漫画家・小田原ドラゴンが語る「『堀田エボリューション』の登場...の画像はこちら >>

小田原ドラゴン(おだわら・どらごん) 1970年、兵庫県生まれ。『僕はスノーボードに行きたいのか?』でヤンマガ月間新人漫画賞奨励賞を受賞。
『コギャル寿司』で第47回文藝春秋漫画賞受賞。代表作に『おやすみなさい。』、『チェリーナイツ』、『3本足のちょんぴー』、『今夜は車内でおやすみなさい。』など。週刊SPA!で漫画『今日も嫁が見つからない。』連載中
2024年9月、集英社「週プレNEWS」でスタートした小田原ドラゴン渾身の新作漫画『堀田エボリューション』。フィクション作品としては実に9年ぶりの新作となります。では、この奇才・小田原ドラゴンは、どのような道のりを経て『堀田エボリューション』にたどり着いたのか――。その裏側をじっくり語っていきます。

連載第21回は『堀田エボリューション』の舞台裏です。

*  *  *

拙作『堀田エボリューション』(YJCレーベル/集英社)の第1巻が、10月17日よりデジタルコミック(電子書籍)限定で発売されます。2024年9月から『週プレNEWS』で連載がスタートした本作は、僕にとって約9年ぶりとなる完全オリジナルのフィクション作品です。

今回初公開した第1巻の表紙は描き下ろしです。だからこそ、できれば紙のコミックで読者の皆さんに手に取ってもらいたいという強い思いがあります。デジタルだと、せっかく描いた表紙がちょっと薄れてしまうんですよね。担当編集者とも話をしていますが、この第1巻をしっかり売って、紙版の刊行につなげたい――それが今の僕の正直な気持ちですね。実際の話。

漫画家・小田原ドラゴンが語る「『堀田エボリューション』の登場人物」【連載第21回】
こちら本邦初公開! 10月17日発売の『堀田エボリューション』(YJCレーベル/集英社)第1巻の表紙。小田原ドラゴン渾身の描きおろしです。価格752円(税込み)

こちら本邦初公開! 10月17日発売の『堀田エボリューション』(YJCレーベル/集英社)第1巻の表紙。小田原ドラゴン渾身の描きおろしです。価格752円(税込み)
さて、発売記念ということで、少し作品の中身にも触れてみましょう。

最近、ランボルギーニ佐々木というキャラが妙に人気なんです。とはいえ、サブキャラの方が人気を集めるのは、漫画界では"あるある"です。サブキャラって、設定や背景を盛り込みやすいぶん、読者の心に刺さりやすいんですよね。佐々木も、まさにその典型的なパターンにハマっている感じです。

一方で、主人公の堀田正一は、連載開始時の印象から大きく変化していて、僕の中では非常に自然でリアルな進化を遂げていると思っています。よくある"飛び級"のような急成長ではなく、じわじわと地に足のついた成長を一貫して描いています。物語の中で、堀田が"ズル"をしないように、安易な展開や"太いカード"は使わないようにしています。

そして、読者の間でも話題沸騰なのが女性キャラ・マユ。彼女は物語の鍵を握る存在で、ヒロイン的な立ち位置で描いています。モブキャラのように消えていく存在ではなく、大きな意味を持つ人物です。彼女の登場シーンも、後々効いてくるように設計しています。

ちなみに、「格闘技漫画になったのか?」という声もチラホラ聞こえてきますが(笑)、僕自身は『堀田エボリューション』を格闘技漫画にしたつもりはまったくありません。格闘技は、物語を前に進めるための"ツール"のひとつであって、作品の本質ではないですね。

ともあれ、デジタルコミックという形になることで、物語の流れや意図がより伝わりやすくなると思います。僕は読者の皆さんが連続して読んでくれることを前提に構成しているので、そこもぜひ注目してほしいポイントですね。

まだ詳しくは言えませんが、この第1巻を起点に、いろいろな展開が始まります。

続報を楽しみにしていてください!

《つづく》

漫画家・小田原ドラゴンが語る「『堀田エボリューション』の登場人物」【連載第21回】
小田原ドラゴン『堀田エボリューション』(集英社)は毎月第2/第4土曜日に更新

小田原ドラゴン『堀田エボリューション』(集英社)は毎月第2/第4土曜日に更新

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