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ウーバーイーツ配達中に出くわした動物たちとのほっこりしないエピソード最新版を紹介します

連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第118回

ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

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以前「ウーバーイーツ配達員にとっての難敵? 動物たちとのほっこりしないエピソード」で、配達中に遭遇した動物とのエピソードを書かせていただきました。

そこでは犬と猫とのエピソードを紹介したのですが、最近は都心部で配達をしていても犬猫以外の動物と遭遇することが増えました。

というわけで今回は、動物たちとのほっこりしない話の最新版を紹介したいと思います。

東京都台東区。浅草寺の北側にあるエリアには、NHK大河ドラマ『べらぼう』でも取り上げられた歓楽街の吉原があり、その先は格安で宿泊できると海外の観光客から人気の簡易宿泊所が多く立ち並ぶ地域です。このあたりは飲食店が少ないため、上野や浅草を通ると吉原方面への依頼がかなりの頻度で入ってきます。

ここで夜になると見かけるのがハクビシン。近くに大きな公園はないのですが、お寺や神社が多いので、おそらくそこを棲み家としているのでしょう。遭遇したとしても基本逃げていくので、見つけた瞬間急ブレーキをかけて自転車が転倒してしまう、といった被害はないのですが、猫のようで猫とは違うあの姿は、見かけると一瞬ビクッとなってしまいます。ちなみにこのエリアには地域猫が多いようで、午前中に配達で通ると、開店準備をしているボーイの方が猫をなでている姿をよく見かけます。

東京都文京区。ここには小石川植物園という江戸時代に開園した歴史ある巨大な植物園があるのですが、さまざまな野生動物たちが住み着いているようで、夜に自転車で植物園の周りを走っていると、先ほど紹介したハクビシンだけではなく、タヌキの姿もよく見かけます。

タヌキもハクビシン同様、こちらの姿を見たら逃げるので、見つけた瞬間に一瞬
ビックリする程度の被害しかないのですが、体毛がボサボサなので、病気の猫が現れたのかと思って驚いてしまいます。

夜の小石川植物園周辺でもうひとつ怖いのが、フクロウの鳴き声。

道路に明かりはついているのですが、暗闇のどこかわからない場所から「ホー、ホー」という鳴き声が聞こえるのは心地のいいものではありません。

ハクビシン、タヌキ、フクロウは向こうから攻撃してくることがないので、過剰にビビらなければ被害はありません。ですが、こちらが警戒しなければならないのが昼間のトビです。

最近は3件同時配達やピック・パック・ペイの配達が増えたことで、リュックの中の商品を一度整理し直してから運ぶケースが増えました。店の前の歩道や人の多い場所でその作業をすると邪魔になるので、私はその作業を人通りの少ない場所で行なっています。

そんな作業を湾岸エリアのある場所で行なっていた時のこと、ふと上を見上げるとトビが私の頭上を旋回していました。そしてリュックの中にはピック・パック・ペイの依頼で私が袋詰めした鶏もも肉が。とっさにリュックのフタを閉じ、別の場所でリュックの中の整理をしたので事なきを得ましたが、昔、江ノ島でホットドッグを持っていかれそうになった経験があるのでゾッとしました。

配達後にゾッとしたのは川沿いにあるマンションの置き配。

川に面した部分に各フロアの通路があるものの壁はない、外と繋がっている構造のマンションで置き配の依頼があったときのこと。通路を通って指定された部屋の前に行き、扉の近くに商品を置いて、商品を置いた旨を伝える連絡をして、通路を使ってエレベーターへと向かうと、通路にある手すりの部分にカモメがとまっていました。置き配を指示したのは注文された方なので、カモメにやられてもこちらの責任はないと思いましたが、念の為、手で追っ払っておきました。

都心部以外では、八王子で配達中にイノシシに遭遇したこともありますが、今のところ、運んでいる料理が動物たちにやられた被害はありません。東京を中心とした自転車配達でこれだけ動物に出くわしているので、各地のバイク配達員、軽自動車配達員はもっとたくさんの動物に遭遇し、中には配達中の料理がやられた人もいるかもしれません。

配達員の皆さん、くれぐれも動物たちには気をつけて!

文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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