするまでにたくさんの苦悩があったらしくて。彼女みたいにというとおこがましいですけど、自分もまりかさんに一歩でも近づきたいって、その一心で頑張りました。とはいえ当時はコロナ禍もあり、大変でしたけど......。
ーーそんな中、決まったのが『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』だったと。
新田 結局、2年間ほどほとんど何も決まらず、やはりこの仕事とは縁がなかったのかな、これが決まらなかったら諦めようと覚悟を決めてオーディションを受けました。そうしたら受かって! もう飛び上がるほど嬉しかったですね。
ーー『ドンブラザーズ』では、ピンク・雉野つよしの妻・みほ、ブラック・犬塚翼の恋人・夏美、さらには敵の怪人"獣人"とひとり3役を演じ、可憐でありながらもミステリアスな姿が話題を呼びました。でも最初はそんな複数の役柄を演じる予定はなかったとか。
新田 そうなんです。最初はピンクの奥さん役とだけ聞いてました。それが2役となり3役に。しかもちょっとだけどアクションまですることにもなって。正直、自分的には何がどうなったのか戸惑うばかりでした(笑)。
ーーしっかりと演じ分けを?
新田 頑張りました(笑)。声で言えば、みほは可愛らしく、夏美は艶のあるように、また獣人は性別を超えた存在である表現をしたかったので、低い声を出して、など。ただストーリーは複雑ですし、難しかったです。途中からは考え過ぎるのをやめ、一役一役を完全に分けて演じました。ありがたいことに反響も大きく、毎回の放送直後は"なつみほ問題"がトレンドワード入りもしました。
ーー新田さんが『ドンブラザーズ』で学んだことは?
新田 やはり大勢のスタッフさんたちとみんなで作り上げているということですね。本当にさまざまな方々がいての作品。自分も責任と自覚を持って演じる大切さを学びました。
ーーそんな撮影に日々励む中、『週刊プレイボーイ』からグラビアのオファーが届いたんですよね。

新田 そうなんです。自分はグラビアとは無縁だと思っていたので本当に驚きました。でも25歳の頃から、自分の人生の一部を形にして残しておきたいと思っていたので、グラビアはいいなと思いました。思い切ってやらせていただくことにしました。
ーーグラビア自体、ご覧になったことはあるんですか?
新田 ほとんどなかったです。『ドンブラザーズ』で共演した志田こはくちゃん、宮崎あみさちゃんのを見たくらい。あと高崎かなみちゃんが友人なので、彼女のは見たことがありました。
ーー撮影前、ボディメイクなどされました?
新田 私は特に腹筋に自信があって、それをしっかり見せたかったので、食事を控えたり、ジムに通って鍛えるなどしました。ただ事務所からは痩せ過ぎてもダメだよとも言われて(笑)。一体、どの程度の体型に持っていけばいいのか戸惑いましたけど。
ーー撮影現場で水着など衣装を見た時の心境は?
新田 「面積が小さい! これを着るのか!」と思いました(笑)。
ーープライベートで水着を着ていました?
新田 友達と海やプールに行っていたので。でもカメラマンさんに撮影されるなんてことはないわけで。だから緊張しちゃって。もうガチガチでした。
ーー恥ずかしさは?
新田 ものすごかったです。それこそ下着姿を人前で見せるなんてないじゃないですか(笑)。あと役柄でなく、「新田桃子」として何かに出るというのも恥ずかしくて。私、小さい頃から人見知りで、自分を見せるということに恥ずかしい気持ちはまだあったんです。
ーーじゃあ緊張と恥ずかしさがごちゃ混ぜになっていたと。
新田 なりました。もう正直、何がなんだかわからなかったって感じ。撮影中のことは緊張しすぎてあまり覚えていないです。カメラマンさんがすごく優しくて、撮影しているうち、段々楽しくなってきましたけど。
ーー特に気に入っているカットは?
新田 緑のランジェリーですね。私、緑が好きなんですよ。生地やデザインも綺麗だし、見た瞬間「これ、お願いします!」って言いました。着た瞬間やっぱり気分が高揚しましたね。

『週刊プレイボーイ』2022年49・50号(撮影/中村和孝)より
ーーなんだかんだで楽しんだようですね(笑)。掲載誌(『週刊プレイボーイ』2022年49・50号/11月21日発売)は買いに行きました?
新田 もちろん。感動したのと同時に、コンビニに置いてある雑誌に自分の名前があるっていうことがすごく不思議で。本当なのかなって何度も思っちゃいましたよ。
ーー『ドンブラザーズ』のメンバーはご覧になられたんですかね?
新田 雉野役の鈴木浩文さんには「恥ずかしくて買いに行けなかったわー!!照笑」と言われました(笑)。
ーー役柄とはいえ、旦那さんですし、照れますよね(笑)。
新田 あと、現場のスタッフさんから「グラビアよかったよ」「かっこよかったね」ってたくさんおっしゃっていただきました。おかげでちょっとだけホッとしました。この時の撮影を通じて、自分の素というか、さらけ出すということを学んだ気がします。自分の殻が破れたというか。なんだかひとつ成長した感じがしました。
●新田桃子(あらた・ももこ)
1996年6月7日生まれ
東京都出身 身長161㎝
趣味=落語、洋館巡り、現代アート
特技=水泳、英語、韓国語
好きな食べ物=かずのこ
愛称=ももってぃ
〇『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日)に雉野みほ/倉持夏美/獣人(ジュート)役で出演。現在は韓国を拠点に女優、モデルとして活動中。ビデオクリップやドラマに出演している。
公式X【@momoko_arata】
『ドンブラ一人三役女優、初グラビア』 新田桃子 撮影/中村和孝 価格/1,100円(税込) 記念すべき初グラビアを収めた一冊。本編では初水着&ランジェリー姿を披露。爽やかな笑顔、艶めく仕草。どの瞬間も美しい。触れられそうなほど近い距離感には、思わずときめいてしまう
取材・文/大野智己 撮影/荻原大志