ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。
それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。
そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。
* * *
松屋フーズが運営するとんかつ専門店「松のや」。先日、地元の松のやの前を通りかかったところ、店頭モニターでプッシュされていたあるメニューが気になった。それが提供店舗限定メニューらしき「超厚切りロースカツ定食」。
「とにかくでっかいロースがいい」らしい
とんかつは大好物だが、僕は基本的にいつでもちびちびとしたつまみで飲んでいたいタイプの酒飲み。「とんかつ定食を食べにいこう!」というモードになる日があまりなく、ゆえにこの店にも入ったことがなかった。
が、メニューの「超厚切り」という文字と写真がどうにも魅力的だ。どうやら肉の大きさが通常のロースカツと比べて約2倍もあるらしい。でかい豚肉は正義だ。その定食が税込1,030円。いちばんシンプルな「ロースかつ定食」が690円なことを考えても、かなりお得なんじゃないだろうか。気になった以上、一度食べてみないわけにはいかない。
超厚切りロースカツメニュー
入店してメニューを見ると、超厚切りロースカツ定食には「鬼おろし」と「味噌」の味バリエーション、サイド変更や追加などの組み合わせがいくつかある。みそ汁を豚汁に変更して1,130円、さらにから揚げを3個追加して1,390円は、やっぱりかなりリーズナブルだ。
しかしながら今回は、なるべく純粋に味わいたいので、いちばんオーソドックスな定食で。そこにスーパードライの「生ジョッキ缶」(290円)を加えて注文完了。
「超厚切りロースカツ定食」
しばし待っていると、揚げたてのロースカツ定食が完成。あらためて眺めてみても、これでトータル1,320円とは、現代日本の企業努力におそれいる。
いただきます
まずは心を落ち着けるため、ビールをぷしゅりと開けてひと口。しばらくぶりに飲んだけど、ジョッキ缶のクリーミーな泡、いいな。
これが超厚切り
さて、かつ。超厚切りをうたうだけあって、かなりの迫力がある。勘違いしないでおきたいポイント、というか実際に目の前にして気づいたのは、別にとんかつの厚みがきっちり2倍縦に長いというわけではないこと。
卓上の調味料たち
もうひとつの嬉しいのが、卓上の豊富な調味料たち。巷で"ミスター味変っ子"と呼ばれている(と自分だけが思い込んでいる)僕的には、とてもテンションの上がる光景だ。さっそく全部で6切れあるとんかつのうちの、左から1、2、3に、順に醤油、中濃ソース、特製ソースをかける。いただきます!
3種の味を順番に
まずは醤油からがぶり。ざくざくとハードな衣の食感が心地いい。続いて、柔らかくも適度な食感もある豚肉が登場。くさみなどはまったくなく、ただ豚の良い香りと旨味が広がるうまい肉だ。それが口いっぱいにある幸福度。かつのサイズが大きいので、醤油はもっとかけてもよかったかもしれない。しばし堪能し、幸せな余韻をつまみにビールをぐびり。
ここからはもう、己のとんかつ欲にただ猛烈に従うのみ。おなじみの中濃ソースは、華やかな甘酸っぱさが有無を言わさず合う。ここで白米。う~ん、気絶するほど合うな。特製ソースはどうだろう? なるほど、かなりフルーティー&スパイシーで、しっかりとオリジナルらしい特徴がある。これも合うな~。ひたすら合う。しばらく無心で、とんかつ、米、合間のキャベツとひたすらに食べすすめてゆく。
驚いたのは、僕がそんなに大食いではないこともあるけれど、この3切れでかなりとんかつ欲が満たされてしまったことだ。さすが超特大。看板に偽りなしだ。松のや、信用できる。
ところが目の前には、まだ巨大かつが2切れも残っている。これは幸せな状況だ。そこでふたたび、どちらも甲乙つけがたかった中濃とオリジナルソースをそれぞれにかける。ところで、僕は基本的に、さまざまな食事シーンのどんな場合においても「和がらし」がなくて困るということはないタイプの人間だ。つまり、そこまで思い入れがない。しかし世の多くの方はとんかつにからしをつけて食べるらしいと聞いたことがある。だからこそ卓上にその小袋が大量に用意してあるんだろうし。よし、戯れに試してみるか。別に嫌いというわけでもないし。
ラスト2切れ
ふだんの自分にはないこんな遊び心が生まれたのも、とんかつの食べごたえあってこそだろう。実際に味わってみると、やはりなくても困らないものだなとは思いつつ、ぴりりとした辛味と香りが加わって悪くない。なにより、目先が変わって最後まで飽きずに食べられた。
というわけで、文句なしに大満足の特大とんかつ体験を満喫。しかも今回、常連でもなくたった一度やってきた僕にも、店員さんは分け隔てなく、次回以降に使えるサービス券をくれた。これがまたまたお得な内容で、突然の松のや沼にハマっていってしまいそうな昨今だ。
また使いにきます
取材・文・撮影/パリッコ
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