僕が見たかった青空・金澤亜美インタビュー
僕が見たかった青空が、12月17日に7枚目シングル「あれはフェアリー」をリリースする。冬の片想いを描いた新曲は、僕青としては珍しい可愛らしい世界観のダンスナンバーで、甘酸っぱさと切なさが交差する、この季節にぴったりのラブストーリーだ。
その中心に立つのが、今作で初めてメインメンバーに抜擢された金澤亜美。人前に出ることさえ苦手だった幼少期から、活動を重ねる中で殻を破り、自分だけの色を見つけてきた彼女はいま、7枚目で大きな役割を任されている。
グループ初となるソロ写真集の発売も控える中、金澤はどんな覚悟でこの冬を迎えているのか。新曲への想い、メインメンバーとしての責任、そして写真集に込めた決意まで、じっくりと話を聞いた。
【やりたいと思ったものには一直線なんです】――まずは幼少期のお話から伺えればと思います。小さい頃は、人前に立つのは好きなタイプでしたか?
金澤 いや......全然でした。家族の前でアイドルのダンスを真似して踊ったりするのは大好きだったんですけど、学校や知らない人の前に立つのは本当に苦手で。学校とかで「前に出てください」と言われても、すぐに「私は大丈夫です」って遠慮しちゃうタイプでした。
――お遊戯会や発表会でも前に出ようとはしなかった?
金澤 出なかったと思います。年少さんか年中さんの頃、運動会で手作りの帽子をかぶって踊る、みたいな出し物があったんですけど......その帽子がどうしても恥ずかしくて(笑)。「絶対にかぶらない!」って言い張って、手に持ったまま何もしなかった記憶があります。それくらい、人前に出ることが苦手でした。
――頑固な一面も?
金澤 はい、変なところで頑固なんです。「嫌なものは嫌!」ってハッキリ言う性格でした(笑)。
――でも、テレビで見るアイドルには心惹かれていたんですよね。
金澤 テレビの前でずっと真似して踊ってましたし、「ねぇ見て~」ってママにずっと見てもらっていました。アイドルになりたいという明確な言葉ではなかったんですけど、憧れていた気持ちはあったと思います。
――当時の夢はアイドル以外だと何かありましたか?
金澤 雑貨屋さんになりたいって言ってました。レジを打つのがすごく好きで(笑)。誕生日に父に本格的なレジのおもちゃを買ってもらって、家族みんなにお客さん役をしてもらってました。
母の友達が雑貨屋さんを開いていて、そのお店に行ったときの記憶も残っているので、それで雑貨屋さんっていいなと思ったんだと思います。
――最初に好きになったアイドルは誰でしたか?
金澤 板野友美さんです! AKB48の神7として大活躍していた頃、私はまだ幼稚園だったんですけど、テレビで観てずっと「ともちん、ともちん!」って言ってたみたいです。人生で初めてできた推しでした。
――YouTubeで共演してましたよね。
金澤 もう本当に嬉しかったです。自分がアイドルになって、ともちんさんと同じ現場にいるなんて......当時の自分に教えてあげたいです(笑)。
――今の金澤さんは"正統派清楚"のイメージが強いですが、板野さんとはタイプが全然違いますよね。
金澤 そうなんですよ(笑)。どこに惹かれていたのか自分でも覚えてないんですけど、小さい頃にピンときたんだと思います。当時は"アイドルになりたい"なんて全く思ってなくて、自分がそっち側の世界に行けるとは思っていなかったので。
――「自分もアイドルになりたい」と意識したのは、いつ頃だったんでしょう?
金澤 多分、高校生になってからです。中学の頃から"やりたいこと"が全然なくて......。進路を決めるタイミングになっても、本当に何も浮かばなくて、とりあえず入れる高校に進んだ感じでした。総合学科だったので、色んな道を見られるかなって。
――その中で、唯一"夢中になれたもの"がアイドルだった。
金澤 はい。
――周りに芸能を目指す子はいたんですか?
金澤 全然いなかったです。普通の学校でしたし、誰にも「アイドルになりたい」なんて言えなくて......。仲の良い友達に、受けたオーディションの話をちょっとするくらいでした。
――勉強は得意な方でした?
金澤 普通だと思います(笑)。でも、中学の頃は毎日塾に行っていて、休みの日も朝から夕方まで自習室にこもって勉強してました。テスト前だけ一気に詰め込んで、終わったら全部忘れるタイプでしたけど(笑)。成績だけは良かったと思います。
――もしアイドルになっていなかったら、どんな道を考えていました?
金澤 本当に何もなくて......。美容系の学校に行っていたかもしれないですけど、それも消去法でした。勉強だけは続けたくないけど、かといってやりたいこともないし、みたいな状態で。
今でも、アイドル以外の未来は全然想像できないです。メンバー同士でも「なってなかったら何してた?」ってよく話すんですけど、私はいつも答えが出せなくて。
――そんな中でオーディションを受けようと思えた理由は?
金澤 その前にもいくつか受けてたんですけど、全然うまくいかなくて。僕が見たかった青空のオーディションは、1期生としてゼロからグループを作っていくっていう部分にすごく惹かれました。先輩がいなくて、自分たちが最初の歴史を作るって......いいなと思ったんです。
――「受けてみよう!」とスイッチが入った。
金澤 受かるかどうかは全然わからなかったけど、「とりあえず行ってみよう!」って。私は、やりたいと思ったものには一直線なんです。逆に興味がないものは絶対にやらない。頑固な性格なので(笑)。
――最終的に3万5000人以上の中から23人に選ばれたわけですが、実感はありました?
金澤 全然です。1次の合格メールが来たときも、「間違いじゃない?」って思いました(笑)。
――えっ、最初は親に内緒で?
金澤 はい(笑)。でも、それまで別のオーディションを受けていたことは知っていたので、驚きはされませんでした。実際、どの審査ももう絶対落ちたと思って帰ってました。まわりは堂々としてて、可愛い子ばっかりで......。待ち時間も緊張しすぎて逃げたかったです。
――それでも勝ち抜いていったわけですよね。
金澤 ずっと信じられなかったです。毎回メールが来るたびに、心臓がバクバクで。人前に立つのが苦手だった自分が、こんなところまで来てるなんて......。夢の中みたいでした。
金澤亜美(1)
――デビュー後、初めてのレッスンは覚えていますか?
金澤 もう、めちゃくちゃ緊張してました。レッスンそのものより、初対面の人が大勢いる空間が本当に苦手で......。「どうしよう、誰とも話せない......」って。それが最初の大きな壁でした。
――コミュニケーションは元々得意ではない?
金澤 苦手です。自分から行けないタイプで、話しかけられるのを待つほうでした。
――最初に打ち解けたメンバーは?
金澤 (須永)心海ちゃんだと思います。オーディションが終わった直後、(今井)優希ちゃん、(萩原)心花ちゃん、心海ちゃんの4人で少し話して、そこでLINEも交換できて。それから合宿のとき、同じ部屋になって一気に仲良くなりました。
――須永さんは最初からコミュ力高かったんですね。
金澤 でも、最初の頃はすごく緊張している雰囲気で「清純派アイドルを目指してるのかな?」って思うくらい控えめでした(笑)。でも話してみたらやっぱりコミュ力が高くて、すぐに打ち解けられる子なんだろうなって。私は仲良くなるまで少し時間がかかるので、助けてもらいました。
――僕青に入ってから自分自身が変わったと感じたタイミングはありますか?
金澤 4枚目シングルくらいからです。殻が破れたとまでは言わないですけど、グループの中で自分が目指す方向とか、立ち位置がようやく定まってきた感覚があって。特に「好きすぎてUp and down」の時期からですね。
――具体的に、何が変わったんでしょう。
金澤 その頃、初めてのハーフツインの髪型にしていただいたり、歌番組にも出演させていただいたりして、金澤亜美=ハーフツインと認識してもらえるきっかけができたんです。それが自分でも嬉しくて、活動が一気に楽しくなりました。
3枚目までは「どう貢献したらいいんだろう」「自分はどんな役割なのかな」って迷いながら活動していたんですけど、4枚目あたりから"今の自分"がわかってきたというか。そこからは気持ちが吹っ切れましたし、少し明るくなれた気がします。世界が変わった感じでした。
――ちょうどその少し前、初めての舞台経験もありましたよね。
金澤 それもすごく大きかったです。最初のお稽古は、本当に声が出なくて......。演出家さんからも「金澤、頑張れ!」って毎回励ましていただいていました。
――普段はおとなしいのに、ステージではしっかり声が出ていて驚きました。
金澤 私自身もすごく悩みました。周りのみんなは最初からちゃんと声を出せていて、スタート地点の違いを感じて落ち込んだりもしました。でも、夏休みの期間に自分なりに努力して、少しずつ声が出るようになっていって......。終わった頃には、自分でも成長を感じられたと思います。
――2回目の舞台「夏霞2025」は、みんな余裕がありましたよね。
金澤 1回目とは全然違いました。私もみんなも余裕が出て、アドリブを入れたり、日替わりパートを楽しんだりできるようになって。お芝居をするのが楽しいと思えたのは、今年に入ってからです。
――この1年は、映像のお仕事も少し増えましたよね。演技をするのは好きですか?
金澤 好きです。というか......意外と自分に合ってるかもしれない、って思いました。お芝居の魅力ってその世界の人になれることじゃないですか。普段の自分とは全然違う気持ちを体験できたり、役を通して自分の中の新しい感情が見つかったりするのがすごく楽しくて。
――舞台とはまた違う難しさもありますよね。
金澤 はい。でも、映像はちょっとした表情の変化で感情が伝わるところが好きなんです。舞台のように声を張る必要もないし、繊細に表現できるのが自分には合っているのかなって。まだまだ経験不足なので、もっと勉強したいなと思っています。
金澤亜美(2)
【ファンの皆さんの夢も、一緒に叶えられたと思っています】
――7枚目シングル「あれはフェアリー」のメインメンバー発表のとき、以前の金澤さんなら涙がこぼれていたかもしれない......とも思ったんですが、今回はどこか覚悟のような表情に見えました。実際、呼ばれた瞬間はどんな気持ちでしたか?
金澤 もう、めちゃくちゃ驚きました。自分じゃないと思っていたので......本当にびっくりしましたね。もちろんメインメンバーになるのは夢でもあったし、ずっと憧れていた場所でもあったので、嬉しさもありました。
でも正直、「いや、まだ自分じゃないだろうな」って気持ちもあって。覚悟というよりは、「どうしよう......」という不安のほうが大きかったです。
――以前、金澤さんにインタビューさせていただいたときは、ちょうど発表後すぐのタイミングでしたよね。あの頃はまだ気持ちの整理がついていない印象でした。
金澤 あのときはまだ全然整理できていなかったです。でも時間が経つにつれて、責任感とか、冷静に考える余裕が少しずつ出てきて。逆に7枚目の活動が始まって、MV撮影取材などで、メインメンバーという場所の大きさをすごく実感するようになりました。
自分はとても大きなポジションに立たせていただいてるんだな、と。それで、責任やプレッシャーがどんどん強くなって......一時期は不安が大きくなりすぎて、すごく悩んだ時期もありました。
――その不安は、どうやって乗り越えたんでしょう?
金澤 不安が完全に消えたわけではないです。今も悩もうと思えばいくらでも悩める状態ではあるんですけど......。ただ、曲がリリースされるタイミングには堂々とした姿でいたい、って気持ちがすごく強いんです。
ずっと落ち込んでばかりもいられないから、割り切って頑張るって気持ちに切り替えました。自分を上に立たせる、というか......前に出さなきゃいけない、という覚悟はできました。
――メインメンバーとして「こうなりたい」という理想像はありますか?
金澤 私は言葉でみんなを引っ張るタイプではないと思います。言葉にするのが苦手で、気持ちを伝えるのも得意じゃないので......どちらかというと背中で見せるタイプなのかなって。でも、これからは言葉で伝える場面も増えていくと思いますし、そこは頑張らないといけないなと思っています。
――この先、メディアでも任される場面が増えるでしょうし。
金澤 そうですよね。私が不安そうにしていたら「このグループ大丈夫かな?」って思われちゃう気がして......。メインメンバーって本当に目立つポジションなので、そこでの在り方がグループ全体の印象に大きく関わると思うんです。
だからグループがよく見られたいという気持ちが、自分を頑張らせてくれている部分はすごくあります。自分のためというよりは、みんなのためなら頑張れるタイプなんだと思います。
――この期間で、また大きく成長しそうですね。7枚目の活動が終わる頃には、表情も言葉も変わっていそうです。
金澤 そうなっていたら嬉しいです。今はすごく前向きに頑張れてます。メインメンバーはずっと夢だったし、ファンの方がすごく喜んでくださっているのを見て「頑張ろう」と強く思えるんです。
私自身、このポジションに立ちたいって気持ちを少しずつ伝えてきたので、それを応援してくれたファンの皆さんの夢も、一緒に叶えられたと思っています。その気持ちがすごく支えになっていますね。
――では、改めて楽曲の話も伺えればと思います。今回の楽曲の印象と金澤さん的な注目ポイントはどこになりますか?
金澤 今回は僕青にはあまりなかった可愛らしい楽曲です。これまで私たちはカッコいい曲が多かったので、アイドルらしい雰囲気の曲はすごく新鮮でした。しかも冬の曲って今まであまりなかったので、そこも新しかったです。今までとは違う表情を見ていただけるんじゃないかなと思います。
MVは、内気な私が転校してきて......というストーリーなんですけど、馴染めずにいる姿がけっこう自分と重なる部分が多くて。
ずっとキャメル茶色の制服で踊っているんですが、ラストで衣装に変わってみんなで踊るシーンがあって......そこで一気にアイドルらしくなるんです。あの瞬間は自分でもすごく感動しました。ぜひ注目して見ていただきたいです。
――MV撮影のエピソードなどはありますか?
金澤 MV撮影の日が一番メインメンバーであることを実感した日でした。自分が多くフィーチャーしていただく場面もあったので、責任やプレッシャーもすごく感じました。
今までのメインメンバーのみんなも、こういう気持ちだったのかな......と思ったりして。大変さも知りましたし、自分の中で気持ちが大きく変わった日でもありましたね。
――きっと今回選ばれたメンバーさんたちも、色々気にかけてくれていたんじゃないですか?
金澤 そうですね。今回のストーリー的にも、私だけ別の場所で撮ったり、1人でのシーンが多かったりしたので......すごく孤独を感じた瞬間もありました。こんな気持ちを、今までのメインメンバーのみんなも感じてたのかなって。
でも、(八木)仁愛ちゃんが私のことを探してくれていて。私が1人で撮影場所に残っていたとに「よかった、亜美ちゃんいた~!」って声をかけてくれたんです。言葉で励ますというより、そばにいてくれる感じがすごく嬉しくて、安心しましたね。仁愛ちゃんだからこそ気にしてくれた部分もあったのかなって思います。
金澤亜美(3)
――そして僕青初のソロ写真集も発売されるということで、最初にお話があったときは、どういう流れだったんですか?
金澤 最初はレッスン終わりに、スタッフさんから突然「少し話せる?」って声をかけられて。写真集とは言われなかったんですけど、「ちょっと水着になるお仕事が入りそうで......」って聞いて。そのときは全く予感がなかったので、びっくりしました。
――予兆ゼロだったんですね。
金澤 本当にいきなりでした。でも同時に、不安のほうが大きかったですね。露出も怖かったし、そもそも写真集ってそんな簡単に出せるものでもないので......。いろんな大人の方が動いてくださってるとも聞いていたので、プレッシャーもありました。
――その不安は、グループ初というプレッシャーもありましたか?
金澤 それも大きかったです。何をどう準備すればいいかも分からないし、自分が写真集を出す姿が全然想像できなくて。ほかのメンバーの経験談も聞けないので、余計に「大丈夫かな?」って。
――そもそも、写真集を出したいという気持ちはあったんですか?
金澤 「絶対出したい!」とまでは思っていなかったんですけど、アイドル活動をしていれば、いつか出せたらいいな、くらいの気持ちはありました。写真集を出せるって、それだけでもすごいことなので。
でも、こんなに早いタイミングだとは思ってなかったので......。人生初の海外旅行で、今回のためにパスポートを取りました(笑)。不安もありますけど、でもすごく楽しみです。
――今回は水着も初挑戦するそうですね。
金澤 そうなんですよ。だから不安もあるんですけど、いろんな自分を見ていただける写真集にしたいです。みなさんが手に取ってくれるといいなって思います。
――体づくりも調整中ですか?
金澤 はい。けど私はすぐ上半身から痩せちゃうので、食事制限しすぎるとバランスが悪くなっちゃうんですよ。顔には付きやすかったり......(笑)。だからちゃんとご飯は食べつつ、むくみに気をつけて、いい状態で臨めるようにしています。
――楽しみですね。では7枚目シングルのリリースに向けて意気込みをお願いします!
金澤 メインメンバーになったからには、とにかく多くの方に僕青を知ってもらうことが目標です。私をきっかけにグループを知っていただけたら嬉しいですし、そのためにSNSも頑張っていきたいと思っています。活動していて、自分が貢献できる部分ってSNSや発信の部分なのかな、と感じることが多くて。僕青の魅力をたくさんの方に知ってもらうのが、このシングル期間の大きな目標です。
●金澤亜美(Ami KANAZAWA)
2007年2月14日生まれ 神奈川県出身
身長=156cm 血液型=B型
ニックネーム=あみ
公式Instagram【@kanazawa.ami_bokuao】
公式TikTok【@kanazawaami_bokuao】
活動の詳細は「僕が見たかった青空」の公式サイトをチェック!
僕が見たかった青空7thシングル『あれはフェアリー』は12月17日発売!
「BOKUAO 青春納め 2025」12月28日(日)TACHIKAWA STAGE GARDENにて開催。
金澤亜美1st写真集2月27日発売。
取材・文/川崎龍也 撮影/後野順也

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