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okano_skywalkerとしてのアーティスト活動を軸に、舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』出演など俳優としても知られる岡野海斗が最新デジタル写真集『sparkle』を発売した。2025年4月に初開催された絵の個展「怪奇」に始まり、FCイベントやライブイベントに密着。
さらに、サウナや夜景を見渡せる屋上での撮り下ろしパートを加えて、その多彩な姿に迫った。

「週プレ グラジャパ!」で購入すると、ここでしか聞けないokano_skywalker書き下ろし楽曲「skywalk」のMV動画付き。岡野海斗の全てが見られる、かなり豪華な一冊となっている。デジタル写真集の撮影を振り返るとともに、音楽、俳優、絵という彼を構成する活動の原点を聞いた。

*  *  *

■お調子者ゆえに広がった夢

――マルチな活動に迫る前に、まず、芸能活動を始められた経緯から聞かせてください。2019年のオーディション番組参加がきっかけとプロフィールにはありますが、もともとアーティスト活動に興味があったんですか?

岡野 歌は元々好きでしたが、表に立ちたいと思ったことは一度もなかったです。子供の頃から絵を描く仕事に憧れがあって、それこそ当時は専門学校のグラフィックコースに通い始めたばかりでした。オーディションに参加したのは、友達に「お前、出てみろよ」と言われたのがきっかけ。専門のことを考えると悩む気持ちもあったのですが、「歌上手いし、ラップも出来るし。イイ線いくでしょ!」と背中を押されて、ついその気になってしまったんですよね。

――急な方向転換だったんですね。親御さんは反対されたんじゃ?

岡野 最初は心配されました。番組の司会者がナインティナインさんであることを伝えると「じゃあ、ちゃんとした番組なんだね」と納得してくれました。

最終的にファイナリストまで残ることが出来ましたが、僕としては1次審査を通過した時点で「俺、可能性あるかも」と思いましたね。

――お調子者ですね(笑)。中には歌やダンスが飛び抜けて上手い人もいたと思いますが、圧倒されることもなく?

岡野 そうですね。当時の僕は歌もダンスも未経験。上手い人のパフォーマンスを見ても具体的に何が凄いのか分からなかったので、自信をなくすこともありませんでした。良い意味で世間知らずだったんです。今、当時の映像を見返すと「こんなスゴい人たちの中で戦ってたんだ」ってビックリしますよ。それでも120人中28位まで順位を上げることができたのは、最後まで根拠のない自信があったからだと思います。

――確かに堂々とし続けるのは大事ですね。とはいえ、オーディション結果としては落選です。その後、専門学校に戻ろうとは?

岡野 オーディションの中に韓国での合宿審査があって、それに参加した時点で休学日数を超えてしまったんです。学校に戻っても、また1年生からやり直し。

であれば、もう芸能一本に絞るしかないかなって。専門学校は4ヶ月で辞めてしまいました。

――思い切った決断ですね。

岡野 ちょうど今の事務所からスカウトされたこともあり、迷いはなかったです。落選したメンバーでボーイズユニットを結成しました。2年で解散してしまいましたが、並行してokano_skywalkerとしてソロ楽曲も発表していたので、そのまま現在の活動に移行することになりました。

――岡野さんは人気舞台「ヒプノシスマイク」(2022・2023)やスーパー戦隊シリーズの「王様戦隊キングオージャー」(2023-2024)出演など俳優としても活動されています。お芝居は何がきっかけで?

岡野 オーディション番組から派生したプロジェクトの舞台に参加させていただいたのが始まりです。その後「ヒプノシスマイク」の舞台に参加しました。僕、みんなで一致団結して何かをやり遂げることが大好きなんですよ。高校の文化祭とか、スポーツ大会とか。絆を感じることができて、スゴく素敵だなって思うんです。

「ヒプノシスマイク」に参加した時、その感覚を思い出しました。稽古から公演まで長い期間をみんなで駆け抜けるわけですから、絆も生まれますよね。その感じが良いなって。今も舞台を中心にお芝居を続けさせてもらっています。

――絵も音楽も個人での活動ですもんね。

岡野 舞台俳優の世界って、演出家さんや衣装さんも含めて根強いコミュニティが広がっている感じがあるんですよ。「ヒプノシスマイク」の本読みに初めて参加した時、僕だけ初めましての空気でめちゃくちゃ気まずかったのを覚えています(笑)。

でも、例え苦手だと感じる相手だったとしても、ひとつの作品を作り上げるためにそれなりの期間を共にするとなると、相手の良いところを探そうとするじゃないですか。そうやって時間をかけて関係性を築くことができる場所だからか、舞台で共演した俳優さんとはずっと仲が良いです。

舞台『ヒプノシスマイク』出演の岡野海斗が書き下ろし楽曲MV付きのデジタル写真集を発売!「今年の目標は『疲れない日を作らない』。音楽も絵も色々やってく覚悟です」

■音楽と絵

――音楽活動、俳優業に加えて、今年4月には絵の個展を初開催されました。肩書きにとらわれずマルチに活動を広げられている印象ですが、岡野さんにとって、ロールモデルのような人はいらっしゃるのでしょうか?

岡野 BIGBANGのG-DRAGONです。ラップをやって、絵を描いて。表現は基本的に自分の想像から生み出されるオリジナルですが、活動イメージの原点は間違いなくG-DRAGONです。

小学3、4年生の頃だったかな。テレビでBIGBANGが歌っているのを観て衝撃を受けました。それ以降、G-DRAGONは僕の神様のような存在です。少女時代も大好きで、特にこの2グループの音楽ばかり聴いていました。

舞台『ヒプノシスマイク』出演の岡野海斗が書き下ろし楽曲MV付きのデジタル写真集を発売!「今年の目標は『疲れない日を作らない』。音楽も絵も色々やってく覚悟です」

――K-POPがお好きなんですね。この流れで、今回のデジタル写真集のために書き下ろしていただいた楽曲「skywalk」についても聞かせてください。どのようなイメージで作詞、作曲されたのでしょうか?

岡野 個展やライブなど、色んな側面から僕の姿を密着して撮影いただいた、岡野海斗の自己紹介的な一冊。そこに収録する楽曲なので、こちらも自己紹介的な一曲になればと思い、制作しました。曲を作り始める前に何度か撮影してもらっていたので、そのイメージやリリース時期を踏まえて、まず始めに夏らしく楽しいサウンドが生まれました。

――メロディから先に制作されたんですね。

岡野 今回に限らず、いつもそうです。ただ僕は楽器が出来ないので、作曲はプロの方に手伝ってもらうことが多いですね。

メロディが仕上がったら歌詞を載せていきます。全体的に楽しい楽曲をイメージしてはいたものの、特に昨年は「これを実現するためには、まずこれを乗り越えなきゃいけない」という前向きな苦しみが重なり精神的に辛い時期があったので、その過程も包み隠さず歌に乗せたかった。そんなふうに歌詞を仕上げていきました。

――個展のこと、音楽のこと、またサウナのことなど、撮影の内容と重なる歌詞も多いです。そしてサビでは「今年はたくさん痛い目 それで心折る男じゃないね」「色々やるGenius 24」と歌われています。やりたいことを全部やっていくために辛さも受け入れる覚悟だという、前向きな思いが感じられました。

岡野 これはファンの方にも言っているのですが、僕の今年の目標は「疲れていないを作らないこと」なんです。というのも2024年は「休める日は休もう」と自分に甘々で。そんな過ごし方では、達成できる目標も達成できないじゃないですか。その反省もあり、今年は「休みを作らない」「思い立ったら即行動」を心掛けるようにしています。

実際、今めちゃくちゃ忙しいんですけど、その分、充実もしています。そういう僕の覚悟を、今回の写真集や楽曲を通して読者の皆さんにも感じてもらえると嬉しいです。

※「週プレメンズchannel」でMVがちょっとだけ見られます。フルバージョンが気になる方は是非、デジタル写真集をチェック!

――やりたいことをやる。そのひとつが、今年4月に初開催された個展「怪奇」だったというわけですね。

岡野 そうですね。22点の絵を3、4ヶ月で描き上げたのですが、初めての個展で制作ペースが掴めず、準備期間はかなり追い込まれていました。最初に描いたのは、キービジュアルにも使った緑のヘルメットの絵。この1枚を完成させるのがとにかく大変でした。

この絵を起点にどんどんアイデアが生まれていきましたが、1枚1枚描いていては個展までに間に合わないと思い、終盤は3枚くらいの絵を同時進行で描いていました。それも苦労した点ですね。

舞台『ヒプノシスマイク』出演の岡野海斗が書き下ろし楽曲MV付きのデジタル写真集を発売!「今年の目標は『疲れない日を作らない』。音楽も絵も色々やってく覚悟です」

――このヘルメットの絵は確かに印象的でした。

岡野 「岡野海斗と言えばこの絵だよね」と言われるような作品をひとつ作りたくて描いた作品です。ヘルメットは思いつきで描いたアイテムですが、自分の頭の中にあるアイデアや、表現したいイメージを守りたいという意味もあります。というのも、18歳で芸能の世界に足を踏み入れて、最初はお仕事をもらえるだけでありがたく楽しかったのですが、続けていくうちに、本当にやりたいことは自分の中で大事に持っておかなきゃいけないと強く思うようになって。

――なるほど。先ほどの「疲れていないを作らない」という話に繋がるわけですね。

岡野 あの時、専門を辞めて芸能の道を選んだとはいえ、絵はずっとやりたかったこと。今このタイミングであれば形に出来そうだと思い、舞台「ヒプノシスマイク」でご一緒した後藤大くんのサポートもあって、実現させることが出来ました。

――「音楽ではポジティブな気持ちを表現することが多いけど、絵を通して、初めて自分のネガティブな部分を表に出した」と、密着中にお聞きした覚えがあります。

岡野 歌にネガティブな感情が乗っていると、聴いているほうも苦しくなっちゃうじゃないですか。今回の「skywalk」も、辛かった時期を振り返った歌詞はあるけど、結果的に明るい気持ちになれる楽曲に仕上げています。逆に絵は、作家の苦しみやもがきが見えたほうが皆さんに届く気がしたので、あえてネガティブな感情を出してみました。

――初の個展を経て、岡野さんの中で何か変化はありましたか?

岡野 改めて、もっと絵を頑張りたいと思うようになりました。専門学校に入った時はデザイナー志望だったので、ゆくゆくはデザイン会社を立ち上げて、絵を頼まれるような存在になっていきたいです。また11月にも個展を開く予定なので、今回見逃した方にも是非新作を見に来てもらいたいです。もちろん、音楽も変わらず頑張りますので、ライブにも来てください!

■岡野海斗は「国民の弟」!?

――今回、個展やライブなど岡野さんの活動に密着しながら撮影をさせていただいたわけですが、振り返ってみていかがですか?

岡野 確か、最初のお打ち合わせは個展の直前くらいでしたよね。まさか初めての個展の風景を写真集に残せるとは思っていなかったので嬉しかったです。原っぱや夜景が綺麗な屋上でも撮り下ろしをしていただきましたけど、自分でも見たことのないような表情をたくさん引き出していただきました。

そうそう、撮影中にカメラマンさんから「国民の弟だ」って言われたんですよ。そんなふうに言われたことは今までなかったけど、妙にしっくり来たというか。俺、そっちかもしれないなって(笑)。

――実際、お話しさせていただくと素直で純粋で、お調子者な面もあって。弟っぽいキャラクターがあるような気がします。

岡野 僕、妹が二人いて、リアルには長男なんですけどね。弟っぽいのかは分からないですが、撮影中はユニット活動をしていた頃=19歳頃の感覚に戻る瞬間が何度もありました。原っぱで裸足になって寝転がったり、シャボン玉に触れたり。ソロになってから良くも悪くも落ち着きを持つようになったので、少年を取り戻した感じがありました。

舞台『ヒプノシスマイク』出演の岡野海斗が書き下ろし楽曲MV付きのデジタル写真集を発売!「今年の目標は『疲れない日を作らない』。音楽も絵も色々やってく覚悟です」

――サウナでも撮影をさせていただきました。かなり身体が仕上がっていましたね。ファンの皆様もドキッとされたかと思います。

岡野 撮る5秒前までパンプアップしていましたから(笑)。と言いつつ、特別な体づくりは何もしていないですよ。デジタル写真集を出させていただいてから、事務所内でも「めっちゃ痩せた」って噂になっているらしいんですけど、もともと痩せ体質なだけです。

――個展密着時(4月)に比べると、顔周りもシュッとしたような気がします。

岡野 そう言われると確かに......。何度も現場に来て撮影していただいたので、時間の経過が見られるのも面白いですね。

――奥付けの写真も見てもらいたいですね。サウナ、原っぱ、屋上での撮影を終えた帰り際に撮影された私服姿。疲労感と壁の雰囲気が相まって、プール帰りの少年みたいで。

岡野 本当に帰り際に撮られた写真だったので、まさか使われるとは思いませんでした。やり切った感が出てますよね。疲れることが今年の目標だし、締めの1枚として完璧ですね(笑)。

――その写真は是非デジタル写真集で確認してもらいましょう。改めてお話を聞いて、いいタイミングでご一緒できて本当に良かったです。舞台俳優を入り口に岡野さんを知った方にも、色んな側面の魅力が伝わる一冊になれば幸いです。

岡野 8月26日に、代々木第一体育館で開催される「ACTORS LEAGUE 2025 in Dance」という大きなイベントに出演します。2.5次元俳優が集まりスポーツやゲームをするお祭りのようなイベントで、僕は昨年もダンス部門で参加させていただきました。舞台「ヒプノシスマイク」でご一緒した福澤侑くんがプロデューサーを務めていて、参加者のほとんどが「ヒプマイ」繋がりの顔見知りなんですよね。当日会場に来られない方もABEMAの配信で一緒に楽しんでいただけるので、少しでも僕のことが気になった方は、デジタル写真集『sparkle』もチェックしてみてください!

舞台『ヒプノシスマイク』出演の岡野海斗が書き下ろし楽曲MV付きのデジタル写真集を発売!「今年の目標は『疲れない日を作らない』。音楽も絵も色々やってく覚悟です」

●岡野海斗(おかの・かいと) 
2001年1月21日生まれ 埼玉県出身  
◯2019年に大型オーディション番組への参加をキッカケにデビュー。
ユニット活動を経て、現在はソロアーティスト「okano_skywalker」として音楽を軸に活動中。
舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(2022・2023)の阿久根燐童役やスーパー戦隊シリーズ『王様戦隊キングオージャー』(2023-2024)のウスバ役など俳優としても知られるほか、2025年4月には絵の個展を初開催するなど、その活動は多岐に渡る。
公式X【@Okano_skywalke】 
公式Instagram【@okano_skywalker】 
公式YouTube【@okano_skywalker8850】

取材・文/とり 撮影/まくらあさみ

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