日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。 シリーズ初、あの"プレデター"が主人公の完全なる新章!* * *
『プレデター:バッドランド』評点:★3.5点(5点満点)
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プレデターとアンドロイドが切り開く映画の新時代?

『プレデター』シリーズが始まったのは1987年のことで、つまりもう38年間続いていることになる。

彼らの活躍あるいは狩猟の場もジャングルに始まり、大都会、古代地球、南極、ロッキー山脈、17世紀アメリカの大平原と多岐に渡るが、(アニメ版は別として)今回は初となる異星が舞台。

そこがとんでもなく凶悪な惑星だというところがまず面白い。その星の生態系は動物も植物もすべて凶暴な捕食者=プレデターなのである。本作ではそんなところに放り込まれた若きプレデターが、故障し上半身だけになった地球産のアンドロイドとタッグを組んで必死のサバイバルを繰り広げる。

透明化するなど、これまでのプレデターを特徴づけていたハイテク機器は諸事情で使えず、身近にあるものを工夫して使うしかないという縛りも秘境でのサバイバルを盛り上げる仕掛けとしてうまく機能している。

苛酷な環境で試練に次ぐ試練を乗り越える若者の姿は、プレデターであっても心打たれるものがある。というか、本作で「心打たれる」友情や成長はすべてプレデターとアンドロイドによってもたらされるので、ひょっとして映画もついに人間中心主義を脱して新時代に突入したのかもしれない。

STORY:掟を破り、生存不可能とされる最悪の地「バッドランド」に追放された若きプレデター・デク。その旅路の中、謎のアンドロイドの少女と出会い、共に助け合いながら生き残りをかけた過酷なサバイバルを繰り広げることになる

監督:ダン・トラクテンバーグ
出演:エル・ファニングほか
上映時間:107分

全国公開中

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