AKB48・21期研究生 渡邉葵心（きこ）「皆さんの人生を少しでも明るくできるアイドルになりたい」【連載 なんで令和にAKB48？ Season2特別編】

2005年（平成17年）12月8日に秋葉原で産声を上げたAKB48。前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、篠田麻里子、大島優子、指原莉乃ら数々のスターを生み出し、誰もが知る国民的アイドルグループとなった。

あれから20年、数々の伝説を作ったAKB48劇場は昨年末に完全リニューアルされ、それに合わせておよそ9年ぶりのオリジナル公演がスタート。そしてグループとして再び東京ドームに立つという目標が掲げられた。そんななかで現役メンバーはどんな思いで活動しているかにスポットを当てた連載「なんで令和にAKB48？」

今回は特別編、12月4日に日本武道館でお披露目されたばかりの21期研究生5人が登場します！　ラストは秋田県出身、18歳の渡邉葵心（わたなべ・きこ）！

【地元の秋田で2次審査があったので、AKB48のオーディションを受けました】

――まずは子供時代から聞かせてください。

渡邉　小学校の休み時間はかけっこやサッカーをやるような元気ハツラツなコでした。

――自分から友達を誘うタイプ？

渡邉　そうですね。友達で集まって遊んでいるときも、ゲームをやっていて、つまらなくなったら、「ちょっと走ろうよ！」みたいな。自分から切り出します。

――学校ではどんな感じなの？

渡邉　いろんな友達と話す感じです。苦手な人とかはいないタイプなので、ちょっと寂しそうにしているなと思ったら、声をかけてみたりとか。

――陽キャですかね？

渡邉　そうなんですかね。でも自分より明るい人は話しかけづらいかもしれないです。ちょっと静かな人に「何してるの？」みたいな、コミュニケーションを取るのは得意です。

――まとめ役タイプなのかな。

渡邉　そうかもしれないです。今はクラスの副委員長をやっています。やりたがらないコが多いと「ならやります！」と立候補して。この前も卒業文集でアンケートを取らなきゃだったんですけど、「私がやるね」って1日でまとめたり。

――部活は何かしていましたか？

渡邉　昨年まで5年間、吹奏楽部で打楽器をやっていました。クラッシュシンバルだったので、体力と筋力にはすごく自信があります。

――どうして吹奏楽部に？

渡邉　小学校で器楽クラブに入っていて、打楽器を多くやらせてもらっていたこともあり、部活でもやりたいなと思ったのと、高校の吹奏楽部が強かったので、せっかくならそこでもやってみたいなって。

――元気ハツラツと言っていたから、体育会系だと思っていました。

渡邉　中学校のときは水泳部と吹奏楽部をかけもちしていたのですが、自転車通学で体力を削られてしまって、吹奏楽にしぼりました。

――AKB48を知ったきっかけは？

渡邉　テレビを見るのが好きなので、小さい頃から音楽番組やバラエティー番組に出ている姿を見ていました。

――推しメンはいましたか？

渡邉　渡辺麻友さんが私の中ですごく印象に残っていて。

しばらく空いて『根も葉もRumor』の時代に、柏木由紀さんがメンバーに話しかけるみたいな動画がYouTubeにあって、それを見て「今はこんなメンバーがいるんだ」と知りました。あとはTikTokに伊藤百花さんの動画が流れてきて「かわいい！」って。

――そこからなぜAKB48を受けようと？

渡邉　アイドルは幼少期から憧れていました。高校の進路相談で担任の先生に「アイドルなりたいです」と話したら、相談に乗ってくれたんです。AKB48の2次審査が秋田であることを教えてもらって、いいタイミングだなと思って受けさせていただきました。

――それは運命かもしれないですね。

渡邉　あとは知り合いの知り合いが乃木坂46さんに入って、地元ですごく話題になったんです。近くのコがアイドルになっているのに、自分が挑戦すらしないのは悔しいと思って受けたのもあります。

――オーディションで覚えていることはありますか？

渡邉　3次審査で東京へ行ったとき、緊張でガチガチだったのですが、たまたま隣にいた髙橋舞桜（まお）ちゃんが「どこ出身なの？」と話しかけてくれて、そこで緊張がほぐれました。その後の審査も「話したことあるコがいる！」という安心感があって、いい結果に繋がったのかなって。

――AKB48に入って楽しいことは？

渡邉　今までは自分が好きなグループのミュージックビデオを見て、勝手に振りを覚えていたんですけど、今は自分の曲として、細かい身振りや手振りを教えていただけるのがうれしいなって。

――逆に大変だと思うことは？

渡邉　やっぱり歌って踊ることは大変です。ずっと見てきて大変そうだなとは思っていましたが、実際に声がブレてしまったり、声に集中したら振りが飛んでしまったり。

――将来の夢は？

渡邉　いろんなアイドルの方々に助けてもらって、人生を明るくしてもらったので、私も同じように少しでも皆さんの人生を明るくできるような存在になりたいです。具体的な目標を言うと、選抜に選んでいただいて「このコかわいい」とか、「このコをお仕事で使いたい」と思っていただけるようなメンバーになりたいです。 

AKB48としては、今、20周年ということもあって、再注目してもらっていますが、前田敦子さんたちがいた時代に比べると、どうしても世間の方に今のメンバーが伝わっていないと思うので「今のメンバーもかわいいし、すごいよ」っていうのを発信していけるようになりたいと思います。

取材・文／関根弘康　撮影／後野順也