大谷翔平選手に次ぐMVP得票2位、シュワーバー選手の「面白い...の画像はこちら >>

MLBナ・リーグMVP得票2位、シュワーバーについて語った山本キャスター

ドジャースの大谷翔平選手が、3年連続4回目のMVPに輝いたニュースは日本中を駆け巡りました。ナ・リーグのMVPが発表されると同時に、2位のシュワーバー選手に160ポイントもの差をつけたということも話題になりましたね。

MVPは格式と実績のある記者による投票方式で、1、2、3位をそれぞれ書いて投票します(1位に14ポイント、2位9ポイント、3位以下は1ポイントずつ減っていく)。満票でのMVPだったので、投票の権利を持つ全員が、1位に大谷選手を記名したということです。

さて、2位のシュワーバー選手ですが、今年の彼は本当にすごかった。"ザ・ホームランバッター"という雰囲気がある選手で、打率は.240ながら56本塁打を記録。2023年には、単打よりホームランの数のほうが多いという珍記録も残しています。

ホームランも打つけど、三振も多い。そういうタイプの選手は多くいますが、シュワーバー選手の面白さは、三振数がリーグ2位ながら四球数がリーグ3位という点です。

メジャーリーグの統計データが見られるサイト「FanGraphs」(https://www.fangraphs.com/)で、2023年から3年間のO-swing%(ボール球を振る確率)とZ-Swing%(ストライクを振る確率)を確認すると、以下のようになります。

O-swing% 2023年:22.6%、2024年:20.7%、2025年:21.9%
Z-Swing% 2023年:53.5%、2024年:59.2%、2025年:62.0%

いずれも平均よりかなり低い打者です。特に2023年シーズンのZ-Swingsはリーグでも下から数えたほうが早い数字を記録しています。つまり、ボール球も見送るけど、ストライクゾーンにきても簡単にはバットを振らないということ。得意な球だけを待ち構えて、ひと振りでスタンドに放り込む。

それがシュワーバー選手の打撃の真髄なのです。

では、シュワーバー選手の得意な球とは何なのか。MLB公式サイトは、2025年のシュワーバー選手が成功を収めた理由のひとつとして、以下のように指摘しています。

「2025年の成功を端的に表すなら『真ん中の球を徹底的に叩いた』ことだ。ストライクゾーン中央(いわゆる"ど真ん中")に来た球に対して、長打率.901という驚異的な数字を記録。これはキャリア最高であり、規定100打席以上の打者ではアーロン・ジャッジ、ニック・カーツに次いでメジャー3位だった。56本塁打のうち実に44本が、ストライクゾーン中央の球を捉えたものだった」

大谷翔平選手に次ぐMVP得票2位、シュワーバー選手の「面白い」数字【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第193回
野球ロスで寂しいですが、ストーブリーグにも注目ですね

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相手バッテリーもそれがわかっているからこそ、ギリギリのコースを攻めて、結果的に四球が多くなっているのでしょう。相手からしたらとてもやっかいな選手なのです。

今年は2番に入ることが多かったですが、昨季は1番に入ることが多かったので、より脅威だったでしょうね。塁には出したくないけど、真ん中付近に投げてしまったら打たれる。でも、際どい球を投げてもなかなか振らない......。

アメリカでもとても人気のあるシュワーバー選手ですが、そんな彼がキャリアハイとなる56本塁打を打っても、MVPの投票では大谷選手に大きな差をつけられました。

大谷選手には"二刀流"という武器もありますから、大谷選手が活躍する限り、他の選手がMVPを獲るのは至難の業と言えそうです。

ちなみに、今年の日本のプロ野球で最もO-swing%が低かったのは、我がヤクルトの内山壮真選手でした(19.03%)。内山選手も、いつかはシュワーバー選手のような存在になってくれると信じています。

大谷選手はプレーはもちろん、老若男女に幅広く愛されていることもすごいですよね。

先日、とある介護施設に行くことがあったのですが、施設のいたるところに、大谷選手の写真やユニフォームが飾ってあることに驚きました。メジャーの試合は、日本時間だと午前中に行なわれることが多く、みなさんで応援するのだとか。みなさんにとって、大谷選手は孫のような存在で、みなさんの元気の源になっているそうです。

世界に羽ばたいたことによって、逆に幅広い世代の日本人が、大谷選手のプレーを生中継で見られるようになった。その活躍はとどまるところを知りません。伝説はまだまだ続きそうですね。

それでは、また来週。

大谷翔平選手に次ぐMVP得票2位、シュワーバー選手の「面白い」数字【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第193回

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

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