空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはつい...の画像はこちら >>

市場規模は1138億円に到達、新商品は年間200~300種類! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!

コンビニでどんどん拡大しているグミの棚。年間200から300種類の新商品が出ているというから驚きだ! このブームに乗っかるべく、オススメ商品やランキング、年表などであらためて"グミ"の知識を広げてみよう!

■今のグミバブルはいつから始まった!?

コンビニでつい手に取ってしまうグミ。市場規模は1138億円に達し、今年の上半期には初めてアメの販売金額を抜いた。

なぜこんなにも、グミの人気が高まっているのか。

一大ムーブメントを起こすグミの最新事情について、日本グミ協会会長のあいうえお氏に話を聞いてみた!

――最近は年間200~300種類の新商品が発売されるそうですが、特に今月は多くの新作が出たそうですね?

「9月3日はグミ市場が最も沸き立つ『グミの日』だったので、8月最終週だけで15種類以上の新商品が出てフィーバー状態でした。とはいえ、グミは基本的に1商品の販売量が少数で、昨今のブームにより入れ替わりも激しいので、発売してすぐに消えてしまう幻のようなグミも少なくありません」

――過去最大級の盛り上がりを見せる市場ですが、今のブームのきっかけは?

「2020年頃、コロナ禍のおうち時間で流行したASMR動画(映像と音で視聴者の感覚を刺激する動画)と、色鮮やかでモチモチ食感の『地球グミ』との相性が良く、爆発的な〝バズ〟が生まれたことが今のブームのきっかけとなりました。

22年には『水グミ』がヒットし、グミの市場規模が急拡大。その後、空気のようにふわふわの『空気グミ』や、存在しない果物をグミ化した『空想果実』など、味がまったく想像できないグミが次々と登場しました。

そして、24年頃からは『シャリッ』『モニッ』など、パッケージに擬音を用い、〝新食感〟の触れ込みでヒキをつくるグミが増えてきました。企業はあの手この手で消費者の心を刺激しながら、この歴史的なグミブームの火を絶やさないよう努力しています」

空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!

――多様な商品が生み出されていますが、人気のものは?

「安定的な人気を誇るのはハード食感のグミです。今から100年以上前に、世界初のグミ『ハリボー』がドイツで誕生しました。ハリボーは子供の噛む力を育てる目的で作られたお菓子なので、ハード食感だったんです。

こうした歴史の長さもあってか、今でもハードグミを好む人が多い傾向にあります。23年に発売された超ハードな『忍者めし 鉄の鎧』は発売後あっという間に全国のコンビニから姿を消すほどのヒット商品となりました。

かなり硬いグミが分厚い糖衣に覆われていて、とにかく歯応えがすごい。

糖衣特有のパリッとした爽快感のある食感も多くの人に好まれています」

空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!
「忍者めし 鉄の鎧」(UHA味覚糖)172円 2023年の発売後、全国のコンビニからあっという間に消えた人気商品

「忍者めし 鉄の鎧」(UHA味覚糖)172円 2023年の発売後、全国のコンビニからあっという間に消えた人気商品

――ほかにはどんなハードグミがオススメでしょう?

「『ペタグーグミ』は人気がありますね。グミはゼラチンが多いほど硬くなるのですが、その分味が薄くなってしまう。でも、ペタグーはしっかり硬いのに味が濃厚なんです。噛むほどにジューシーな味わいが口中に広がります」

――逆に、ソフトタイプのグミでオススメは?

「『モッチュ』という柔らかさにこだわったグミがあります。最近は中にジュレを入れることで柔らかさを出すグミが多いのですが、モッチュはジュレを使わず、葛餅などの『くず』を原料に使用してグミ自体を柔らかくしています。和菓子のような上品さを感じられるグミですね」

空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!
「モッチュ」(UHA味覚糖)154円 吉野本葛を原料に使用して和菓子のような柔らか食感が味わえる

「モッチュ」(UHA味覚糖)154円 吉野本葛を原料に使用して和菓子のような柔らか食感が味わえる

――ほかにも、珍しい材料を使っているグミがあれば教えてください。

「イチ押しはグミをチョコレートでコーティングしている『グミっちょ』です。チョコをまとったグミはほかにもあるのですが、この商品は中のグミが『ニッポンエールグミ』なんです。

『ニッポンエールグミ』とはJA全農が手がけるグミで、全国47都道府県の名産果物が使われています。傷がついているなど一般流通には向かない果物が用いられており、サステナブルでもあります。

でも果物自体はとても高品質なので、果汁の味が濃く、チョコの甘さに負けていない。まるでスイーツのようなグミです」

――昔ながらの定番グミではどれが人気でしょうか?

「昨年30周年を迎えた『つぶグミ』は、今でも多くの人から愛されています。

中でも『つぶグミPREMIUM』は果汁が2回添加されており、濃厚な果実感があります。『つぶグミPREMIUM濃厚ぶどう』は3種類のブドウ品種を使ったアソートになっており、味わいの違いを楽しめますよ」

空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!
「つぶグミPREMIUM 濃厚ぶどう」(春日井製菓)213円 昨年30周年を迎えたロングセラーのプレミアム版。果汁が多く使用されている

「つぶグミPREMIUM 濃厚ぶどう」(春日井製菓)213円 昨年30周年を迎えたロングセラーのプレミアム版。果汁が多く使用されている

――男性が食べても恥ずかしくないグミはありますか?

「『タフグミ』は真っ黒のカッコいいパッケージなので、年代性別問わず手に取りやすいと思います。『集中したい時に食べたいグミブランドNo1』(日本マーケティングリサーチ機構による調査)に選ばれており、仕事中にも良さそうです。

でも、男性がかわいいグミを食べているのは、むしろ好印象だと思います。私個人としては、堂々と好きなグミを楽しんでいただきたいなと思います」

■1000円以上の高級グミも登場

――手軽なおやつとして親しまれているグミですが、最近は高級グミも続々と登場しているそうですね?

「コンビニによく売っている『コロロ』の高級版で『cororo』という商品があります。大阪の阪急うめだ本店のショップかオンラインショップでしか買えないものです。通常のコロロよりもひと回り大きく、中に果肉や粒ゼリーが入っているという贅沢感。8粒入りで1箱648円。個包装になっているので手土産にもぴったりです。

また、スペイン発のキャンディメーカー『PAPABUBBLE(パパブブレ)』が販売する『パブレッツ』も高級グミとして人気。ひと粒が大きく、1箱9粒入りで1400円とかなり高価格帯のグミになります」

空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!
「パブレッツ」9個入り(PAPABUBBLE)1400円 スペイン発のキャンディメーカーが手がける高級グミ

「パブレッツ」9個入り(PAPABUBBLE)1400円 スペイン発のキャンディメーカーが手がける高級グミ

――プレゼントや手土産に適したグミもあるんですか?

「東京駅などにあるカンロの直営店『ヒトツブカンロ』で売られている『グミッツェル』は、若い人へのお土産に最高です。

焼き菓子のプレッツェルのような形で、カラフルな色合いが特徴的なグミ。

地球グミと同様にASMR動画で話題となり、売れすぎてなかなか買えないという話題性も相まってバズり続けています。

女性へのプレゼントには、バラをモチーフにしたチョコレートブランド『メサージュ・ド・ローズ』が作っている『ビジュ・ド・ローズ』がオススメ。グミが花の形になっており、ブーケや宝石のようにラッピングされています。オンラインのほか、大丸東京店などの店舗でも購入可能ですよ」

空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!
「グミッツェルBOX」12個セット(ヒトツブカンロ)2000円 東京駅や原宿、オンラインショップで購入可能。こちらの商品はオンライン限定

「グミッツェルBOX」12個セット(ヒトツブカンロ)2000円 東京駅や原宿、オンラインショップで購入可能。こちらの商品はオンライン限定

空前の「グミ」バブルをキミも噛み締めろ! 今年上半期にはついにアメの販売金額を抜いた!
「ビジュ・ド・ローズ」6本ブーケ(メサージュ・ド・ローズ)2779円 大丸東京店やオンラインで購入可能。本数は1本から選べる

「ビジュ・ド・ローズ」6本ブーケ(メサージュ・ド・ローズ)2779円 大丸東京店やオンラインで購入可能。本数は1本から選べる

――進化が止まらないグミ市場。今後はどんなグミがトレンドになりそうですか?

「シャリシャリ食感のグミは、これからさらに人気ジャンルになりそうです。実はグミのパッケージに最も多用されている擬音が『シャリシャリ』なのです。

グミは『モチモチ』のイメージが強いので、グミの食感からかけ離れているシャリシャリという言葉に興味を引かれるのでしょう。

また、ひと口にシャリシャリといっても、ザラメ、糖衣、グミの中にシャリシャリの何かが入っているなど、バリエーションはさまざま。私たちの想像を超えるグミがどんどん出てくることに期待したいです」

たかがコンビニ菓子と侮らず、手に取ってみては!?

*コンビニ販売のグミはすべて週プレ調べの実勢価格です

取材・文/渡辺ありさ

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