『セフレと恋人の境界線』に出演している令和ロマン・くるまとラランド・サーヤ
Amazon MGMスタジオ製作の恋愛考察バラエティ『セフレと恋人の境界線』が、9月3日からPrime Videoで配信スタート!「曖昧な関係」をテーマに、実話をもとにした短編映画を今泉力哉監督(『愛がなんだ』『街の上で』ほか)と山中瑶子監督(『ナミビアの砂漠』ほか)が手掛け、それを観ながらYOU、千葉雄大、ラランド・サーヤ、令和ロマン・髙比良くるまがスタジオで本音トークを繰り広げる。
一般的な恋愛リアリティショーとはひと味違う、"フィクションとしてのリアル"が見どころのこの新番組。
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■リアルなディティールが面白い!
――タイトルからは少し過激な印象がありましたが、いわゆる"恋愛系コンテンツ"が苦手な人でも見られるようなライトな作りになっていて見やすかったです!
くるま 実話ベースの再現VTRを見ながらスタジオで話すっていう作りの番組はこれまでもあったと思っていて。
でも、そうした番組の多くは、そもそも"恋愛系コンテンツ"が好きな人だったり、恋愛経験が豊富な人が共感しながら見るように作られていて、逆に恋愛系が得意じゃない人にとってはハードルが高かったと思うんです。
でも今回は、実力のある映画監督や脚本家、俳優さんがタッグを組んでめちゃくちゃ綺麗な映像にしたことで、まず映像作品として楽しめる。
つまり、フィクションを楽しむ感覚でも入れるので、いわば"恋愛系コンテンツ"に裏門ができた感じなんだと思います。入口がいくつもあるから入りやすい、というか。
サーヤ ......上手だなあ、しゃべるの。
くるま これでご飯を食べてるからさ。
サーヤ 言葉がうまいね。
くるま つまり、入ってさえしまえば、恋愛って人間関係の話だから、誰もが普遍的に楽しめると思う。
サーヤ 本当に映像が綺麗で、美化した思い出を見ているみたいだったよね(笑)。恋愛の記憶って、都合よく良い場面だけを思い出すじゃん。まさにそんな感じで、頭の中で昔の恋愛の良いシーンを切り取られている感じが心地よかった。
くるま わかる。

1作目の「恋人になれたら」(監督:山中瑶子氏/脚本:今泉かおり氏、今泉力哉氏)では、主人公の田辺徒子(演:中田青渚氏)が偶然出会ったウェブデザイナーの松山聡(演:金子大地氏)に魅かれ始め、何度目かのデートの日に終電を逃したことで一夜を共に......。
サーヤ それこそ相方も恋愛するからさ、ニシダがこの映像に出てきてあいまいな関係で揺れてるのとか見てられないもん(笑)。
くるま ニシダだったら本当に見てられないだろうね。俳優陣もそうだけど、監督陣もすごかった。
実は僕、今泉力哉さんが好きすぎて、今泉さんの映画をテーマに漫才を作ったこともあるんです。本人には見せられないくらいツッコんでるんですけど(笑)。
今泉作品は、皆でツッコみながら見るのが一番面白いってずっと思っていたんですよ。それが今回、実際にできたのがうれしかったですね。
サーヤ たしかに、今泉作品って意見を交わしたくなる映画だもんね。
――番組では3つの短編映画が上映されました。もちろんストーリーも面白いのですが、主人公の友人の指をよく見たら結婚指輪がついていて「あ、意外と結婚してるんだ」とか、ディティールがいちいちリアルで面白かったですよね。
くるま 印象に残っているのは、中村ゆりさんが演じた恋愛よりも仕事や自分の時間を優先してきた女性が、部屋でリカバリーサンダルを履いてるっていう細かい演出。

2作目「結婚学入門」(監督:今泉力哉氏/脚本:今泉かおり氏、今泉力哉氏)の主人公は、人気雑誌の編集長として働く38歳の池上紗南(演:中村ゆり氏)。恋愛よりも仕事や自分の時間を優先し、寂しさは気楽な関係のセフレで解消...という充実した日々を送っていた紗南は、地元の結婚式で人気者の同級生だった竹林圭太(演:永岡佑氏)と再会する。
サーヤ あの高いやつね。
くるま そう。「え! 部屋の中でリカバリーサンダル履いてるんだけど!」みたいな(笑)。それ以外にも散りばめられているリアルな美術がずっと気になっちゃって。
恋愛系ドラマや映画って部屋でのシーンが多いじゃないですか。そのときに家具とか置物のリアリティがないとイヤなんですよ。
サーヤ わかる~。
くるま モテ男設定だからって過剰に観葉植物を置いてたりね。でも今回は、どの家も「ちょうどそういうやつの家!」って感じだった。
サーヤ それこそ山本美月さんと芳村宗治郎さんが洗面所でふたり並んで歯磨きするシーンとかね。「この狭さでやるよな~!」って思った(笑)。

3作目「特別な人」(監督・脚本:今泉力哉氏)では、主人公の川端智子(演:山下美月氏)と大学時代の後輩の藤原一樹(演:芳村宗治郎氏)の、「セックスもする友達」のような曖昧な関係が描かれる
くるま 無駄にデカすぎなかったし、おしゃれすぎなかったのがよかったよね。
サーヤ そう。めっちゃリアルだった。洗面所で、ふたりで寝る準備とかしなくちゃいけないときのあの空気感。「この狭さ、めっちゃあるあるじゃん!」って思った。
くるま ベッドもちっちゃいんだよね。
サーヤ 人物設定の財力的にもあってるもんな。
――3つの中で、おふたりが特に印象的だと感じた作品はどれですか?
くるま 結局3作目かな~。
サーヤ 私もそうかも。
くるま 1作目はなんとなくチュートリアル的な作品で「はいはい。
2作目は「はいはい。逆にこういう答えを出すパターンもあるよね」ってちょっと裏切られる感じ。
で、ここまで見てるからどんな展開でも驚かないと思ったのに、3作目がとんでもない変化球で。「な、何が起きた!?」って本気で思った。あのエンディングは永遠に語れるよね。
サーヤ 私も、1作目で「すっごい既視感......」って過去を振り返って、2作目は結婚観の話だから「うわ、自分もこうなりかねない......」って自分の未来を想像して、3作目はもう、パラレルワールドみたいだった(笑)。自分の最悪のシナリオを見せられたみたいな。
くるま でも、現実にあるんだよな、こういう恋愛も......。
サーヤ どこかの分岐点で違う選択をしてたら3作目みたいなこともありえたんだよな。三者三様でよかったけど、特に3作目は難解で面白かったです。

令和ロマン・髙比良くるまとラランド・サーヤ
■「YOUさんが"恋愛のダンブルドア"みたいだった」
――俳優陣の演技力もすごかったですよね。
サーヤ もはや演技じゃなかったよね、皆。
くるま 芳村(宗治郎)君のキスシーンとか、ちゃんと緊張したもん。
サーヤ 私も。
くるま ちょっとずつ近づいていって......。
サーヤ なんか知り合いのキス見てるみたいだった(笑)。
くるま 目を背けそうになるくらい、すっごい恥ずかしくなっちゃった。

3作目「特別な人」(監督・脚本:今泉力哉氏)
――中でも印象的だった登場人物は?
くるま 俺は2作目の永岡佑さんが演じた圭太。中村ゆりさん演じる紗南と、地元の結婚式で久しぶりにあって、結婚前提にお付き合いするけど、紗南が長年の一人暮らしで築き上げてきたルーティーンを徐々に崩していく......っていう。
悪気のない圭太に感情移入しちゃって、もうマジで「あ~、俺ぜったいこうならないように気を付けよ~!」って思わされました。
サーヤ たしかに。健気なところと、でも空回っちゃう感じがね。
くるま サーヤもYOUさんも千葉雄大さんも皆、(紗南の)セフレの達也(前原滉)になびく中、俺は最後まで圭太を応援してた。本当に頑張ってほしかった。
サーヤ 3人で「圭太、ないわ~」とか言ってた(笑)。

2作目「結婚学入門」の竹林圭太(演:永岡佑氏)
くるま 圭太も、何かを隠してるんだと思う。本当は何かがあるんだよ、きっと。
サーヤ 役者の皆さんの演技力がすごすぎて、こうして画面外の部分まで想像しちゃうんですよね。「圭太みたいないい人がこの年齢まで結婚せずに残ってるってことは......?」とか(笑)。
くるま 圭太は自分をもうちょっと出せるような年下と付き合ったほうが絶対にいいよね......とか、見てからしばらく経ってるのにまだ言えるんだよ。すごすぎるだろ、あの作品。
サーヤ まだ言える! 圭太は年の差婚だな......。
くるま そうそう、それでいいんだよ......。
――先ほど名前が出ましたが、YOUさんや千葉雄大さんの恋愛観も面白くて、スタジオトークも見どころでした。
サーヤ 本当、4人で飲みに行きたかったもん。ちょうどない組み合わせだったよね。
くるま ない。こんな組み合わせ、思いつかなかった。YOUさんはやっぱりすごかったよね。
サーヤ YOUさんはもう本当に全部を知ってる全知全能って感じ。
くるま なんか、"恋愛のダンブルドア"みたいだった。

スタジオMCのYOU、髙比良くるま(令和ロマン)、サーヤ(ラランド)、千葉雄大が短編映画を観ながら本音&赤裸々トークを繰り広げる
――YOUさんによる「映画を見るのも、セックスをするのも、結婚をするのも別々の男性がいい」という名言も出てました。
サーヤ どんだけ何周したんだよって思わない?
くるま もう何を言ってもよくなっちゃってる。そんなのタレントとして無敵だもんな。
サーヤ 楽しそうだもん、生き方が。
くるま それに引っ張られて千葉雄大さんも恋愛観を出してて、すごくドキッとしたよね。
サーヤ 千葉さんもすごくよかった。大人だった。
くるま ほかの3人がキャッキャしてるから、千葉さんが最後に地に足のついたコメントで締めてくれてね。仕切るべきは私だったんだけど......それをやっていただいちゃった。
サーヤ 前のめりになってる3人を、後ろからリードで引いてる多頭飼いの人みたいだった(笑)。
くるま でも、そんな4人に共通点があるとしたら、4人とも山ほど恋愛相談を受けてきたんだろうなって思う。
本当に悩んでる友達の話を「そっかそっか、それぞれあるよね」って聞く能力に長けてたと思う。その延長がスタジオトークだったんだと思います。
■恋愛におけるお笑いの弊害
――スタジオトークの中で、サーヤさんが「パートナーに指摘したいことがあっても、ちょけてお笑いにしてしまう」と発言されて、それに対してくるまさんが「お笑いの弊害だよね」と言っていました。
くるま 特に男同士って真剣な話をするってなると照れちゃうし、ピリつくのは違うしって思ってついついボケちゃうんですよね。
サーヤ 私もこの癖は抜けないですね。ちょけて終わらせちゃう。
くるま あなた本当にそう言うよね。
サーヤ そんで最後めっちゃ怒られる。
くるま 怒られるの?
サーヤ そう。ニュアンスで伝え続けちゃって、最後に「どういうこと? なんで別れるの?」って向こうから言われる。向こうからしたら急なんだと思う。「なんで言ってくれなかったの?」って。
怒るのがけっこう負担だから怒らないんだけど、今作を見て、言葉にしたほうがいいって本当に思いました。
くるま それこそ、中村ゆりさんが演じた紗南が「なかなか相手に伝えられない人」だったもんね。
サーヤ すごい気持ちわかったもん。
くるま 僕は割と伝える側なんですけど、本来お笑いって空気を和ませるためのものじゃないですか。
例えばビジネスシーンでも、堅苦しい会議の前後とかで少し冗談を言って空気を和ませたりとか。
だから、恋人ともまず真面目な話をして、「ちょっとピリつきすぎたかな」ってなったときに使うべきなのに、最初からお笑いのカードを切っちゃうから救えないんですよね。
サーヤ そういうことか......。
くるま 可能な限り普通にしゃべるのは頑張ったほうがいいですよね。
サーヤ あー......。
くるま お笑いは「この空気、やべ」ってなってからなんとかするために使うもの、というか。
サーヤ あー......おまえ刺しにくんなよ......痛え......。
くるま あなたさ、それだけネタを作ってるんだからさ、頭使えるわけじゃん。
サーヤ やめて......痛いよ......。

恋愛におけるお笑いの弊害を語る髙比良くるまとサーヤ
くるま とはいえ、このように僕は言いすぎちゃうことも多いから、それはやめたほうがいいですね。
話し合っているかと思ったら、「あれ、俺しかしゃべってないな」ってなるので。伝えればいいってわけじゃないから難しい。
サーヤ チューニングしなくちゃね(笑)。
――最後に、この作品をどういう人に見てもらいたいですか?
サーヤ 皆、恋人と見てリトマス紙にしてほしい。一緒に見れば価値観が一発でわかりますから。
直接には伝えずとも、「これ最高!」とか「今の最低!」とか反応すれば本人に婉曲的に伝えられるから。
くるま それいいね。まあ、それでもピリつきそうになったら僕が行きますよ。
サーヤ え、どこに?
くるま 一緒に見ているその部屋に。「えー、それぞれ意見があるようですが......」って。
サーヤ 裏回ししてくれるんだ(笑)。

Prime Videoが贈る新時代の恋愛考察バラエティ 『セフレと恋人の境界線』
■『セフレと恋人の境界線』
出演:YOU 髙比良くるま(令和ロマン) サーヤ(ラランド) 千葉雄大
中田青渚 金子大地 (「恋人になれたら」)
中村ゆり 永岡佑 前原滉 (「結婚学入門」)
山下美月 芳村宗治郎 (「特別な人」)
監督:今泉力哉 山中瑶子
脚本:今泉かおり 今泉力哉
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#セフ恋 #恋のギリギリ語っちゃえ
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撮影/佐々木 里菜