【第1位】ホンダ 新基準原付 盟主ホンダは新制度に即応し、早くも4モデルを投入。価格帯は23万9800円から40万円超までと、幅広い選択肢を用意した
今年、各バイクメーカーから大放出された魅惑のマシンの中から、7台の受賞車を独断のみで勝手に決定。
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【ホンダが新基準原付を4車種同時投入】――青木選考委員長、まずは1位からお願いします。
青木 今年のバイク界は〝新基準原付〟がすべてを持っていきましたね。良くも悪くも社会を揺るがし、ついには制度改正にまで至ったのです。
国内メーカー、特に二輪業界の盟主ホンダが旗振り役となり、10月16日に新制度対応の4モデルを公開。この会見には報道陣が殺到し、大きく取り上げられました。もはや〝新基準原付〟は流行語大賞にしていいレベルでしたね。
――ただし、SNSなどで誤解も広がりました。
青木 はい。「原付免許で125ccに乗れるらしい」という話がSNSを中心にひとり歩きし、混乱を招きましたね。
――実際はどういう制度?
青木 誕生したのは、従来の原付一種(50cc以下)の新たな枠、〝新基準原付〟です。原付免許で乗れますが、既存の125ccとは完全に別物。排気量は50~125ccでも最高出力は4.0kW以下に制限され、しかも〝新基準モデル〟として設計された車両だけが対象です。
――要するに原付一種の免許で乗れる新基準原付は、最高速度は30キロで、二段階右折義務など従来の原付一種のルールが適用されるということですね。では、新基準原付誕生の背景には何が?
青木 今年11月に施行された〝新排ガス規制〟の影響です。従来の50ccでは、コスト的にも技術的にもクリアがほぼ不可能。このままでは、日本の原付文化そのものが消滅してしまう。
――原付文化?
青木 はい。国内の昨年の原付保有台数は約418万台。数字だけ見ても〝国民車〟と呼んで差し支えない規模です。もはや趣味の乗り物ではなく、通勤・通学・買い物......生活インフラの一部なんです。
――それが規制で一気に失われる可能性があった?
青木 だからこそ、二輪業界(全国オートバイ協同組合連合会、日本自動車工業会)は、2022年から粘りに粘って交渉を続け、警察庁を動かした。
結果、〝原付が一時的に消える空白期間〟が生まれてしまうのをギリギリで回避したんです。二輪行政をずっと追ってきた身からすると、生活インフラを土壇場で守り切った歴史的な瞬間でしたね。
――ちなみにホンダの新基準原付はどんな顔ぶれ?
青木 スーパーカブ、スーパーカブ プロ、クロスカブ、ディオ110のLite仕様です。
【第2位】スズキ DR-Z4S/DR-Z4SM 10月8日に発売されたDR-Z4SとDR-Z4SM。価格は両モデルとも119万9000円。青木氏いわく「走りはどっちもギンギンです」と太鼓判
――2位をお願いします。
青木 スズキのDR-Z4S/DR-Z4SMです。常識的には「250ccがベストバランス」といわれるオフロード界に、スズキは2000年に〝250の軽さで400cc〟という反逆児的なDR-Zを投入。残念ながら09年に姿を消しましたが、実に16年ぶりに堂々復活を果たしました。
――DR-Z4SとDR-Z4SMの違いは?
青木 DR-Z4Sは21インチのブロックタイヤ(オフロード向けの角張ったパターンで不整地に強い)で完全オフロード特化。ジャンプも余裕でこなし、軽い車体と400ccの押し出しで、リアを流しながら走ると気持ちいい。
――DR-Z4SMは前後17インチでオンロード&サーキット仕様です。
青木 サーキットで試しましたが、切り返しの鋭さが際立つ。
【第3位】ホンダ EVアウトライヤーコンセプト ジャパンモビリティショー2025でホンダ開発陣を完全ロックオンした青木氏。納得するまで「ほほ笑み尋問取材」を敢行した
――お次は3位です。
青木 ホンダのEVアウトライヤーコンセプトで決まりです。ホンダが未来の二輪像をド直球で提示してきました。
――ほお! 具体的には?
青木 二輪駆動に腰を抜かしました。前後インホイールモーター(ホイール内にモーターを内蔵)と電子制御で理論上は可能ですが、それを実車でやってきた。低重心化も徹底していて、視界の広さも驚異的です。
リアタイヤは規格外の極太で、要するにSFアニメのバイクをホンダが実機で披露したようなモデルです。全部がやりすぎ!
【第4位】ヤマハ WR125R 大阪モーターサイクルショー2025のヤマハブースに登場して話題に。ファンの間では国内導入の期待が高まっているが......
――4位は?
青木 ヤマハのWR125Rです。
――そんなに?
青木 というのも、原付二種クラス(~125cc)のフルサイズのオフ車って、実は知る人ぞ知る超人気帯。維持費は安い、扱いやすい、サイズもガッツリ本格派なのに気軽に振り回せる。まさに日常から週末までフル活用できる万能バイク。
ところが、このクラスの国内メーカー製・ナンバー付きフルサイズは長いこと〝絶滅状態〟だったんです。その〝空白〟に、突然ヤマハが実車投入したわけです。
――発売はありそう?
青木 細かいことは言えませんが......ここだけの話、ヤマハの動きを総合すると〝ほぼ確定〟です。むしろ「出ない理由が存在しない」という状況。発売されれば、間違いなくヒット。いや、〝確実に市場を持っていく〟レベル!
【鉄板のCBとZに、新型EV続々】
【第5位】ホンダ CB1000F 11月14日に発売となったホンダCBシリーズの頂点。価格は139万7000円。
――5位は?
青木 ホンダのCB1000F。白バイの名門CB1300スーパーフォアが消えるタイミングで投入された〝新世代CB〟。直4エンジンの扱いやすさと電子制御を満載し、フラッグシップとしての完成度が異様に高い。ホンダの本気がモロ出しです。
【第6位】カワサキ Z900RS 漢カワサキの伝説モデル「Z1」のDNAを受け継ぐのがZ900RS。最新型の価格は152万9000~183万7000円
――6位は?
青木 カワサキZ900RS。18年の発売から大型バイク販売で7年連続トップのレジェンド。そのプレミアム最新型は、ブレンボ、オーリンズ、前後ドラレコまで〝盛れるだけ盛った〟完全やりすぎ仕様な仕上がり。来年はCB1000Fとのバッチバチの販売バトル確定!
【第7位】ヤマハ JOG E EV化されたJOGが12月22日、東京都と大阪府で地域限定先行発売。お値段は15万9500円。新時代スクーター爆誕
――そして、7位は?
青木 ヤマハのJOG E。50ccが消えゆく中、〝誰でも乗れる原付EV〟としてヤマハが市場投入。
――懸念材料はなし?
青木 ガチャコ(交換式バッテリー共用インフラ)との契約が必要で、交換ステーションは東京・埼玉・大阪に限られます。12月22日から東京と大阪で先行発売しますが、EV普及の試金石ですね。
【欠点】スズキ e-バンバン 懐かしの「バンバン」がEVで復活! ジャパンモビリティショー2025で公開され、ファンは大熱狂。市販化はあるか!?
――次点は?
青木 スズキのe-バンバンです。70年代の名車〝バンバン〟が原二EVで復活。ファットタイヤで砂地も行けるキャラは昔のまま。ベテランには懐かしく、若者には新鮮。海外EVスクーター「e-アドレス」の技術を流用しているそうです。大反響なので日本導入も十分ありえます。
――最後に総括を!
青木 今年は制度改正で原付文化を未来へつなぎ、EVが次の主戦場を描き、伝説モデルが復活。レトロも未来も同時に噴き出した、まさに〝やりすぎバイク元年〟でした。
撮影/山本佳吾 週プレバイク班 奥隅圭之 淵本智信
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